日本におけるサブプライムローンの退潮
今日の日本経済新聞を読んで驚いたのはいわゆる消費者金融系の貸金業者の退潮とそれとは逆の銀行ローンの伸びです。2010年の貸金業法改正で上限金利は20%に引き下げられ総量規制として貸付総額も年収の3分の1までに引き下げられました。その他貸金業者に対する取り立て行為等についても厳しく規制が設けられるようになりいわゆる高利の闇金業者に対する罰則も厳しくなりました。これによって消費者金融系の貸金業者のローン残高は改正法施行前の約14兆から6兆程度まで激減、一方で銀行系は3兆程度から5兆を超えるところまで伸ばしてきました。要するに全体的な消費者ローンの市場は大きく縮小したことになります。特に縮小したのがサブプライムローンといわれる年収400万までの比較的中低所得者向けの市場でここのあたりは消費者金融系の貸金業者が得意としてきたところでした。
当初この改正貸金業法が施行された時よく巷でささやかれていたのが、借りれなくなった層が闇金に流れ社会問題化するに違いないということで、私もそのように予測していました。確かに当初は「闇金ウシジマくん」というマンガが流行するくらい闇金問題がありましたが、今はかなり沈静化していると思われます。このサブプライム層の資金需要というものがもともと必要以上に消費者金融業者の利便性をうたう宣伝などの供給側の施策によって需要が必要以上にあおられていたのかもしれません。
消費者金融についてはあおられた需要によって多重債務者など社会的に悪い影響を与える問題が生じてしまいましたが、ある意味本当の必要性がなくとも、需要は生み出すことができる一つの例かもしれません。消費低調と言っても何かしら企業側の火をつける努力で何かしら生み出すことができるのではないかと逆に思われる出来事でした。
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