大学発ベンチャーはなぜうまくいかない
日本経済新聞で「花開くか大学発ベンチャー」という連載がされています。ここで研究成果を事業化を目指す大学発VBは苦戦しているという話が載っています。私は別に大学発VB を網羅的に俯瞰できるわけでもなく、意見もバイアスがかかっているかもしれませんが私見をお話ししたいと思います。
まず支援する側の問題があるかもしれません。まだまだ支援する側が(自分の反省も込めて)金融や会計など文系世界の人間が多く理解する能力が足りないことがあげられます。私も大学発VBの先生のお話をお聞きしましたが、ちんぷんかんぷんでどう事業に結びつくのか全く分からなかったことは少なくありません。シリンコンバレーなんかですと大学発ベンチャーで成功した経営者が支援しているケースもありますし、博士号とMBA両方持っている方も普通にいます。そういった意味では支援する側の厚みがまだまだ欠けていると思います。そういった意味で東大発ベンチャーのユーグレナが支援を開始するというのは素晴らしいことだと思います。
一方大学発VB側にも問題があります。まず、大学の先生のプレゼンがあまりうまくないことです。聞き手が勉強不足なことも問題ですが話し手が専門用語満載のマテリアルを読むだけでは何だかわかりません。別に私はネイティブ並みの英語力を持つわけではないですが一般的にはアメリカの先生の英語の話の方がはるかに分かりやすいです。あるアメリカの大学の先生に聞くと研究費を得るためにはプレゼンできちんと研究の意義を説明できないとまず研究費が獲得できないそうです。そういった意味でアメリカの先生は日頃から鍛えられているわけです。また、その技術の素晴らしさと事業化でうまくいくかは必ずしも強い相関があるわけではないので、その当たりの認識も大学発VBはうすい感じがします。技術の素晴らしさをひたすら強調されても「それを使ってどうするの?」の部分が弱いと気持ちが萎えてしまいます。
このあたりのギャップを埋められる方がどんどんVB側、投資家をはじめとした支援側に増えてくればどんどんVB生態系は良い方向に向かっていくと思います。私もバイオベンチャー支援でかつて高校の生物の教科書から勉強し直したこともありますし(あまり自慢できるようなことではないですが・・・)、微力ながら何らかの貢献ができればと思います。
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