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事業承継

事業の代替わりはうまくいくか?

2017.11.22

 

町工場

事業承継、いわゆる会社の親から子供の代替わりが、なかなかうまくいかず廃業する会社が増えています。今開業率は3.5%程度なのに対し廃業率は6.3%と上回っており、どんどん企業の数が減少しています。健全な新陳代謝ならば良いのすが、素晴らしい技術を持った企業が後継者がいないため廃業する例も多いとききます。その中でやはり相続税等の問題も一部その原因と考えられているようです。簡単に言うと代替わりと言うことは親の所有する株式が子供に相続等で移転するわけですが、その株式自体はどこか外部に売却できるものでもないのに税務当局が決めた計算方式で価額をつけられて多額の相続税等を納めなければならないことがあります。

それを改善しようと事業承継税制というものが創設されたのですが、私は恐ろしくてよほどでないと顧客には勧められないものになっています。そもそもあくまでも「猶予」であって取消要件に引っかかれば猶予取消で納税しなくてはなりません。主な取消要件は5年間以内に従業員数8割未満、社長は5年間以内に辞職、5年以内対象株式の売却、5年間経産局・税務当局への毎年の報告を怠るなどがあります。この流れの速い時代相続後5年もたてば事業が傾くこともあり、従業員を減らしてリストラすると猶予された相続税を支払わねばならないという恐ろしいことになります。また、経産局・税務当局への毎年の報告を怠ると猶予取消になるというのも税理士としては(プロとして当然気を付けるべきと言われても)おっかなくて仕方がありません。しかもこれだけリスクを負っても実質的な負担は約半分に減るだけです。

さすが政府もまずいと思ったのか見直しを考えているようです。この中で従業員数の維持の要件ははずし、猶予額も8割程度まで引きあげるようです。ただ、これも「雇用計画など一定の条件をつけて・・・」などとあるのが曲者で、私はかなり面倒な書類や報告義務などが課せられるのではないかと憂慮しています。確かに制度が変わるとそれを利用して税逃れ的な仕組みを考える人間が出てきます。ある程度それを防止するため手立てをするのは必要だと思いますが、そのために本来の意図である円滑な事業承継が出来ないようでは本末転倒です。そのあたりは税務当局は抜け道を事前に塞ぐように複雑な仕組みにするのではなく、アンテナを張って税逃れ的な手段には素早く手当するような対応をしてほしいと思います。

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中小企業の後継者問題3つの視点

2017.02.08

koukeisha

2月6日月曜日箱崎のロイヤルパークホテルにて公認会計士協会東京会主催で中小企業コンベンションが開催され、中小企業関連団体との交流が図られました。私は企画チームで主にコンテンツ企画を中心に行い、パネルディスカッション中小企業の後継者問題を取り上げました。その過程で3つの点で考えさせられるものがありました。

1つ目はどうしても後継者問題というと事業承継でかつ事業を親から子供への視点が強すぎる面があります。昨年6月に日本経済新聞で中小企業の社長の平均年齢は66歳と出ていて、なんとなく意識にはあったもののいざ聞くと結構衝撃的な数字です。後継者がいない企業をどうするか、主に従業員が継ぐ、M&Aのような形で売却、廃業するの3つの選択肢がありますが、この分野について積極的に関与している専門家というのは非常に少なく公的機関がかろうじて少しずつ動き始めた面があります。このあたり会計士(税理士)、弁護士直の専門家、そして公的機関(なぜならば採算にはのりにくいので)の3者の連携が大切かと思われました。

2つめとして事業承継に目を向けた際に、株価対策などの相続税対策で安心してしまうケースが多いということです。これは企業の顧問である我々税理士も反省しなければならないことですが、節税だけ提案すれば会社のためになるわけではありません。例えば、株式が相続により全然事業にタッチしていない親族などに分割されて増配要求など無駄な労力を費やす羽目になったケースや後継者教育をしていなかったために従業員が離反してしまうなどのケースがあるようです。統合した事業承継アプローチは必要だと思います。

3つ目は廃業の問題で借金+経営者保証があるため変に廃業すると経営者は家屋敷を取られて6畳一間のアパートで夫婦で寂しく老後を暮らすといったことになう可能性があることです。このあたり、まだ経営体力が残っているうちに私的整理などである程度最低限の生活を守りながら円満廃業する方式がもう少しあっても良いかと思います。このあたり弁護士の敷居の高さが少しあり頼みにくいという面はあるでしょう。そういった意味で東京弁護士会のコンシェルジェが得意分野の弁護士を紹介する中小企業法律支援センターなどは素晴らしい取り組みだと思いました。中小企業庁などでは経営者保証ガイドラインを出して、廃業の際に身ぐるみはがれないような仕組みの構築を開始しています。しかし、ほとんど家計と経営が一緒になっているような状況では簡単に金融機関も債務(一部)免除などもしにくいとは思います。その意味では顧問税理士も一定規模以上の金融債務があり家族以外の従業員がいるような企業に関しては明らかな公私混同の経費の使い方には苦言を呈してよいのではないかと思われます。

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企業の休廃業・解散最多は悪いニュースか?

2017.01.16

廃業

2016年に休業・廃業したり解散したりする会社の数が2万9500件を超え過去最多を更新する見通しになったと東京商工リサーチの調査でわかったもようです。休業・廃業は倒産とはちがい資産が負債を上回る資産超過の段階で事業を停止することをいいます。したがって、言い換えればまだ余裕のある段階で事業を止めていくということです。主な理由として日本経済新聞では三菱総合研究所の方にコメントを求めていて、要するに財務の問題ではなく人手不足や後継者不在が原因なようです。これは傾向としてまずいことなのでしょうか?

その休業・廃業の中身を詳しく見ているわけではないのでわかりませんが、個人的経験からすると将来的に魅力のある仕事であれば後継者は現れますし、人もどんどん集まってくるはずです。将来的に魅力のない、成長が見込めない仕事であることが大きな要因である気がします。一つの身近な例で正直に申し上げると顧客で苦境に合った企業なのですが立ち直りの要因は(おそらく私のアドバイスよりも)同業者が廃業したため受注が増えたためというケースがありました。特に下請け体質で過当競争にある業界などはある程度の退出はむしろ必要なのではないかと思われました

私はこの件においてはどちらかというと、本当はやめたいが借金があって止めると身ぐるみはがれてしまうとか従業員が路頭に迷うなどで仕方なく営業を続けている会社がある方が問題かもしれないと思っています。少しいい方は悪いのですが前者の場合は安楽死の仕組み―金融機関などが一定額を債権放棄して経営者が引退した後老後暮らせる程度の財産が残る仕組み、後者は零細企業のM&Aなどが考えられるでしょう。一応後者は中小企業関連の公的団体等が始めてはいるようですがまだ認知度は低そうです。前者もある程度金融庁や中小企業庁も考えているようですがまだ具体化までの道のりは少し遠そうです。このあたり個人的には弁護士さんなどと勉強会をして方策を提言しようとしています。

実は退出はある程度やむを得ないと言いましたが、起業などでの参入があることが前提です。古い産業から新しい産業に移る一種の新陳代謝があることが必要です。一方で起業が増えるよう、魅力的であるよう支援していきたいと思っています。

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