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社会福祉法人関連

介護の現場で起きている実は怖い事

2018.08.22


 

    1.介護施設の人手不足の実態

 

 先日ある介護施設の施設長さんと話すことがありました。やはり話題は人手不足です。特に特別養護老人ホームなどは24時間営業ですから正社員だけでなく一定の時間だけ来ていただける非常勤(パート)社員というのは非常に貴重な戦力です。すべて正社員のローテ―ションのみで埋めようとすると経営的には成り立たないようです。この施設の場合、正社員はなんとか採用できているようですがパート社員は非常に求人難で本当に苦しんでいるようです。介護施設の場合パートといっても介護士や看護師など資格を持った方が必要なので大変です。看護師は一般の病院やクリニックとの奪い合いですし、介護士も仕事がきついので資格を持ってても他の職を選ぶ方も多いようです。

 

    2.介護の派遣

 

 ここで活躍するのが派遣会社です。介護施設で派遣を頼むのは切羽詰まっている時ですし、相手が会社なので交渉力があります。その結果派遣を受ける派遣パート社員の方が時給が高くなる逆転現象がおこる例がおおいようです。その結果、介護でパートをしたい人は派遣会社に登録する傾向が高くなってきたらしいです。よってパートを募集しても人は採用できませんが、派遣はそれなりに人は容易に採用できるようです。しかし、派遣会社の取り分を引いた後の金額が一般のパートより時給が高いわけですから介護施設の負担は下手をすると一般のパートの2倍近くになってしまいます。介護報酬があがってもその分は全部派遣会社に持っていかれるとその施設の方はぼやいていらっしゃいました。ただ、ほかの新しい施設だと本当にパート社員が採用できずほとんど派遣パート社員ばかりで経営がかなり危なくなっているところもあると聞きました。

 

    3.介護の現場で徐々に進行していること

 

 このお話しした施設ではパート社員の定着率が良いので、本当に派遣は限られたレベルであまり大きな経営問題になっていないとのことでした。ただ、よく考えてみると非常に恐ろしいことです。なぜならば、いくらパート社員の定着率が良くてもある程度辞めていく人はいます。しかし、パート社員の採用は年々難しくなっていくので少しずつ派遣パートの割合は増えていくのに違いありません。要するにゆでガエルのように徐々に徐々に真綿で首を絞めるように人件費が上昇していくわけです。徐々に経営を圧迫していき、気が付いた時には取り返しがつかなくなります。

 

    4.今後介護施設が考えること

 

 やはりパートも含めた介護職員の大幅な報酬の上昇というのは経営上避けられない不都合な真実です(職員の方にとっては朗報ですが)。もう上昇した人件費を前提として事業計画を作成してきっちり利益を出せる体制を真剣に考える時が来ています。民間企業の場合事業計画も何種類かシナリオを作って作成する場合がありますが、同じような手法が必要だと思います。社会福祉法人だと予算などは法令上作成しなければならないもので「予測」に近いものなのでそれとは別のスタディという形でいろいろ考えてみる必要があるわけです。

 

 

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寝たきりゼロをめざす一つの方法

2018.05.30

 

私の母はもうすぐ83歳になりますが、80歳を超えたあたりから急に衰えが目立つようになりました。歩くのもやっとで外出もあまりしません。たまたま私が大手社会福祉法人の会計監査人をしていることもあり、近所に老人支援施設ができることを知り、そこの介護予防教室に通ってもらうことにしました。

 約500メートル強くらい距離があるのですが、歩いていくのが大変そうです。幸いまだ父親が元気なので付き添っていってもらっていますが、やはり簡単ではありません。母親も良い気分転換になり良い施設だとは思いますが手軽さは足りないですね。私のケースはたまたまさほど遠くないからいいものの、このようなハコモノやたら作るわけにはいかないでしょう。また父親も衰えてきたらどうしようと不安です。

 そういった意味で本当は一生元気でいられるように家で手軽にできるようなことがあればいいなと思っていました。実は同じようなことを考えられた方がいて始めたのがホームトレーナー制度です。これは何かというと老人の方が簡単に家でできるような軽い筋トレ体操をペアでやるといったものです。想定としては老人の方の家族の方をホームトレーナーとして育成して家で一緒に体操をやります。ホームトレーナー育成というとたいそうなことに聞こえますが普通の方が半日弱程度で身につく程度のものです。ペアでやるので3日坊主にもなりにくいですし、安全、しかも家族の交流にもなります。橋本さんというこの講座を受けられた方は父親が筋トレの効果で歩くのが好きになったとともに、2人で体操をするのでコミュニケーションもよくなったと話されていました。

 こういった家で手軽にできる体操の習慣などが広まると特に地方などは介護予防の効果すごく高いと思います。是非普及してほしいと思いました。

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 今回このような活動を全国に広めるたえにDVDと様々なトレーニングメニューを開発するためにクラウドファンディング始めたそうです。もし賛同される方がいらっしゃいましたら以下見てください

 

 

 

 

 

 

介護事業所の書類の多さ

2018.04.04

 

 私は現在社会福祉法人の会計監査人や監事をいくつか拝命しております。仕事の方向性としては提出する計算書類が社会福祉法人の会計基準にしたがってきちんと作成されているか見ることですから、計算書類に関係する書類が適切な手続きに従って作成され承認されているかチェックする立場です。書類仕事には慣れているはずの私ですら書類の多さと複雑さには音をあげたなります。

 一つの原因としては拠点・サービス区分別に細かく分かれた計算書類でしょう。拠点で例えば特養・ショートステイ・デイケア・訪問と4つのサービスを提供していればそれぞれについて区分して計算書類を作成することが求められることです。いわゆるこれは部門別計算で、確かに私も顧問先の中小企業などに部門別計算の導入はお願いしていますが、それは経営管理のためであり法定書類ではありません。経営管理のためで法定書類ではないので手間と実益を比較して手間がかかるものは省略することはよくあります。

 しかし、社会福祉法人のこの計算書類は法定書類ですから決められた手続きに従ってすべてきちんとやらねばなりません。前者の4つのサービス区分に分けるということは施設の共通費用なども合理的な基準に従って配分しなければいけません。例えば施設のボイラー設備なども4つのサービスの持分を決めて配分しており気の遠くなるくらいの手間です。当然厚生労働省としては部門別に経営管理をしてほしいという狙いなのでしょうが、作成するだけで力尽きてしまい本来の経営管理という部分に使うという部分にリソースを割く余裕はない気がします。

地獄への道は善意で敷き詰められている(The road to hell is paved with good intentions)」という言葉があります。社会福祉の世界では中には老人・子供・障がい者を食い物にするような悪徳業者がいないわけではないですが基本的には善意ある人が多い業界です。しかし、厚労省も含め、善意ある人々がきちんと物事をやろうという方向がどんどんやたらと複雑な手続き、多量の書類を生み出し、本来のサービスをしている人々を苦しめている気がします。非常にこのあたり自分の力不足を感じるのですがこの分野の改革で何かできないかと模索しているところです。

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介護は書類仕事か?

2017.08.23

roujinn

社会福祉法人改革が始まりその中の重要な一方として一定規模以上の社会福祉法人に外部の会計監査人による会計監査が義務付けられました。私も社会福祉法人の監事や会計監査人を頼まれることが多くなりました。ざっくりいうとこの改革により社会福祉法人のガバナンスを強化し、事業運営の透明化、財政規律の強化を図っていこうということです。新聞で社会福祉法人が取り上げられる際はたいてい悪い例で介護担当者は低賃金・重労働で搾取され、介護を受ける老人は低コストの劣悪なサービスで虐待され、一方法人側はたっぷり利益を上げて理事長一族は親族で役員を固め、高給を得て豪奢な生活をしているといったイメージです。世の中にこのような例は存在しないことはないとは思いますが私の印象だと非常に少ないと思われます。

当然私の関与先の詳細は述べることはできないのですが実際関与して感じたことは以下です。まず、社会福祉法人会計の考え方ですが基本的に部門別計算の考え方が徹底されているということです。拠点区分(ざっくりいうと独立した施設ごと)に資金収支計算書(キャッシュフロー)、事業区分計算書(損益計算書)、貸借対照表が求められます。良い点は施設長などは収支に関する感覚が鋭くなってどうすれば採算が良くなるだろうかということをよく考えるようになった点でしょう。私見でありますが、介護関係の方々は真面目で献身的な方が多い一方、利益をあげるといった方向にはうとい感じがします。そういった意味では一定の意義は認められます。その一方で普通の企業は部門別計算といったものは社内向けの意思決定資料で様式も厳密には決まっておらず、規模の大きな企業以外はエクセルで作成するレベルです。これを公表財務諸表で行うときちんと仕訳をして記録を残しておかなければなりませんから作業はかなり負担がかかります。画一的になる面もあり監査対象となるような特定社会福祉法人ですと財務諸表だけで100ページを超えることもありあまりに負担が多すぎる感はあります。部門別計算を行うことの意義は否定しませんが、これを公表財務諸表とすべきかは疑問を持ちます

それ以外も介護関係の書類は膨大です。介護を受けるご本人の様態などの記録は大切なものでそれは仕方ないと思いますが、国の所管である介護保険や様々な地方公共団体の介護関連サービスに関する報酬の算定資料はそれぞれ異なり複雑で細かく作成資料は膨大です。介護施設の管理職の方は書類仕事に追われているのではないかというのが正直な感想です。確かに介護に関する国や地方公共団体の負担は増大する一方で厳密な計算が求められるという面は理解できます。しかし、公認会計士も理解が難しいような計算や頭が痛くなるような書類の山たちは本当に必要なのでしょうか?一方、役所の方はちょっとした報酬の計算には関係ない軽微な記載ミスも指摘し修正を求めるといったこともよくあると聞きました。実はこのあたりが無駄にコストがかかる一面ではないかと思います。

役所の考えた仕組みはよく考えられているとは思うのですがやはり現場感のない机上の案といった感は強いです。真面目に真摯に毎日業務に従事して今後高齢者大国を支えていく介護の方々から少なくとも書類・事務仕事の時間は何とか大幅削減できないのか、内部統制を業務負担を増大させることなく強化する方法がないのか、そのあたり今後考えていきたいと思っています。

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保育園もつらいよ!

2017.07.03

hoku

保育の人材不足解消のため保育補助を拡充するようです。簡単にいうといままでは研修をうけた「子育て支援員」だけが補助金の対象になっていますが、それ以外の人も補助金の対象にしようというものです。保育士の資格は持っていませんが働きながら資格を取得しようという人に関してフルタイムで雇用した場合、貸付金という形をとりますが3年以内に保育士になれば返済が免除されるという形になります。

保育園では保育士の資格をもっていない人を補助として雇っているケースが多いです。国の保育士の設置基準は0歳児で3人に保育士1人、1~2歳児で6人に一人、3歳児で20人に一人となっています。保育問題は関心を持っていて地元で社会福祉法人である保育園の監事をやらせていただいています。その保育園にたまに伺わせていただいておりますが現実的に2歳児あたりからはかなり動きが活発になってきてこの人数ではとても見きれないことは明らかです。そういった意味で補助員は必須でしょう。ただ、こういったことで待機児童問題は解決するのでしょうか?

公営や社会福祉法人の保育園は税金や補助金(つまりこれも税金)で実質賄われています。社会福祉法人の場合よく言えば行政側はかなり厳しく査定して余剰が出ないように補助金が支給されます。そのため、保育園側もほぼ定員に対し100%近くでないと経営が成り立たないような状況になっています。私のいる練馬区の場合0~2歳児は確かに待機児童問題が生じていますが3歳児以降の場合幼稚園との競争が生じ定員割れが生じることもあり、少しでも定員割れが生じると経営に打撃となります。

つまり補助金で運営で余剰が出ない形でした支給されませんから設備は老朽化していきます。保育士不足もありますが、定員割れを起こすと経営が厳しくなりますから積極的に既存の保育園も設備の拡充をして定員を増やそうという誘因はほとんど働きません。ここにも待機児童が増える理由があるわけです。地方自治体も新しいハコモノを建てることは割と熱心なのですが既存の保育園をどう生かすかということについては温度が低い感は強いです。少子化はある程度は避けられない問題なので新しいハコモノを作っても近い将来、今の小中学校のように廃校になる可能性は大でこれは無駄になるのではないかと不安です。当然預ける保育園がなくて困っている人々の立場に立つことも大切なのですが、保育園の側の将来経営の視点でもみていく事も必要なのはないでしょうか?

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公認会計士からみた社会福祉法人

2017.03.27

kaigo

社会福祉法人(収益30億または負債60億以上)の公認会計士監査が義務化されたこともあり、最近社会福祉法人関連の仕事をする機会が増えてきました。社会福祉法人には障害者や高齢者、保育園、病院などがあり、私は個人的に少子高齢化に伴う両面である保育園と介護施設に興味があり、現状割と積極的にお受けしています。

新聞紙上で取り上げられるのはたいてい公益を隠れ蓑に一部の理事長や理事などが高給をむさぼり利用者や職員は劣悪な環境で搾取されているような例ですが、きちんと網羅的に調査しているわけではないですがきわめて少数だと思われます。私の見ている少数例ではありますが、現場、経営陣ともに日夜真摯に取り組まれている感は強く頭が下がる思いです。

綿密な調査に基づく結論ではありませんが、私なりの感想を述べさせていただきたいと思います。「いかに悪い結果につながったとされる事例でも、それが始められた当時までさかのぼれば、善き意志から発していた」というのが全体的な所感です。一つとしていろいろな意味で行政の関与は必要なことは否定しないのですがどことなく、行政の感覚は現場感というよりも机上な気がします。例えば、特養(特別養護老人ホーム)についてのユニット型ケアの問題があります。従来の特養ですといわゆる4人部屋など大部屋でしたが、ユニット型では1ユニットごとに専用の居住空間と専任の職員を配置することにより、大規模(多数床)施設でありながら、小規模生活単位の家庭的な雰囲気のなかできめ細やかな介護ケアを行なうことができます。現場の方にお聞きすると確かにユニット型の方がきめ細かくて良いことは確かなようですが当然人手がかかるそうです。新しい特養は基本的にユニット型しか許されないのですがこの介護人材不足の中で人が取れなくて現場は大変なようです。特養入居待ちが続く中で人手不足でフロアーが空いている例もあるようです。行政としては一人一人の入居者の厚生を高めようというよき意志から考えたのだと思いますが悪い結果につながっているかもしれません。

また、ここでは詳細は述べませんがとにかく介護保険関連は必要書類が膨大です。これも不正受給を防ぐために行政が様々に考えた結果だと思うのですが、現場はそのチェックなどでやたらと時間を取られています。介護人材で「利用者」ではなく「書類」の仕事をする時間が増えるという悪い結果につながっています。財務資料なども拠点ごとサービスごとに作成しなくてはならず膨大で上場企業の有価証券報告書並みの厚さがあります。全く不要とまでは申し上げませんが、ここまでの細かい資料の必要性については疑問を持っています。どんぶりではなく部門ごとにきちんと計数管理をするという考え方は正しいのですが、画一的に作成方法を定めて強制するという手法には疑問を抱きます。

最後にこれは違った観点ですが行政は新しい建設には前向きなのですが、従来の設備の大規模改修には後ろ向きな印象が強いです。とにかく社会福祉法人は内部留保を増やすなと縛り、補助、助成に関してもあまり積極的でない感があります。しかし、実は改修によって利用者の厚生も向上しますし、職員の導線が効率的になり少ない人材で対処できるようになります。人材不足に対する一つの解法にはなります。地方議員も行政も新規建設はアピールしますが、改修はあまりアピールにならないからではないかと考えるのは下種の勘繰りでしょうか?

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