原子力だけでない気になる東芝の決算(決算雑感)

NTT

東芝が第3四半期決算を発表しました。新聞誌上では2256億円の債務超過や原子力発電に絡む減損処理による5325億円の純損失、そして監査法人PWCあらたの監査意見の非表明などが話題になっています。私はそれ以外の決算発表で気になった部分をみて行きます。

気になるのは在庫の増加と売掛債権です。売上は減少しているにもかかわらず在庫が750億、売掛債権は475億増加しています。在庫の場合前期末に3600億程度一気に在庫を評価減も含めて減らした反動や季節変動ということも考えられますが資金繰りがただでさえ苦しい中、このあたりは財務部門が厳しくコントロールするはずなので経営状態的に目に見えないよくないものを感じます。

セグメント的に見ても今回稼ぎ頭はストレージ&デバイス1243億の売上で155億の営業利益をたたきだしており、約30%の売上と営業利益のほとんどをたたき出しています。そして今回の分社化はこの事業の中核であるメモリー事業ですからざっくりいう売上の30%が消滅します。そして原子力事業も売上は30%弱ありますのでこの2つがなくなると規模的には半分以下の規模の収益性もあまり高くない魅力のない企業となる姿が目に見えてきます。

こうやって数字をみて行くと残酷な現実が目に見えてきます。このような厳しい現実を見据えて今後経営陣がどのように対処していくかは逆に楽しみなところです。

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