都議会議員報酬削減と本当の経費削減

都議会

ふと道を歩いているときある看板が目に入りました。(ちなみにここでの目的は特定の政党の政策批判が目的ではありません)「身を切る改革」で都議会議員報酬20%削減というポスターです。中身をみると都議会議員の報酬、年間1708万円から約2割減の1366万円です。ただし、これは1年間だけです。いわばたまに上場企業で不祥事などがあると「役員報酬XX%減額半年・・・」というのと同等だと思われます。特にこれ自体悪いとは思いませんがこれをもって「改革」などと言ったら民間の感覚だと笑止千万です。その他、政務活動費の月額10万円削減や本会議や委員会などに出席するたびに定額支給されている費用弁償の廃止、都議会議員表彰内規の改正(職25年および30年の議員への記念章や記念品の授与を廃止し、在職30年に達した議員の肖像画を議事堂内に掲示する制度をなくす)などがありますが、民間人の感覚からすると政務活動費を除くと、あるのがおかしいといった感じです。詳しくは以下まで。

https://www.komei.or.jp/news/detail/20170223_23112

 

さて報酬と政務活動費の削減額をざっくり計算すると以下です。

{(1708-1366) +10 x 12} x 127人(都議会議員の数)=約6億円です。

都の歳出は7兆円ですから割合的には0.00838%の削減です。年商1億円くらいの中小企業に例えてみると年8380円の削減です。月にすると約700円でではっきり言うと金額的コスト削減効果はほとんどありません。ただし、このようなちまちましたコスト削減が意図として「隗より始めよ」という故事にあるような意図ならば話は別です。この故事の意味としては大事業を始めるにはまず身近なことから始めよということです。これは古代中国で燕の昭王という王様が賢人を集めようとした際、郭隗という臣が「賢者を招きたければ、まず凡庸な私を重く用いよ、そうすれば自分よりすぐれた人物が自然に集まってくる」と献策したことが始まりです。

つまり本来の目的はちまちまとしたコスト削減ではなく、将来の大きな計画の中で最初は小さなことから始めようということです。それならばそれ自体は小さくたいしたことではなくても将来的には意味があることです。よくコスト削減で「電気をこまめに消すとかボールペンの替え芯を使うなどといったちまちました削減はやるな!」などと言われます。それ自体が目的ならば確かにその通りです。しかし、遠大な計画の第一歩ならば、必ずしもくだらないと切って捨てるべきではないと思います。

さて、「議員報酬20%削減ポスター」はどちらなのでしょうか?

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