税務調査シーズンが終わりました
法人税の税務調査シーズンが終わりました。税務署の人事異動が7月ごろにあるので税務調査の活動は夏過ぎから12月初旬までがピークで年明けは確定申告でお休みになります。自分のスタンスですが基本的にはスムーズな調査ができるようにきちんと事前に資料をそろえて調査官には協力的にするよう指導をしています。私がみていても細かい間違えはたまにあるので誤りはきちんと認め納税するようお願いしています。ただ、解釈の部分で納得できないときは徹底的に議論します。税務調査で思うのですが「税務署の見解ではXXになっています」と通達や国税庁の見解などを持ち出す調査官は多いです。自分も通達は尊重し、逸脱する処理は避けてもらうようにしていますが、実態からいって杓子定規にあてはめるのは適さない場合があります
最近議論になったのは、ホームリーブ(外国人が本国に帰国する休暇)の旅費負担の取り扱いでした。確かに所得税の通達にはおおむね1年経過後の帰国とは書いてあります。ただ、自分が対峙したケースでは子供の夏休みもあり新年に赴任してきて7月にホームリーブをとったのが1年未満だから課税すると当局が主張してきました。その外国人は翌年も夏にホームリーブをとっておりおおむね1年ごとに取っていることは明白です。そもそもこの規定は短期滞在の外国人には適用しない、およびホームリーブ名目での経費の濫用を防ぐ趣旨なので杓子定規な適用は納得できないと抗議しました。そもそも租税法定主義(法律の根拠がなければ課税されない:憲法84条)で通達を根拠に課税することは許されないはずです。
最終的には調査官は検討しますということで今現在返事待ちです。誤りや不正を税務当局が正すのは当然で私も税理士として協力していきたいと思います。一方、さじ加減で後に課税されたり正当な経済活動を妨げたりするようなことについてはきちんと税務当局には物申して行こうと思っています。