サッポロHDの黒字化について

Beer

 

今日の日本経済新聞(13版)の17面の企業業績面に5つほど比較的大きな扱いの企業業績が載っています。サッポロHDの記事もその一つですが、そのうち2つは5月四半期決算の発表記事ですが3つは日経の記者の取材による観測記事です。決算の正式発表前ですから本来は情報統制をしなければならないと思うのですが、あきらかに内部者しか知りえない具体的な数字が出てくるのでいつも大丈夫かなと気になります。このあたり良くも悪くも日本は緩い感じがしますが、米国企業などはこのあたり非常に神経質でした。

さて、観測記事ではありますがサッポロHDが黒字に転換したようです。ビール会社なので季節変動が多いようで昨年の財務資料を見ると売上は第一四半期からそれぞれ1,084, 1,374,1,423,1,456億円、営業利益は-43, 30, 73,80億円と上半期はあまり数字がよくないのですが夏場から年末にかけてぐっと盛り返すという典型的追い上げ型の企業のようです。昨年の決算のセグメントの報告書を大まかに見ると国内酒類と恵比寿ガーデンプレイスなどの不動産業でそれぞれ半分くらいを稼いでいます。国内種類の営業利益率が3.1%なのに対し、不動産賃貸業の方は35.4%と業種特性はあるとしても圧倒的に不動産業の効率の良さが目立ちます。実は今期の第一四半期も14億の営業赤字ですが不動産は26億の黒字をたたき出して他の赤字を埋めている状況です。サッポロHDにおいては不動産業の安定した収益が季節変動の多い酒類業界という要因を緩和しています。比較的季節変動の多いビジネスに不動産賃貸という安定した業種の組み合わせは離れた業界通しなのにグループ経営としては成功しているのではないでしょうか。一つとして自社の恵比寿の物件の管理に集中しているという手堅さもあるのかもしれません。

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