「忖度」は受験勉強の弊害か?

受験

最近「忖度(そんたく)」という言葉を聞くことが多い気がします。忖度(そんたく)」という言葉、森友学園問題がきっけかと思います。籠池氏は会見で、土地取引のスピードが上がったのは「忖度」があったからだと語りました。昭恵夫人の秘書に問い合わせたのをきっかけに、財務省の官僚たちが夫人の意向を「忖度」したという主張です。今回は多くの皆様が飽き飽きしている森友問題の話ですありません。

今朝の日本経済新聞で池上彰さんが「大岡山通信」で面白いことを言っていました。「難関校を突破する効率的な解答テクニックを身につけようと子供のころから出題者の意図を素早く読み取る技術に皆さんは磨きをかけてきた」とのべ、これが忖度だと述べています。私が一番記憶に新しいのは公認会計士2次試験です。XX委員対策などと言われて、ひたすらXX委員の本を読み、その意図を忖度して答案を書く練習をひたすらします。受験生の中にはXX委員のこの理論はここがおかしいのではないかと疑問を持つ人がいたりしましたが、残念ながらこのような人はなかなか試験に受かりません。頭が良くて模試の成績が良くても受験に失敗するのはこのタイプです。私もひたすら自分の考えを抹殺して試験委員の考えを忖度していました。こういった受験勉強の恐怖は一生受からないのではないかということとともに、このようなある意味頭をからっぽにするようなことばかり何年もやっていると頭が悪くなり世の中で使い物にならない人間になってしまうのではないかということでした

個人的には司法試験や公認会計士試験などの比較的難しい資格試験や東大などの一流校に合格する人というのはこの忖度する力が強い傾向がある気がします。たまに東大3年生で司法試験合格などという話を聞きますがこのような人はたいてい東大も現役合格です。当然勉強はよくやりますがガリ勉タイプではなく、このような忖度する力が強いのではないでしょうか。ただ、全く忖度する力が無駄かというとやはり瞬時に相手の考え方を読み取る力というのは社会でも大切だと思います。ただし、森友の財務官僚のように自分の頭で考えずに忖度のみしてしまい鵜呑みにして行動することが問題なわけです。松井大阪府知事が言っているように良い忖度と悪い忖度があるわけです。

まとめると、忖度する力は持ちながらももう一方で自分の頭で批判的に考えることも行う習慣が大事だということです。そういった意味では長く受験勉強をやっていると長い間後者を押し殺さねばならないので自分の頭で考えない「悪い忖度」が身につく恐れがあります。私の結論としては受験勉強自体は必ずしも悪くないが長く続けるのは非常によくないということになります。

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