中小企業が消滅する?

 

kigyou

中小企業庁が経営者の年齢別のピーク(最頻値、モードだと思われます)を調査したところ2015年は66歳になったと日本経済新聞が取り上げています。日本経済新聞はこれを取り上げて中小企業が消滅するのではないかと述べています。ただし、このあたりは団塊の世代であり人口も多いので当然経営者の数も多く、それよりも下の世代が開業率が高くない限り少なくなるのは別に不思議なことではありません。

ただ、このピークの人たちが70歳代になった際に、事業が承継されるか廃業するかでずいぶん状況は変わってくるかと思います。有望な事業が世代交代でなくなってしまうのはもったいないことですが、子どもの世代が継承したいと思わないような事業はなくなるのは自然の摂理という感じがします。どちらかというと開業率が廃業率を下回っている状況が1991年ごろからずっと継続している方が問題だと思います。開業率は4~5%で廃業率は6~7%といったところです。日本の場合は欧米諸国の10%程度の開業率に対し開業率が低すぎることが問題でしょう。それだけ日本の中小企業経営というのは魅力がないものなのでしょうか?

様々な要因がありますが、ここでは政府の中小企業施策について考えてみます。一見日本の中小企業施策は充実している感があります。中小企業の法人税率は15%(大企業23.4%)で優遇されていますし、様々な中小企業のための補助金や助成金その他助成制度があります。ただ少し前、JETRO(日本貿易申告機構)の方とお話しする機会があったのですが、政府の施策が製造業を想定したものが多すぎるという問題点を挙げられていました。私の身近な例としてはものづくりサービス補助金があります。今年は2月から4月の受付期間で決定が12月31日でした。実際の補助金支給は翌年になり計画から資金を得るまで1年半は見なくてはなりません。さらなる問題点としては決定までに実際の対象設備を導入すると補助金の対象になりません。製造業であればこのペースでもよいかもしれませんが、IT産業であれば1年半もたてば周りの環境も変わってしまいスピード感が明らかに合っていません。顧問先でも打診されたのですがこのスケジュールをお話ししたところがっかりしていました。もはやサービス業が事業者数で8割程度を占めている現在、ある程度この産業構造を見越した施策が必要なのではないでしょうか?

一方我々のような専門家は起業や起業した方が順調に成長するようお手伝いしています。少しずつ専門家の層も厚くなってきてはいるので我々の貢献も日本の将来に大切だと改めて感じました。

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