ルペンやトランプをうみだしているものは何か?

ルペン

別の政治評論家でもこのあたりで深い知識があるわけでもないですがさすが不安になりました。

フランスの極右政党の代表である、ルペン氏が開票速報によれば約23%の得票を決選投票への進出を確実にしたそうです。主な主張の3本柱は自国優先、テロ対策強化、移民排斥でしょう。彼女の支持者はマスコミなどで30歳以下の若者や労働者層、失業者層など現在の経済情勢で虐げられている人たちだと言われています。全世界の傾向として「民主制(デモクラシー」から「衆愚制(デマゴジー)」へ進んでいる気がします。

さて、先日塩野七生さんの「ギリシア人の物語II(民主制の成熟と崩壊)」を読みました。この本ではペリクレスが治めデモクラシーの頂点を極めたアテネがクリオンなどによりデマゴジーへと進み崩壊していく様を描いた多少憂鬱な気分になる話です。この中で、デモクラシーのリーダーとデマゴジーのリーダーの差を明確に言い当てています。デモクラシーの真のリーダーは「民衆に自信を持たせる人」「誘導する人」、デマゴジーのリーダーは「民衆が心の奥底に持っている漠とした将来の不安をあおるのが実にうまい人」「扇動する人」というわけです。なぜ少し憂鬱になるかというとアメリカのトランプ大統領やフランスのルペン大統領などの手法は不安の原因を「移民」や「グローバル化」などにあてそれを扇動することで人気を得ました。お隣、韓国などでも文在寅候補などは逆に極左ではありますが、基本的に不安の原因を「移民」の代わりに「財閥」「日本」において反財閥、反日で国民を煽る手法は似ていると思います。

国家でも企業でもリーダーは理想像をきちんと示し、それに向かって人々を励まして自信を持たせてくれるような方が求められるのですが最近は見当たりません。しいて言えばわりとオバマ大統領が「チェンジ」を訴え,「あなたはできる!」とそれに近い形を目指していたと思われるのですが、必ずしもうまくいかなかったかもしれません。少なくとトランプ大統領はその失敗点を見つけ出し非常に巧みにその不安を扇動しました。この不安の原因は何かというと「中産階級」の崩壊があると思います。アメリカは富のほとんどは富裕層に偏ってしまったですし、ヨーロッパもその傾向があります。韓国も財閥に就職できないと落伍者扱いでかつその競争は激烈です。

そういった意味では安倍政権は安定しています。安倍首相は「誘導する人」とまでは言えませんが、少なくとも「扇動する人」ではなく安定感はあります。一つとして、アメリカやフランスに比べ中産階級の崩壊が緩やかなことがあるのでしょうか。政策的には私はあまり賛成しているわけではありませんが、対案を出す政党がどこにもありません。民主党は「森友問題」で国民の怒りを煽ろうとし、手法としてデマゴーク的で信頼できません。しかし、現状の微温的政策が続けば親の世代が豊かでなく教育もあまり受けられない層が増えてきてだんだんと日本も諸外国の先例を受け継いでいくのではないかと思われます。そういった意味では日本はまだまだ少しですが時間があります。少し苦しい思いをしても明るい将来がかすかに見える誘導、してほしいです。

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