利払いの税優遇縮小 -多国籍企業 vs. 税務当局
日本経済新聞の記事で多国籍企業の税逃れを防ぐための借入関係の仕組みを使った節税策を規制する記事が出ていました。関係会社を使って現状借入関係を創りだすことによって節税ができてしまいます。
たとえば日本国内の法人が国内からではなく香港の関係会社から借入をすると、日本国内ではその支払利息は損金算入(税務上の費用)となりますが香港の関係会社側では海外からの利息収入は通常益金不算入(税務上収益ではない)ですので節税になります(支払利息に対し源泉所得税を日本で課されますがそれも租税条約で10%に軽課されます)。
現状、このような税金逃れを防ぐためにアーニング・ストリッピング税制があり、その一つとして過大支払利子税制があります。この仕組みでは所得(税務上の利益;多少調整あり)の50%を超える支払利子については損金算入させないという仕組みです。OECDとしては50%では生ぬるいので30%に下げようというのが現在の動向のようです。
日本のような法人税率の高い国では特に多国籍企業はあの手この手を使って所得を圧縮しようとします。所得を圧縮したところでこの仕組みを使われたら海外関係会社からの支払利息で損金算入される部分はかなり減ってくるわけです。
自分も当然顧客が税務上損をしないようには知恵を絞るのですがあまり不自然なスキームを作ってまで節税するのは・・・と思います。このようないたちごっこはいつまで続くのでしょうか?