取締役会評価が進まないのはなぜか?
2015年6月に「コーポレートガバナンスコード(企業統治指針)」が導入されましたが、その中で特に進んでいないのが「取締役会の評価」だと日本経済新聞で取り上げていました。東証によればガバナンス報告書をだした1部2部の上場企業のうち評価を実施した企業は約4割で、のこり6割の企業でも半分以下が今後実施するとの回答でした。
この取締役会の評価についてその概要を開示している会社はありますが、結局内容は「取締役会の評価を行った」と書いているだけで内容がわからないもの、「実効性は確保されているものと評価された」とだけ書いてあるもの、多少問題点が挙げられても「より中長期的な議論を行うこと」など今一つ今後どのような改善がなされるのかよくわからないものなど非常に淋しい内容なものが多いといえます。
会計士の先輩が「王将フードサービス」の取締役会評価を一読してみるよう勧めていたので読んでみました。細かい話は申し上げませんが、54ページにもわたり、洗練された形式とは言えないかも知れませんが必要な事項が具体的に詳細に記載され、独立社外取締役会の方々のいい意味での手作り感が感じられました。どのようなことを検討したのか、検討点での全体的な意見はどうか、検討した結果の問題点の抽出、その解決提言ときっちり記載されているので非常に読んでいて真摯さが伝わってきました。特に中期経営計画で「総花的」ときっぱりと切り捨てているあたり非常に画期的だと思いました。社外取締役の方々を見ても社労士(人事)、弁護士(法務)、会計士(財務、経理)とバランスをとった布陣で有名人というよりも実務力重視の布陣で好感が持てます。外部の高いコンサルなどを使わなくても取締役会評価はできる好例だと思われます(コンサルタントとしてはとしては使っていただきたいですが・・・・)。
取締役会評価はかなり独立社外取締役の役割が重要だと思います。したがって、そもそもどういう視点で独立社外取締役を集めているかでかなり決まってしまうと思います。形式的に有名人などを単に集めていたり、知人や仲良しの経営者などになってもらっている企業は程度は推して測るべしでしょう。
王将の取締役会評価
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