イトキンはインテグラル買収で復活するか?

ソアリーク

イトキンがファンドのインテグラルに買収されました。イトキンは非上場の会社なので詳細な財務データはないのですがHPより2015年1月の売上をみると952億と出ていました。ポイントは45億の「第三者割当」で98%を握るということで、買収前の企業価値は46億(45÷98%)しかなかったということです。同じアパレルのオンワードの企業価値が約1200億(売上は2800億)なのでかなり企業価値は毀損していたということがいえると思います。

大まかな傾向として、ファンドが入って成功するパターンは「断舎離」ができない企業でしょう。イトキンの場合も新聞記事を読む限り、不採算ブランドや店舗の整理が遅れたため業績が悪いと書いてあります。一般的にファンドは事業戦略の方向性と財務数値を冷徹にみてばっさり切り捨てることができる能力を持っているので期待ができます。そして、よいファンドというのは切り捨てだけでなく主要ブランドや基幹店舗の改装など投資すべきところにはきっちりお金を入れてきます。スカイマークなどのインテグラルの実績をみても少なくとも4年連続赤字が続いていたという状況よりうまくいく可能性は高いと思われます。

しかし、一般的な問題点としてイトキンなどのどちらかというと小売系というよりメーカー系のアパレルは消費者のニーズを的確につかむのが得意でないと言われています。その点で店頭で消費者のニーズを素早くつかみ商品に反映させていくというユニクロやZARAにはスピード感で太刀打ちできない弱みがあります。このあたりの根本的な部分をどうやって克服していくかが最終的な再建のキモとは思われます。