ダメな節税ってなんだろう
年末がいよいよ近づいてきました。この季節になると経済誌などで特集されるのは来年度の予測と節税です。節税を考えること自体は良いことだと思うのですがたまに節税の目的をはき違えている方がいらっしゃり、中には税理士の先生の中にもいらっしゃることがあり残念です。「節税」というと目的は支払う税金を最小にすることと思っている方が多いですが、私は特に経営者であれば手元に残る現金(またはその等価物)を最大にするのが節税の本来の目的だと思います。それを忘れるとダメな節税になります。
少し極端な例でみてみます。ある中小企業の社長は今年利益が100万円がでそうだと予測しています。税金を払いたくないので12月は豪遊して交際費などで100万円使い切り利益とんとんで税金を払わなくてすみました。これは本当に得をしているのでしょうか?この交際費がお客様との良い関係を築くことに役立ち将来の成長につながるならば別ですが、こういったケースは往々にしてとりまき的な方々とただ単に楽しく飲んで終わりなケースが多いです。もし、この100万円を普通に申告して税率30%で税金を30万支払ったとしても手元には70万残ります。節税と言う意味では豪遊して30万円支払う税金は減りましたが、手元に残るお金は70万少なくなりました。このように「無駄に経費を使う」節税は一般的にダメな節税だと思います。一般的にここまで極端なことはしないと思いますが、年末「今年は利益が出ているから税金でとられるならば・・・・」と変に財布のひもが緩み無駄な買い物をしてしまう経営者の方は少なからずいると思います。節税する際に、「手元に残る現金は本当にそれで増えるのかしら・・」ということを節税をする際には一度振り返って考えてみましょう。
逆に良い節税とはなんでしょうか?手元に残る現金が増える節税です。例えば投資促進税制を使う方法があります。中小企業などは一定の機械などを購入した際にその購入価額の7%相当を税額控除する事ができます。控除の上限など様々な要件がありますので実際に適用する際は調べた方が良いのですが、ざっくりいうと1000万円の機械を購入すると70万円支払うはずだった法人税から差し引くことができます。純粋に手元に70万円多く残るわけです。こういった租税特別措置法などの特例を使う、他にも税金の支払いが少ない方を選べる有利選択の制度などを賢く使っていくなどは良い節税だと思います。繰り返しになりますが、「手元に残る現金を多くする」それが節税の目的ですのでそこに必ず立ち返ってみましょう。