韓国と日本の超少子化で思うこと
日本は2015年度の出生率が1.46、韓国が1.24と超少子化ということでもこの両国は非常に低く日本経済新聞でもこの両国について意識調査が行われて解説記事が載っていました。記事では「根底に性別分業」という「男は仕事、女は子育て」という性別分業があるのではないかと述べています。つまり、女性の社会進出が進む一方、このような価値観が根底にあるので出産して働きにくいのではないかということです。
もう20年までになりますが、以前会計事務所のアジアパシフィック地域の研修がペナン島で行われた時、韓国の事務所は6人の参加者のうち女性は1人で後は男性ばかりで驚きました。そのことを尋ねたところ公認会計士はふつう女性がなる職業ではないはずで事務所でほとんど女性はいないと返答されて驚いた記憶があります。日本も確か女性の参加者は2人でこのアジア・パシフィック地域でこの2カ国が圧倒的に女性が少ない国でした。中国系が多い香港や中国本土、マレーシアなどは女性の方が多く、香港などは実際に試験の合格者は女性の方が多いと聞きました。
両国とも「性別分業」の考えが根底にあるので女性社員の出産とその後働くことについてまだ特殊なものという印象があります。私も女性部下の出産に対峙したことがありますが、女性社員の態度にも日米では大きな違いがある気がします。日本だと、妊娠の報告というのは女性社員が「相談があるのですが・・」と暗い顔でやってきた記憶があります。一方アメリカの場合は逆で女性社員はニコニコして「素晴らしい是非お伝えしたいニュースがあります」とやってきました。これは日本企業のケースでなく米国企業の日本法人と米国法人の話ですから企業の体質というより国民性のような気がします。アメリカでは妊娠した社員にみんながお祝いして明るい空気が流れますが、日本だとその女性社員自体が「ギリギリまで周りに言わないでください」とお願いされてしまい、何か彼女が悪いことをしたか不幸が訪れたような雰囲気です。当然これは成果をいつも厳しく追及する上司である私の姿勢に問題があった点もありますが、それはアメリカでも変わりませんから周りの空気というものが強いのではないでしょうか?
当然保育園の増設、育児休業、時短を与えるというのも重要ですができれば企業で「妊娠おめでとう!」のような空気を積極的に生み出す工夫が必要なのではないでしょうか?女性社員がいれば妊娠するのは通常あるおめでたいことです。短期的には休みもとり多少問題は出ますが、長期的には家族のためにも頑張ろうとしてくれるはずです。ささいなことに思われますが空気を変えるのは大切に思います。
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