シャープ赤字350億ー回復はあるか?

Sharp

 

いつも不思議に思いますが、日本経済新聞にまだ決算発表前なのに第一四半期のシャープの営業赤字が350億という記事をみました。事前に決算情報が漏れるのが当たり前のようになり、感覚がマヒしつつありますね。

さて、一方2014年のシャープの指標をみてみましょう。粗利益が22.5%(在庫評価損調整後)で売上高販管費率が15.6%でした。デバイス業でベンチマークとして村田製作所をあげると同時期で粗利益率は40%ただ、売上高販管費率は19%あります。パナソニックを見ると粗利益、売上高販管費率がそれぞれ28%、23%です。このようなラフな分析でもシャープの問題は浮き上がってきます。絶望的に粗利益率が低いということで、工場稼働率の問題もあるかもしれませんが、基本的にはきっちりマージンが取れるモノがないという厳しい状況でしょう。

リストラと言われるものにもざっくり2通りあり、一つは贅肉を削るで一つは病巣を摘出するです。売上高販管費率を見るとおおむね贅肉は削られ逆に戦力となる人間が抜けたりといったむしろ筋肉もそぎ落ちてしまったのではないかと巷では言われる状況です。もう一つの病巣を摘出するですがこれはいわゆる外科手術的に問題があるビジネス自体を売却または清算等により切り離してしまうことです。メディアが伝えるところによれば液晶パネル部分が収益性的には病巣で、人でいえば病巣が命に係わる臓器、たとえば心臓にあるような感じではないでしょうか。一方、病巣を摘出したところで元気になって全体を引っ張って行けるようなビジネスがないと企業も生きていけません。

シャープとしてはこの病巣である液晶ビジネスを摘出する外科手術的な対応をするか、逆にこの分野に徹底的に資源をつぎ込んで回復させる内科的手法をとるのかここ1~2か月できっちり判断する必要があるでしょう。中途半端では生き残れないそのような状況に追い込まれていると見えます。