サイバーダインの大幅株価下落について
アメリカ調査会社シトロンリサーチが介護用ロボットを手掛けているサイバーダインについて過大に評価されているというレポートを出して株価が大幅に急落しました。以前伊藤忠商事の株価がやはり別のリサーチ会社のレポートで大幅に下落しました。
個人的な印象ですが伊藤忠商事の場合は淡々とリサーチ会社としての分析を示して会計処理の不透明さを述べていましたが精緻な分析で説得力がありました。今回のシトロンリサーチはどちらかというとかなり扇情的な文章で”Rediculously Priced Stock”(ばかげた価格の株)ではじまります。財務成績や他社と比べた技術的優位性の無さ、開発の遅れなど徹底的にこき下ろしている内容です。もともとリサーチ会社と言っても空売り屋さんなのでレポートを公表して空売りして株価を下げて、下げたところで買い戻して儲けるといった意図が露骨に見えてしまうような感は強いです。
実はあまりこのレポートでサイバーダイン自体の分析はあまりなく、他社がどれだけサイバーダインより先にいているかがほとんどです。実際のサイバーダインに対する記述は売上が当初予測より低くその多くはダイワハウスなど協力企業、知的財産権が筑波大学に握られている、FDAへの承認が不透明など限られた情報のみです。「研究開発費が日清食品より少ないので研究開発に力を注いでいない」など比較の対象もあいまいであまり感心した内容ではありません。サイバーダインのCFOが「悪意を持って書かれた」と述べる気持ちはわかります。
ただ、一部のアナリストが述べているように開示情報があまりないので判断がしにくいというのは確かで、シトロンのレポートは扇情的に書かれすぎていてかえって信頼性が薄くなってはいますが、FDAへの承認申請や財務ターゲットの未達などはもう少し丁寧な説明が会社側は必要だったと思います。
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