外国人にリスクのある相続税は変わるか

外国人

政府は日本で働く外国人の就労や定着できる環境を整える方針を示したと先日の日本経済新聞に載っていました。主として外国人に対応できる病院を整備したり税制などで不利な条項を見直すようです。その中で以前から気になっていたものが外国人に対する非居住者に対する無制限納税義務者を定めた相続税法(第1条の3の2項)です。簡単にいうと日本に居住している人が亡くなるとその人の国籍にかかわらずその人が持つ全世界財産に対し日本の相続税が課されてしまいます。世界で最も過酷な相続税(世界では相続税がない国も多くあります)が全世界の財産に対して課されるわけですから外国人の日本居住に対する大きなリスクです。

おそらくこの条項は外国人を狙ったものではなく、日本人の富裕層が自分の子供を海外に移住させて国籍を移して相続税逃れをする租税回避を防止する意図で設けられたものと思っています。つまり本来意図していない部分に副作用が出てしまったわけで、私も東京税理士会に租税対策部を通じて改正意見を出していました。私も税法を作成する側の立場はわかりませんが、立法趣旨的にも被相続人がかつて日本国籍を取得していたものに限るなど範囲を限定して運用すべきとは思います。

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