西武鉄道の財務資料が面白い

seibu

今日の朝の日経で西武鉄道の会社研究を行っていたので、自分も西武鉄道の財務資料(4半期報告書)を見てみました。特徴的なのは経営成績について非常に丁寧に分析を開示していることです。たいていこの手の開示は横並びで同業他社の動向を見ながらそろりと開示する傾向が日本企業ではまだ高い気がするのですが、他社と比べかなり充実しています。財務分析のページ数だけでみても西武グループが7ページで同業の東武鉄道は2ページ、東急電鉄は2ページす。西武鉄道はかなり事業別に詳細に記載しており、たとえばホテル事業などは稼働率や販売室料をリゾート、シティ別に開示し、客数も日本人、外国人別に開示しています。特にホテル事業においては外国人の伸びが著しく、一方室料、稼働率ともに上昇し大きく改善した分野であることが非常によくわかります。

本業の鉄道事業についても丁寧に解説しており、東武鉄道が開示していない乗車効率についても東急の53%に対し38%程度とこのあたりが他社と比べ課題であることがわかり、不利な数字もきちんと開示している姿勢は好感が持てます。有価証券報告書の虚偽記載で一度上場廃止になっているのでこのあたり真摯に対処しているのかもしれません。

日経新聞にもあるように他の東急、東武、阪急阪神などの同業他社に比べ、交通、不動産、ホテルといった分野でバランスよく利益を上げていて、モデルとしては安定感があるかもしれません。開示姿勢もきちんとしていますし、株価は3か月前の3000円から2300円と2割以上下落しているのは相場の流れとはいえ確かに不思議です。