監査でのビックデータの利用
あずさ監査法人でビックデータを監査に利用するという記事が今朝の日本経済新聞に載っていました。私も以前売上が兆円規模の上場会社を監査した経験がありますが当然その規模だと抽出できるのはほんの一部でしかありません。そういった意味でビックデータを利用して全件データをとりあえず分析の対象にすることができるのは不適正な取引を発見する意味でも意義があると思います。
ただし、「ビックデータを利用する」ということが不適正な取引を発見できる決め手になるわけではありません。わかりやすい例として日経の記事では工事進行基準では工事日程の達成率と原価計上の達成率を比較して齟齬があるものを抽出するとの例が上がっています。そして完成予定日が近いのに原価計上が少ないケースなどをあぶりだすと書いてありました。そうすると監査の前に不正をしたい側は工事日程を延期するなど齟齬のないように調整したりしてくるはずです。
このようにロジックが明らかだとなにかしら相手側も対策を立ててくるわけでビックデータの利用自体にポイントがあるのではなく抽出ロジックにポイントがあるのだと思います。ある意味監査側と不正側の知恵比べは引き続き続くということになりそうです。お問い合わせは↓まで