社長の給与は高すぎる -税務的な側面から
おはようございます。今朝の日本経済新聞でサムスン電子のCEOの報酬がスマホ不振に
かかわらず15億円であったという記事をみて昨日の租税訴訟学会の研究会を思い出し
ました。日本でもプリント基板のキョウデンの最高顧問が12億円の報酬を受け取った
と以前にありました。上場企業では高額報酬と株主総会で批判される可能性はあります
が税務調査で課税されたという話は聞いたことがありません。しかし、未上場の会社で
は特に退職金などで過大であるということで、一部を否認されることがあります。自分
の顧問先でも相談されることが多いです。税理士としての自分の立ち位置は会社の算定
方法をレビューして妥当であると判断すれば、以下に述べるように一定の否認リスクは
ある事は会社に納得してもらいつつ、恣意的な税務当局の否認に関しては当局と争うと
申し上げています。
この否認の根拠は法人税法34条2項で過大な役員給与、退職金は損金の額に算入しな
いという規定に基づくものです。そして過大の判断材料として施行令70条(二)で
①業務に従事した期間②退職の事情③同種規模類似法人に対する退職給与の支給状況の
基準が設けられています。曲者は同種規模類似法人の退職給与の支給状況であり当然
他社が退職給与の支給状況などは教えてくれるはずはありません。また、同種規模類
似といっても例えばセブンイレブンのようなトップ企業が他の二位以下の企業の状況
を参考にされて過大と言われても納得できないでしょう。
租税訴訟学会の研究会で山本守之先生と山下清兵衛先生が税法に対する問題点と
税務当局の役員給与の恣意的運用に怒りを覚えているのに非常に共感を覚えた次第です。