介護事業ー倒産が増えているのはなぜか
今年の1月から6月までの倒産件数で介護事業者の倒産が前年同期比で5割も増えていると新聞に載っていました。景気の回復で全体の件数が減っているところでは目立つところです。介護事業は1割は本人から徴収しますが基本的に介護保険から支払われるので回収ができないということはありません。回収サイトもほぼ翌々月には報酬は振り込まれますから建設業のようにサイトが長く極端に資金繰りが厳しい業態ではないはずです。したがって、倒産という形態は不思議な気がします。
ただし、労働分配率が訪問型で72%、通所型で64%(27年TKC調査)で他業種に比べかなり高いのが特徴です(ざっくり製造業で50~60%、サービス業はほぼ60%くらい)。サービス業の中でも特に労働集約的だといえます。したがって人件費値上げはかなり業績を圧迫するわけです。加えて給料は毎月決まった日にきっちり払わないといけないわけですからこの部分が多いと資金繰りを圧迫します。人員を確保するのに大変なので先に人を雇わないとならず、それに対してサービスの受け手が少ないとかなり苦しいとは思います。基本的には人手不足型倒産という好況時倒産に見えます。