小学校3年からの英語教育は英語力を伸ばせるか?
中央教育審議会は学習指導要領の改訂を21日答申しました。その中で小学校5年生から行っている英語の授業を小学校3年から開始して小学校5年生からは正式科目にして週2コマになるようです。世界的に見て英語力が低いとされている日本人の英語力を上げようということなのだと思います。日本人の英語力を高めるという目的は否定しないのですが、その手段によって効果が上がらない可能性があります。私はお客様に外資系企業などがあり、お客様と対面やメイル、電話など英語を使う機会がしばしばあり英語が比較的得意な人間だと思われていますが、実は学生時代は1番嫌いで苦手な科目で社会人になって必要にかられてしかたなく勉強したタイプです。いわゆる語学の天才とかではない、どちらかというと苦手意識のある人間の私見なのでバイアスがかかっているかもしれませんがご容赦ください。
日本の場合一番問題だと個人的に思うのは一流大学卒の比較的優秀な層で英語がまともに話せない方が多数いるということだと思います。この要因により国際競争や国際政治の世界で損をしていることが多い気がします。また、全く話せない人が多いのも特徴かと思いますがこちらは優先度は低い気がします。たとえば中国やインドなど人口の多い国でも英語を話せない人の割合は多分日本よりはるかに多いと思いますが一流大学卒のグローバルに活躍するような層にはほぼいません。また、発展途上国などに行くとブロークンで酷い英語なのですがなんとか意思疎通ができる人たちが町の一般の商店やタクシーの運転手には結構います。
私の子供たちの同級生などを見ているとある程度教育熱心な親の子供というのは幼少から英語の教材などや英会話スクールなどに通っています。このような子供から見ると小学校の英語で一般的な小学校の先生が教える英語の授業は退屈で仕方がないようです。多少底上げは可能ですが、どちらかというとブロークンで話せる層が少し増えるだけではないでしょうか。よく日本の英語教育で文法や読み書き偏重で聞く話すが少ないと批判がありますが自分の例だと英語ができなかったのは圧倒的に読み書きの量が少なかったからだと思っています。読みはいわゆる英文和訳を学校で習いますが、試験などでは厳密な直訳をしなければならないので日本語に翻訳するために時間をかけて読む習慣ができてしまいます。自分の英語が伸び始めたのは大学の専門課程の授業で大量の英語の論文を読まなければならず、しかしとても訳せないので四苦八苦しているうちに翻訳せずに英語で考えて読むようになってからです。あまり科学的な話ではないのですが大量の英文を読んで英語脳を作っていくと、話す・聞くも英語脳で行い徐々に力がついてきた気がします。私は諸悪の根源は英文和訳の試験ではないかと思います。
一方あまりないのが和文英訳の試験です。社会人になって英文レターの書き方を通信教育で添削してもらい非常に勉強になりました。これはあまり語られない不都合な真実だと思いますがそれは単純に中学校や高校の英語の先生の大部分は和文英訳をきちんとできるレベルに達していないからではないでしょうか。以前英語の先生で英語検定の準1級を取得している英語教師の割合が高校で57%中学では30%程度と新聞で取り上げられていました。個人的には英語教師も含めて英語で仕事をまともにする最低レベルが英検1級だと思っており、準1級レベルやそれに達しないレベルではまずきちんとした英文に添削するのはまず無理だと思います。厳しい意見かもしれませんが英語の専門家なのですから専門家にふさわしい実力はつけて当然だと思うのです。
まとめると、英語教育の時間を増やすことが無駄とは言いませんが質を高くすることの方が大切だと思うわけです。英語教師の数を増やすよりきちんと英語ができる人を採用する、または今いる教員の方にもっと勉強をしてもらうことが必要です。カルキュラムも英語脳を作るようなものが必要で(初学者ならともかく)ある程度英語をまなんだ学生にとってはは英文和訳などは英語脳をつくる障害にしかならない気がするのです。
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