CFOは面倒くさい人か?
多分一般的な人のイメージからするとCFOなど管理部門の役員は物事をやたら複雑化する面倒くさい人というイメージが強いと思います。確かに企業によっては財務担当役員が巨大な財務経理部門を率いて網の目のようにルール、承認・報告体制を張り巡らし管理・監視・コントロールをしています。ある中堅企業の財務担当役員の方とお話ししたところ、「鉛筆一本の購入にも目を光らせていますよ」と自身の会社のコントロールの強さを自慢されていました。その企業では、あるとあらゆるデータが集められ判断ができるわけです。
しかし、本来のCFOの仕事は現場のありとあらゆる判断に干渉することではありません。むしろ現場で判断できることは現場で出来るように簡潔・明瞭なルールを作り運用を促進することです。きちんと運用されているかは監査等の際に確認・修正していけばいいわけです。
CFOにとって重要なのは膨大なデータを集めることでも組織の末端まで細かく監視することではなく、いかに経営の意思決定に重要な情報を厳選していくかにあります。いわゆる雑多な情報の中から重要な情報を提供して経営の重要課題を解決していくために貢献するわけです。したがって、本来は物事を複雑にするのではなく、むしろ単純・明確化していく頼りがいのある人のはずなのです。