国債保有規制に強い懸念ー日本のバランスシートとキャッシュフローを見る

 

shimonnkaigi

おはようございます。東京地方は今日、久しぶりに快晴の朝気持ちがいいです。さて新聞記事で気になった項目を少し掘り下げてお話ししています。今日は銀行業界ではドイツ、英国などが自国国債についても銀行は資本を積み増すべきだと主張しています。昨秋の消費増税延期から日本国債の格下げが続いている今、格付けの低い日本国債保有に対しては必要な資本が多くなる可能性も高く、銀行の国債売却→金利上昇→国債利払い増加→赤字拡大→国債売却のさらなる増大・・・といった恐ろしいシナリオが想定されます。しかし、根本的に日本の国債をもつのはまずいのでしょうか?

 


 上記の資料を見るとバランスシートでは約370兆円の債務超過、そしてキャッシュフローでは経常収支が今だに14兆円のマイナスで国債を発行してその帳尻を合わせています。民間企業で経常収支がマイナスの会社は普通、銀行は(一時的なものでもないかぎり)ほぼ絶対に貸してくれません。たとえばムーディースの格付けではA1でかろうじて投資適格のBBB-以上は保っていますがこの債務超過でキャッシュフローマイナスで投資適格なのは逆に不思議なくらいです。普通このような状態であればまずは支出を切り詰めるというのが常識で、確たるビジョンもなくただ単にむしろ財政支出を増やして景気を良くしてとりあえず、キャッシュフローをプラスにしようというのはあまりに能天気で恐ろし気がします。