日本電産 -カリスマ経営者の後継者はどう選ぶか
日経の日曜版に日本電産の永守会長のインタビュー記事が載っていました。三協精機など買収なども絡め売上1兆円を達成しましたが後継者選びで苦心している感が伺えます。現在ご本人をいれて4人の代表取締役がいらっしゃり、有名な元シャープの片山氏と元カルソニックカンセイの呉氏がよく次期社長レースの候補と言われています。社内役員を見ると生え抜きは創業からの番頭的な役割の小部氏だけであとは外部からのスカウト組で人材の育成という意味ではあまり成功していないかもしれません。そういった意味でカリスマ経営者でもある「永守リズム」のようなものが社内で醸成される仕組みのようなものは出来ていないのかもしれません。
永守社長のおっしゃるように外からスカウトしていきなり社長にするのではなく、準生え抜きといった形で苦楽を友にし、会社の文化を共有した人物を社長にしたいという方針は素晴らしいことだと思います。ただ、カリスマ社長の下で仕えるストレスと社長としてのストレスは違う気がします。日本電産の内部事情は違うのかも知れませんが、カリスマ社長の下で使えると日曜の夜でも平気で電話がかかってきて仕事をしなくてはなりません。決めるのは社長のみでその意思決定まで振り回されすごくストレスかかります。自分もあるカリスマ社長の会社と取引しましたが(私にとっては大きいですが相手方にとっては小さな取引です)、副社長クラスとお話ししても何も決まりません。社長の一言一言で副社長クラスが右往左往するのを見て非常に気の毒になりました。
くらべものにはなりませんが、私も自分で経営をしていますが、必要であれば日曜の夜でも平気で仕事をしますし、先週昨日までずっと顧客先に詰めて仕事でした。しかし、自分の意思でやっているので全く苦になりません(多少疲れましたが)。一方、会社役員のころも社長や他の役員とは土日も連絡を取り合って仕事をしましたがやはりどこかストレスには感じていました。一方お客様に対する責任感とプレッシャーは会社員だったときよりもはるかに大きくなった気がします。したがって、カリスマ社長に上手に仕える能力やストレス耐性と社長としての能力、ストレス耐性は異なる気がします。そのあたりどうお考えなのかもう少しつっこんだ質問が欲しかった気がします。