本当に強い会社は会議がないか?
日経ビジネスで「強い会社は会議がない」と特集が組まれています。私も意見を求められたことは前回のブログでお話ししましたが、実はその中で「長い会議でダラダラと結論がでない」ことは批判しましたが「決定において会議をする」こと自体は否定していません。特に中小企業は社長の鶴の一声で決まるケースはありますが、それだから業績がいいかというとそのようなことはありません。
そもそも私は会議には3つの目的があると思います。1.情報共有 2.意思決定 3.新しいアイディアを生み出すです。伝統的な日本企業の会議の第一の問題点は目的がこのどれかがはっきりしないまま開かれてしまうことだと思います。はっきりしないので無駄に人数が多くて、目的がわからないので話が漂流して無駄に長くなってしまいます。
2つめとして会議の設計が軽視されていることです。設計が稚拙だと何もアイディアは生まれません。できる企業はファシリテーションという会議のプロセスを管理する手法を徹底的に皆で学習しています。会議を主催する前段階で準備をかけるわけです。ただ、この準備は資料の「てにおは」や「フォントの統一」などに時間をかけるわけではありません。ファシリテーションを平たくいうと上手にみなの意見を吸い上げて発散させて、それを構造化して理解を促進して、最終的に収束に向けていくというプロセス管理です。このあたりは欧米系の一流企業の管理職では必須の技術ですが日本企業だといまだにあまり普及していません。別に大企業だけではなく中小企業などでも会議の生産性を上げる技術なので学ぶのは有効かと思います。ちなみに私はNPO法人日本ファシリテーション協会東京支部で運営を手伝っており普及に努めていますが、遅々として進んでいないという感はあります。一方仕事として経営改善の一環としてファシリテーションの導入を行って(それだけではないですが)経営状況が劇的に改善した企業もありますが、あまりこの方面のご依頼は受けたことがありません。
3つ目としてはやはり組織の問題も多いです。日本企業もフラットになったと言われますが確かに階層は少なくなったのですが、伝統的大企業だと部付部長やXX代理、副XX、次長といった中間管理職的役職は相変わらず多く、組織的に誰が意思決定に加わるべきかよくわからないケースがあります。組織がいまだにシンプルでないので会議も紛糾してしまうといえましょう。
一つ一つこのような問題点を解決していく地道な努力が必要なのではないかというのが自分が感じたことです。
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