確定申告相談における小ネタ
目次
1.無料確定申告相談
2月の初旬のある日、地元税理士会主催の無料確定申告相談を担当しました。一応雀の涙ほどの報酬は出ますが、有償ボランティアといった位置づけです。単純に損得で考えると1日つぶれるし単にお金だけのことを考えると損でしかないです。しかし、やはり税理士という資格で守っていただき、食べさせていただいている面少しでもを考えれば、ささやかながら社会に恩返しをすることくらいはしないとねとは思います。
コロナ禍の前はとにかく会場は人であふれ、次から次へと来る人たちをさばくので、昼ごはんもまともに食べられず6時間以上ぶっ通しなので終わると口もきけないほど疲れました。ところが、コロナ禍で密を避けるために予約制となり、少なくとも昼ご飯も食べれないほどごった返すことはなくなり、それはありがたいことです。
ただ、納税者から感染拡大防止のためフェイスシールドもつけるべきとクレームが入ったらしく、フェイスシールドをつけさせられたことには閉口しました。ただでさえ細かい資料が多くて、老眼が進んだ私には見にくいのにフェイスシールド越しだと、かすんでなおさらよく見えません。結局、少しシールドをあげて実眼で見るので邪魔なだけで結局意味ないじゃんの世界です
実はフェイスシールドはつけている人が相手からのくしゃみ等から守るためのもので、相手側を守るものではないと医師会の文書とかには書いてあるんですけどね。
2.うれしいこと、凹むこと
忙しい時期に、ほぼ無料奉仕、かつ結構タフなお仕事で一日つぶれるのでやや面倒だと人間ができていないのか私は毎年思います。ただ、やはりボランティア的な仕事である喜びもあります。
少額ですが還付を本当に楽しみにしているお年寄りいらっしゃいます。長くて今一つ要領を得ないお話を聞くのは多少忍耐はいりますが、しっかり丁寧に話を聞くだけですごく喜んでくださいます。そして、終了後には丁寧にお礼を言われる方がほとんどで、少しは良いことしたなという実感はあります。この辺りはうれしいことです。
しかし、一方そうでない方もいらっしゃいます。高齢の男性でとにかくイライラされている方に当たると本当に疲れます。やはりそれなりに待ち時間はあり長い時は30分近くにはなります。するとこういった方10分くらいで「どうしてこんなに待たせるんだ!」と怒鳴ったりします。そしてこういった方に限って説明が回りくどくてわかりにくいし、聞き直すとイライラしていて本当に疲れます。おまけに、昨年より還付が少ないとなんで少ないんだなどと文句を言ったり・・・で参ります。
こんなに普段からイライラ当たり散らすようではあまり幸せではないのだろうと多少気の毒には思いつつも、一方で凹むし、文句があるなら来るな(怒)とも思います。
3.寡婦控除とシルバー人材センター控除
私の事務所の場合、原則確定申告だけの年一回というのは受託していません。お知り合いの紹介や将来の法人化を考えている方、そして顧問先法人の役員の方などに個人は限定させていただいています。
理由は単純であまり税金を納めていらっしゃらないレベルの方、正直顧問料などはないか安い方がいいと正直思います。そういった意味で私の事務所はそういった方に何か付加価値を与えることできなさそうですし、当然適正なお金はいただくので望ましくないと思います。
基本的には若めの事業やっている方が中心、確定申告相談でいらっしゃる方とは層が全然違います。したがって実はこういった方々に特有な論点があり、初めは見逃しそうになることが多かったです。
例えば、確定申告で「ひとり親控除」「寡婦控除」という項目があります。簡単に言うと前者はシングルマザーやシングルファザーで総所得金額48万以下の子供と生計をともにしている場合、受けられる控除です。後者は離婚や死別によって一人になった(子供なし)女性が受けられる控除です
両方ともに本人の所得制限があります。
自分のお客様であれば、たとえ該当があったとしても家族関係などはきちんとお聞きしていますからこういった控除が漏れることはないです。いきなり来た方だとこういった家族状況などまで聴取はしませんから漏れることは多いので、注意項目です。
もう一つはシルバー人材の控除に適用が多い、家内労働者等の経費の特例です。要するに内職とかやっている人、給与所得者と自営業の中間みたいなので55万円の所得控除をもうけようという制度です。
例えばシルバー人材センターの方々は、シルバー人材センターが仲介して仕事を受注していると考えて「家内労働者」等の中に入ります。税理士が受注しているお客様の中にこういった内職だとかシルバー人材センター経由の所得がある方というのは通常いないのでこういった控除を見逃してしまうということありえます。
結構確定申告相談の際の注意事項で、結構最初のころはひやひやしたのは今から思うとよい想い出ですが。