税理士懲戒が増えていることに思う
今朝の日経で無資格者に税理士の名義を貸す名義貸しや脱税指南で懲戒を受ける税理士が10年で3倍になったと載っていました。ただ、14年度で59件で7万5千人の税理士の数からいうと3万5千人で懲戒数が約100人の弁護士と比べて特段多い感じはしません。ただ、記事の論調としては格安の決算申告などで競争が激しくなり、経営が苦しくなり懲戒が増えているのではないかと解説しています。
ただ、どの産業もある程度価格競争は避けられないものと思っていますが大きく2極化していくものと思われます。ただ単に記帳と申告をするだけでしたら確かに会計、税務ソフトが発達してきたので極端な話資格を持っていなくても作成作業は可能です。最終的に問題がないか税理士がレビューはする必要があるとは思いますが、その分以前よりコストは下げられると思われます。いわゆる帳簿付けて、申告さえしておけばいいという考えであれば激安事務所は合理的な選択で、顧客やこういった事務所を責めるのは筋違いと言えます。
ただ、企業でただ帳簿をつけて申告するだけでいいかというとそれではいろいろ問題が生じると思います。ある程度の規模になったら事業計画、資金繰り計画や長短期での税務対策などはキチンと立てておく必要があります。その際、当然激安事務所でそのようなサービスはできませんから、そのあたりは使い分けをしなくてはなりません。
レストランでもファストフードから高級レストランまであるように税理士業界でも安くて手軽から、高くても高品質なサービスといった形ですみわけができてくるその過程にすぎないと思われます。