エアビーアンドビーが民泊人材育成へ -ビジネスモデル発想法の観点から

ABB

 

今朝の日本経済新聞で民泊仲介の世界最大手のエアビーアンドビー(Airbnb)が日本で民泊に係る人材の育成に乗り出すというニュースが取り上げられていました。実はちょうど5月19日の私のブログでAirbnbのビジネスモデルを検証した際、「能力モデル -フランチャイズ型」という形でビジネスモデルを強化することができるのではないかと書いたところでした。引用すると「例えば魅力ある人気のある民泊施設になるためにはということでスクールを開講します。これを加えることによってスクールという新しいキャッシュポイント(お金が稼げるポイント)と質の高い民泊場所の提供という2兎を得ることができます。」という形でした。

実際Airbnbが行ったのは正直申し上げて私の提案よりもう一ひねりしていました。多分日本における自社の経営資源を見て自社でスクールを開講するのは難しいと思ったのでしょう。Airbnbはパソナと提携してパソナが一般の会社員や主婦を対象に民泊の清掃やホームページ作成代行業務の研修を行って、民泊における代行サービスを育てることとしました。Airbnbは民泊を担う人材を育成しますが、その部分はパソナに任せ基本的には民泊側とその人材の仲介(マッチングモデル介在型)という形でビジネスモデルを構成しているように見えます。そして当然直接人材の仲介をすると派遣業法など業法違反になる可能性があるのでそこもパソナに任せているのでしょう。

おそらくキャッシュポイント(金銭的収入をえるポイント)としては仲介で一部パソナからバックマージン的なものをもらうのだと思われます。一方、清掃やHPの充実で民泊の価値も上がりAirbnbの本丸である仲介(マッチングモデルコミュニティ型)の収入も安定化してくるというメリットもあります。このようにビジネスモデルを改善していくということでどんどんキャッシュポイントが増えビジネスも安定化していくわけです。Airbnbの強みというのは様々なビジネスモデルの型を組み合わせて模倣しにくい仕組みをどんどん生み出しているところにあることがよくわかると思います。

私も中小企業の経営者や起業家(起業準備の方も含む)から良いビジネスモデルのアイディアありませんかと頼まれることはあります。ただ、基本的には私は他人が考えたビジネスモデルはダメだと思います。ビジネスモデルの型を組み合わせて美しいビジネスモデルを作ることは当然大事なのですがそれをやりきる実行力はもっと大切なのです。やはり苦しいこともありAirbnbもおそらく創業時は歯を食いしばって乗り越えたと想像されます。そういった意味で他人にアイディアをもらったものではダメで自分の頭で考えないといざというときに頑張れません。私が行うのは基本的によいアイディアが浮かぶように様々なヒントやアドバイスを与えお手伝いすることのみにしているのはそれだからです。基本的な考え方はセミナー等開催しておりますのでお気軽にご参加下さい。

直近のセミナーは以下です

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