今後公共施設はどうなる?

hakomono

写真は私の地元練馬区役所ですが、バブル期には超一流企業も顔負けの豪華な庁舎が各地で誕生しました。区の言い分としては「区役所を区民の憩いの場に」ということでしたが、憩いより区役所に足を運ばなくていいようにIT化でもしてくれた方がずっとありがたかったと感じた気がします。

さて、高度成長期に建設した橋、道路、建物が老朽化して更新期を迎えて、各地で存廃についての議論が沸き起こっているようです。財務省が発表した国の貸借対照表(26年3月31日)によると有形固定資産は177兆円です。民間であれば減価償却という形で毎年費用化していき、ざっくりコンクリート造りの構築物で耐用年数30年と考えると本当は毎年5兆円くらいは費用を認識していかねばならないはずです。これを今まであまり考慮していなかったわけですから今後は基本的に更新が問題となっていくのは理解できます。

高度成長期なので右肩上がりを期待していたので当時は利益の分配というものが大きな関心事でした。今後は人口も増えることはおそらくないと思われるので、いろいろな建築、構築物の廃止が議論になっていくでしょう。したがって、不利益をどう人々に配分するかが重要になってくるはずです。不利益の配分なので反対者は必ず出てきます。政治や行政のファシリテーション力などの調整力は以前よりもっと重要になってくると思われます。