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成長企業に必要なCFO(最高財務責任者)とは

ベンチャー企業の人材不足についての私見(特にCFO)

2016.05.25

ベンチャー

独立して4年になりますが、いまだに外資系日本法人やベンチャー企業におけるCFOのポジションに興味がないかという話を月1回くらい頂戴します。ありがたいお話ではありますがお断りをしています。前者の場合はそれでもある程度の水準の方々がマーケットにいるとは思うのですが、後者の方が日本の将来の発展を考えるとシリアスかもしれません。

ベンチャーのCFOのスキルとしてざっくり必要だと思うのは①資本政策を立てて資金繰りと両にらみで資金調達をすること②事業計画の取りまとめ③内部体制の構築④会計税務(含む管理会計)ですべて重要なのですが緊急度の順番でいうとこの番号順ではないかと思います。大きく分けて供給源はVC(ベンチャーキャピタル)・証券会社の公開引受部門の方と公認会計士かと思います。一般論として前者の方は割とこの緊急度の順番で強みをもっていますので、比較的③④が弱いです。逆に公認会計士は②~④はわりと強いのですが①が比較的弱いケースが多いです。世の中で①~④全部できる人間は多分ベンチャーCFO経験者以外はいないのですごく候補者が少ないことになります。

私がベンチャー企業のCFOだったころに米国シリコンバレーのベンチャーと様々な交渉をしたのですが、特に管理部門はフルタイムでない人が多かったです。法務や財務のトップやその他に週1~2回出社する外部のコンサルタントを起用するケースは非常に多く見ました。

割と初期のステージでは①が重要なのですが後半にかけて②③の重要度が増していくので実はスキル的には初期とと後期では求められるものが違います。あまりここでは述べませんが上場した後はキャピタルマーケットからの資金調達になりますからまたこれも違うスキルが必要です。本当はそれぞれの段階で違う人に変えていけばいいのですがそうはいかないでしょう。このあたり、いいベンチャー支援のコンサルタントがいないから外部に頼らないのか、日本のベンチャー企業が自前にこだわりすぎるのでベンチャー支援のコンサルタントが育たないのか、にわとりと卵の関係かもしれません。ただシリコンバレーのようなベンチャーが生まれる生態系が育っていないことになります。

昨年公認会計士協会東京会でベンチャーCFO経験者やベンチャー支援をしている公認会計士でベンチャー企業についての資本政策について研究報告書を作成しましたが、その人たちでもあまりコンサル依頼の需要は高くないようで専業でやっている人はほとんどいませんでした。上場直前は確かにCFOがフルタイムでないと上場審査で支障が出る可能性があるので(それ自体再考の要はあるとは思います)仕方ないですがそれ以外は外部の力をうまく使うことを考えた方がよいと思いますがいかがでしょうか?

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CFOと内部統制 その2

2014.11.24

内部統制の代表的な手法として皆さんはSOXをすぐ思い浮かべるかも知れません。確かに企業に内部統制の考え方を根付かせるにあたって一定の役割は果たしたかもしれないとは思っています。しかし、基本的にはSOXは財務報告に偏っており、これをきっちり行えばCFOとしてリスク管理者としての役割を果たしたと思うのは大きな間違えだと思います。SOXにおいてはリスクをピックアップしてそれに対してどうやってリスクを軽減するかを文書化しています。監査チームは文書化した手続きがおこなわれているか検証していくのですが、とかく証跡主義で極端な話「印鑑が押してあればいい」になりがちです。

 

 実は財務報告の虚偽記載のリスクにしても実はその裏側にある根本的な原因は極端な株主価値至上主義や無理なインセンティブや計画にあるような気がします。CFOはそのような歪んだ目標や計画にも目を光らせ社長や取締役会の暴走を止めなくてはならないわけです。過去のエンロンやワールドコムの例を見ても残念ながらCFOはブレーキ役というよりもむしろアクセルを踏んでいた一員であり非常に悲しい出来事です。

 

 残念ながら企業が直面するリスクで財務諸表の虚偽リスクは一部分にすぎず、リスクは常に変化しています。競争相手や技術革新・陳腐化、マーケットの変化など様々なリスクをマネージメントしていかなければならずSOXというのはその一部分でしかないわけです。ユリウス・カエサルの言葉で「人は現実のすべてが見えるわけではなく、多くの人は見たいと思う現実しか見ない。」があります。見たいと思わない厳しい現実を経営陣に見せることができて、見せなければならないのがCFOの役割だと思うわけです。

CFOと内部統制 その1

2014.11.15

 みなさんは内部統制という言葉を知っていますでしょうか?アカデミックな定義は別にして、私は「会社が自律的に公正かつ効率的に運用していくための仕組み」と考えています。CFOは内部統制の推進者と思っています。しかし、SOXなどで内部統制の報告書を作成し、公認会計士の監査などを受けていると、ひたすら手続きを文書化して書類をいっぱい作ってサインや判を押すイメージがあると思います。

 実は内部統制の目的の中に「効率的」という言葉が入っているのですが、「公正」の部分のみ強調され、やたらとチェックを厳しくすればいいと思っている人が多いようです。 

 例えば身近な例でいうと、請求書のチェックなど担当者は11枚やりますが、私自身やマネジャーにはそこまで求めていませんでした。ただ、支払一覧を見て変だなと思ったものは請求書やその他添付資料まで見ていました。請求書のチェックはミスで払うべきでないものを払ってしまったり、不正請求を防いだりする目的があります。最初の1か月くらいは全部細かく見たりしますが、数か月たつとほぼ経常的な出金はわかるので、イレギュラーで金額の高いものだけ見ていくわけです。請求書の担当者は印鑑を請求書に押したりしていますが私は11枚押さずに束のまとめの部分に1個押すだけです。監査法人の新人などは「上司の検印も必要」などと言ったりしますが、正直言って見ていないものに印鑑を押すのは非常に無駄です。なぜならば本来はミスや不正を防ぐという目的を達成するのが重要で印鑑を押すことでその達成は促進されません。見たという証跡は別にまとめの束に押すだけでも達成されています。

 このように身近な例でとりあえず、公正と効率性のバランスの話をしましたが、CFOにとってバランス感覚というのは非常に重要だと思います。もう少し内部統制の話は続けたいと思います。

事業計画におけるCFOの果たす役割

2014.11.08

全社的事業計画を作成し、それを予算の形に形づくっていくにあたりCFOは重要な役割をはたします。ただ、皆さんの財務担当役員の方の事業計画において果たす役割に対するイメージはいかがでしょうか?もしかすると営業部門の交際費は何でこんなにかかるとか、旅費交通費が高いとか、ある部門の人数が多すぎるとかなんだか重箱の隅をつつくようなことを言ってきてとにかく事業部門の予算を削ることばかり考えていらっしゃるでしょうか?

 本来事業計画における予算とは戦略に沿って組み立てられるべきものです。したがって、CFOが本来気にしなければならないのは「予算の戦略適合性」です。その結果、事業戦略の中で伸ばそうと思っている分野においてはコストをかけるべきケースもあるでしょうし、そうでない分野はコストを削る、または一切ゼロにするといった判断が必要です。例えば、ある戦略的新製品があれば広告費や販促費、人員を思い切ってかける必要がありますし、逆にもう市場から撤退しようという製品に労力やコストがかかっていればばっさりとカットする必要があります。要するに、「メリハリ」がきちんと効いているか判断するわけです。当然予算には企業でも既得権益的なところがありますからその部分は勇気をもって戦わなければなりません。

 一方で事業戦略に基づき予算をきっちり作ったら悲惨な業績の結果しかできなかったらどうするのでしょうか?その場合は事業戦略自体を見直すか、1年くらいの悪い業績であれば耐え忍んで将来の成長に賭けるか考えなければなりません。間違っても非現実的な売上の増加やコストの減少を予算に織り込むべきではありません。「エクセル上の魔術師」になってはいけないわけです。このあたりの厳しい判断を経営陣に問いかけ、自分もその一員として考えていく、そのようなところはCFOの仕事のだいご味といえるでしょう。

CFOは面倒くさい人か?

2014.11.01

 多分一般的な人のイメージからするとCFOなど管理部門の役員は物事をやたら複雑化する面倒くさい人というイメージが強いと思います。確かに企業によっては財務担当役員が巨大な財務経理部門を率いて網の目のようにルール、承認・報告体制を張り巡らし管理・監視・コントロールをしています。ある中堅企業の財務担当役員の方とお話ししたところ、「鉛筆一本の購入にも目を光らせていますよ」と自身の会社のコントロールの強さを自慢されていました。その企業では、あるとあらゆるデータが集められ判断ができるわけです。

 しかし、本来のCFOの仕事は現場のありとあらゆる判断に干渉することではありません。むしろ現場で判断できることは現場で出来るように簡潔・明瞭なルールを作り運用を促進することです。きちんと運用されているかは監査等の際に確認・修正していけばいいわけです。

 CFOにとって重要なのは膨大なデータを集めることでも組織の末端まで細かく監視することではなく、いかに経営の意思決定に重要な情報を厳選していくかにあります。いわゆる雑多な情報の中から重要な情報を提供して経営の重要課題を解決していくために貢献するわけです。したがって、本来は物事を複雑にするのではなく、むしろ単純・明確化していく頼りがいのある人のはずなのです。

実は成長企業に必要不可欠なCFO(最高財務責任者)の役割とは

2014.09.28

 私は以前いくつかの会社でCFO(最高財務責任者)を歴任しました。ただ、あまりまだ日本企業ではこの役割は認識されていないような気がします。一般的な日本企業では財務(経理)本部長または財務経理管掌役員のことを英語でCFOと呼ぶのだろうという認識が強いかもしれません。予算との乖離幅を細かく聞き、経費についてやたらと細かい説明を求めてくるうるさい人というイメージです。

 私は取引処理と意思決定サポートの2つの業務で意思決定サポート>取引処理であることがCFOといわゆる財務管掌役員との違いだと思っています。企業の意思決定に不可欠なマネージメントメンバーの一員なわけです。

 ここで取引処理といっているのは伝統的な経理・財務の仕事です。会計帳簿をつけ、金融機関・税務当局・投資家向けの財務諸表を作成し、予算作成および予算実績管理を行い、資金管理を行うそんな仕事を統括することです。

 一方意思決定サポートはコスト構造を分析、新規事業の収益性の分析など戦略的な計画立案プロセスを財務面からサポートする仕事です。したがって、CFOは当然ビジネスそのものについても詳しいことが求められるわけです。

 非常にざっくりいうと財務管掌役員が過去の活動を扱うのに対し、CFOは企業の将来に目を向けた活動が主になるわけです。実は数年前私は中堅上場企業のCFOの会合に何回か出席させていただいたことがあったのですがその中で実際にCFOの仕事をされていると思われる方はほぼ皆無で驚きました。中には財務経理畑ではなく、上がってくる資料などほとんどわからないといわれる豪の者までいらっしゃいました。CFOという役割はあまりまだ日本の一般企業には浸透していないようです。

 さて、次回はもう少しCFOとは何かということについてお話ししたいと思います。

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