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経営

電通過労死を考える - 一流企業の若手はなぜ過労死するか?

2016.10.27

 karoushi

電通で若手女子社員が自殺したことは大きな驚きを与えました。ただ、いつものマスコミの論調で電通という企業の問題に矮小化して電通叩きに走っている感が強く非常に残念です。また、長谷川秀夫武蔵野大教授が以下のようなコメントを述べ、大きな非難を浴びました。ただ、「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない」部分を除けば「一般論としては」まともなことをおっしゃっていると思います。

「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない。自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。更にプロ意識があれば、上司を説得してでも良い成果を出せるように人的資源を獲得すべく最大の努力をすべき。それでも駄目なら、その会社が組織として機能していないので、転職を考えるべき。また、転職できるプロであるべき長期的に自分への投資を続けるべき」

長時間労働は日本企業の特徴とよくおっしゃる方がいますがそんなことはありません。アメリカの超一流のコンサルティング会社や弁護士事務所の若手、大企業でも若手幹部候補生は週80~90時間は当たり前のように働きます。「上司から請け負った仕事をプロとして完遂する」意識は非常に強いです。私もGEの米国本社で働いている際の部下に大学卒1~2年目のFMP(ファイナンシャルマネージメントプログラム)の幹部候補生が何人かいました。彼(女)らはとにかくさまざまな仕事を引き受け普通に休日も深夜も働きます。ただ、その一方で上司である我々も部下のよきメンター(相談相手)としてきちんと成長に寄与しているかは厳しく査定されます。彼(女)らも仕事は快く引き受けますが、目的やゴール、必要な指示が明確でないと反論してきます。しかし、上司も前向きな反論には快く答える社風がありました。ただし、やはり過酷な業務と厳しい査定に音をあげ、世界各国の一流大卒も1~2年で半分が脱落するシビアな世界でした。ある年は東大卒が全滅したという話も聞いたことがあります。

上記の例を見るとアメリカの若手エリートと比べると日本の若手はひ弱と思われるかもしれません。しかし、前提が大きく違います。一番大きいのは失敗を前向きに評価するアメリカの文化でしょう。日本で新卒1~2年目で脱落したら一般的にはバッテンでかなりマイナスで評価されます。一方でアメリカの場合だとGEのプログラムのような過酷な仕事に挑戦した姿勢が、たとえうまくいかなかったとしてもある程度評価されます。少なくともバッテンではありません。電通のような一流企業に入社した東大卒の女性の方にとっては電通を辞めることは人生の落伍者のように感じていたかもしれません。しかし、若者にとっては失敗できるのは大きな特典であり、最初の会社選びを失敗すると現実的には這い上がれないと思わせるような単線的な梯子だけの日本の企業文化がこの問題の根源にあります。

私は人事の専門家ではないので感覚的なものでしかありませんが、評定で部下を育てるという点が日本企業では軽視されているような気がします。GEの幹部候補生の場合は私の上司や人事が定期的に彼(女)らにインタビューして精神的ケアーもある程度しますし、上司の指導法についても聴きます。やはり中にはなにも指導はせずに上司の強い権限を振りかざし彼(女)らにやたらと無理な要求などをしたり秘書代わりに使う人間もいないわけではないですがそのような人間は注意されますし、ひどい場合は評定で大きくマイナスになります。割と日本企業ではあまりこのあたり口を出さないという例が多く、電通の場合なども上司がパワハラなどをしていても周りは見て見ぬふりをしていたのではないでしょうか?

失敗を許さない文化、指導法(特に若手)を軽視する姿勢が私は根源にあった気がします。これは電通だけでなく日本企業一般(例外もあるとは思いますが)に共通する問題でないでしょうか?

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なぜ返済猶予しても中小企業の経営は改善しないか?

2016.10.26

再生

今朝の日本経済新聞の記事で地方銀行など106行が返済猶予など融資条件の変更に応じた中小企業のうち6割強が4年以上たっても経営改善していないことが金融庁の調査で分かったようです。2009年中小企業円滑化法が施行され、本来の趣旨としては経営不振の中小企業が返済を猶予してもらっている間に再生するといったシナリオですが、その後もリスケ(条件変更)で元金支払い猶予などを繰り返して経営が改善していない先が多くあるということです。

記事の論調としては銀行が47%しかリスケ先に再建計画づくりなどの支援をせず、担保や保証協会(中小企業の借入金の保証をする公的機関)の保証でカバーされているためと銀行に批判的です。ただ、銀行も営利事業であり、収益としての利息が入り元本も担保、保証でカバーされていたら特に何もしないのは合理的でしょう。私自身は再生専業ではないですが経営改善の一環として中小企業の再生は手がけることがあり、そのような関係で再生専業の方や金融機関や関連機関の方などと接することはよくあります。とはいってもサンプルも少なくまじめに真摯に行っている方から見ると乱暴な見方かもしれませんが述べると以下です。

まずもともと返済猶予の際に計画を作成しますが、再建計画で重要なのは再建にかける経営者の熱意と再建案の品質だと思います。そして経営者の熱意と再建案の品質はリンクしています。したがって、本来あるべき姿は「経営を再建したいから再建案を作る」なのですが、実際には「再建案を作ると銀行が返済を猶予してくれるから作る」といったケースが多い気がします。そのような姿勢ですから企業再生の専門家にほぼ再建案は丸投げといったケースが少なからず見受けられます。本来再生の専門家も「中小企業の経営を立て直して社会の貢献したい!」という熱い思いで経営者と再建に向けて侃々諤々の議論とアドバイスをして計画を立てたいと思っていた方も多いようです。しかし、実態は丸投げされてしまうと「銀行や関連機関が納得しやすい再建計画」作成になってしまい、「再建案の品質」として、とにかく作成資料の細かい数字の整合性にかなりの努力を注ぎ込む結果になります。再建計画をいかに早く作るかとエクセルのスプレットシートの洗練度がどんどん高まっていくだけに陥りがちです。経営者としてはリスケさえしてくれればいいので、継続支援などはもともと求めていません。もしかすると専門家も単に数字作りだけができるだけで実際の再建の能力がない方もいるというのも原因である可能性はありますが。

結論としては政治的には難しいし冷たいようですがどこかでリスケの繰り返しという延命装置は外さないと社会的コストがかかりすぎます。しかも、経済のダイナミズムとして参入と退出というのは一定数必要です。あまり事業に情熱はないのだが継続している理由に経営者が個人保証や担保で事業を止めると身ぐるみはがされるという問題があります。したがって担保処分や保証の履行で経営者が身ぐるみはがれることのないように手当しつつ、静かにやる気のない先は退出してもらうことに税金をつぎ込む、「幸せな廃業」のほうに力をそそぐ方が良いのではないでしょうか?このあたり私も銀行や保証協会、中小企業支援協議会などとも連携して考えていければと思います。

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アデランスはなぜMBOにはしったか

2016.10.20

katsura

アデランスが先日MBO(ざっくりいうと経営陣が自分で株式を買い取って株式を非公開にすること)を行い株式上場を廃止することになりました。投資ファンドのインテグラルが新設した子会社を通じてTOBを行い、そのインテグラルの子会社に経営陣が過半数を出資する形になってインテグラルと経営陣が所有する形になります。インテグラルはスカイマークの再建などで有名で上場を廃止した後、再建をともにやっていくという考えのようです。

原因は経営不振で確かに14日発表されたアデランスの第2四半期の決算では営業利益は6割減で経常赤字に転落しています。決算資料を見ると特に女性向けかつら(ウィッグ)の不振が主な原因のようです。同業者のアートネイチャーの決算資料(まだ第2四半期決算は公表されていないので第1四半期)をみると同様に営業利益が60%減でやはり同様に女性向けかつら(ウィッグ)の不振が大きな原因なようです。両社ともに高価なオーダーメード品および装着するだけの既製品も両方ともに売上を減らしています。仮説ではありますが一つとして女性市場で装着するだけの既製品の知名度が高まって高価なオーダーメイドの必要性が薄れたというのがあるかもしれません。一方で装着するだけの既製品はオーダーメイドと違い店舗は必須でなく、量販店などでも販売できるので参入が容易で価格破壊が起こっています。この分野ではユキや小林製薬が参入してきて競争は非常に厳しいようです。参入が容易な市場で利益を上げるのは非常に難しい典型的な例です。如何に競合ゼロに近い状態に持っていくかがカギでしょう。

MBO後の展望としては3つと思っています。1つは競争が激しい女性の既製品分野でどのようなポジションを取るかです。レッドオーシャンとみて撤退するのでしょうか?2つめは広告戦略でしょう。売上げの3割は広告宣伝費に投入しています。割と生命線なので安易に削ればいいというものではないですが、どのようにこの巨額の広告宣伝費を用いるかがカギでしょう。最後に海外展開で子会社は北米以外はタイとフィリピンのみで、海外売上はかなり北米に偏っていますす。やはりアジアへの本格的な開拓は鍵ではないかと思われます。いずれにしてもいかに競合が少ない状態に持っていくかが展望かと思います。非上場にしてしまうのであまり情報が流れてこなくなりますがどのような手を打って再建するのか非常に楽しみです。

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五輪会場の費用はなぜ増える?

2016.10.19

uminomori

東京五輪の会場の費用の件が随分新聞やテレビをにぎわしています。特に話題になっているのが海の森水上競技場で整備費が当初69億が一時1038億まで膨らみ現在も削減して491億円かかるとしています。要するにどんどん費用が膨張しているので新聞やテレビなどのマスコミで大騒ぎになっています。確かに山奥など自然が絡むものであれば想定外の難工事となって費用がかさみということはあるのでしょうが、基本的には人工物なのでそんなに費用が変わることはありません。大きなプロジェクトで民間であれば予算より数パーセントオーバーしただけでも疎明資料で普通は大わらわです。

すごく不思議なのですが、とりあえず私が新聞やネットなどで調べたところ(調査不足かも知れませんが)もともとの試算がずさん、現在の予測値もずさんという印象を受けるだけで具体的にどうしてこのようにコロコロ数字が変わるのか実態が見えてきません。私は建設試算の専門家ではないのですが、たいていまともな予算は「項目ごとの掛け算+足し算」でできています。すごくざっくり説明すると、材料費(単価x使用量)+人件費(単価 ⅹ人数 x日数)+間接費(単価 x量)で項目ごとに書き出されています。したがって、普通予算よりも膨れ上がればどの項目がどういった理由でいくらか(たとえば材料単価が上がった影響がXX円など)が明確です。民間での大きなプロジェクトであればフェーズごとに予測値を報告して特に大きくオーバーするようであれば項目ごとに原因を調べて代替案の提出がふつう求められます。この問題で非常に腹立たしのは高いと騒ぎ立てるだけで実態が全く見えないことです。勝手な想像ですがきちんとした予算の計上と予測値の作成がされていないのではないかと思っています。都の財政規模と人材レベルを考えれば本当に不思議でこのあたりの解明も是非してほしいものです。まともな財務管理ができないと大混乱になり企業ならば倒産してしまう好例をこの五輪会場の例は表していると言えるかもしれません。それこそ公認会計士や財務の専門家などをいれて徹底的に見直せばいいと思うのですが・・・せいぜい費用はざっくり一日15万 x20人 x60日 =1億8千万程度で終わります(これもずさんな見積もりとおしかりを受けるかもしれませんが・・・)。

余談ですが、私は高校時代ボート部でしたので土日の社会人、大学、高校などが入り乱れ、かつボートレースで一部閉鎖もされてしまうこともある戸田ボートレース場を見ると個人的感情としては東京近郊にボートレース場は作ってほしいと願っています。ただ、500億近くも建設費をかけるべきものかというとさすが優先順位としては低いと思います。

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転職しやすい国の潜在成長率が高くなる?

2016.10.17

転職

今朝の日本経済新聞で転職がしやすい国ほど潜在成長率が高くなるという分析をOECDなどのデータで示しています。そして、理由として転職しやすい国ほどより収益力が高い成長分野に移動しやすくなり経済全体を底上げしやすいと仮説を立てています。このような統計的因果関係については逆の因果関係もあるので注意が必要です。少し意地悪な見方をすると潜在成長率が高い国はどんどん収益力の高い新しい産業が生まれ、そのため転職もしやすくなるという逆の因果関係も考えられます。たとえばアメリカなどでもシリコンバレーなどは他の地域などより転職が非常に盛んですがこれは転職がしやすいから新しい事業が起こるというよりも、新しい事業がどんどん起こるので転職がしやすいという面が強いと思います。

少し意地悪な見方をしましたが、人手不足に悩む日本のベンチャー企業などを見ているとある程度上記の仮説はうなずける面はあります。転職しやすい社会をつくる道として解雇の金銭解決や「脱時間給」があげています。ロジックとしては解雇がしにくいので転職市場が小さいし、「時間給」があるので生産性をあげようという動機が低く、結果的にマクロ的には賃金が上がらないとしています。私はかつて欧米系の企業で働いていましたが、ホワイトカラーには残業という概念がありませんでした。若くてもどんどん昇進、昇給は可能で一般企業でも20歳代で年収1000万は普通に可能でした。しかし一方でホワイトカラーでも昇進できないと当初の年収300~400万くらいで年齢が何歳でもほぼ変わりません。人事は調査会社を使って、賃金が他社と比べて低いようなことがないか非常に気にしていて常に賃金的競争力は保とうと努力していました。社長役員クラスの欧米企業の高さもよく言われていますが、中間管理職クラスでもほぼざっくり欧米企業の方が1.5~2倍くらい高い感がありますし、トップグループの昇進の速さは2倍以上でしょう。

ただし、ジョブセキュリティという安定性は昇進するほど低くなり、解雇リスクは高まります。不祥事でもない限りよく欧米の映画であるような「今日中に荷物を持って退社、退職するように」といったことはありませんが(金融業界はあります)、2~3回上司、人事から注意のレターを受け取って改善が見られないと簡単に解雇されます。本当に本人に能力がない場合もありますが、上司との相性が悪く解雇や業績が悪く解雇も多いので、転職の際解雇されたというバッテンよりもそこまで昇進したというプラス面を見てくれることが多く解雇されても転職はさほど難しいものではありません。

企業にとって解雇のしやすさと脱時間給が望ましいかというと、利益をきっちり出して高い賃金をオファーできる企業はどんどん優秀な人を集める、逆に業績が上がらない企業からはどんどん優秀な人が逃げるといった具合に優劣がはっきりしてきます。一方従業員側も能力があってどんどん昇進する人は給与も上がりますが、そうでない人は据え置きといった具合で優劣がはっきりしてきます。いわゆる格差社会には突入する可能性はあります。ただ、ダイナミズムという意味では伸びる企業がどんどん伸びて、優秀な人がどんどん若いうちから昇進して高い給与を謳歌するほうがあると言えます。セイフティネットは何か考える必要はありますが、少子化の日本としてはこの方向に舵を切るしかないのではないかと思われます。

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JR九州の上場

2016.10.14

ななつのし

JR九州がBB期間(ブックビルディング期間)が今日で終わり、いよいよIPOに向けて動き出しました。いわゆる本州以外のJRの上場は初めてでJR東日本などと財務諸表を比較して見るとなんとなく苦戦の跡が伺われます。昨年度の連結売上は3780億円で約3兆円近いJR東日本の約10分の1強です。そして営業利益は219億と4878億のJR東日本に比べて収益性は大きく劣ります。その原因はやはり本業である運輸収益の収益性の低さでセグメント別の営業利益では105億の赤字を出しています。その部分を駅ビルや小売業などの多角などで補っており実は運輸事業の売上高は全体の50%を割っており、そういった意味では証券会社が株価の算定においては不動産セクターのPER(株価収益率)を用いているというのはうなずけます。東海道・山陽新幹線などのドル箱路線がない(一応九州新幹線はありますが・・・)なかでいろいろ知恵を絞って利益をたたきだしているわけですから頑張っているとはいえると思います。

やはり課題は鉄道事業でJR東日本と比べて目立つのは乗車効率の低さです。乗車効率という鉄道事業者の指標をざっくりいうと車両の定員に対する乗車人員の割合でJR東日本が45%なのに対し、JR九州は29%なことです。新幹線も東日本が55%に対し九州が45%と水をあけられていますがやはり、在来線が九州の28%と45%のJR東日本に比べ大幅に低いあたりが頭の痛いところでしょう。鍵はななつ星などに代表されるような観光事業ではないかと新聞紙上などでは述べられているのですがどうなのでしょうか?韓国などからも近いのでこのあたりの頑張りが期待されます。

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日立はGE化しているか?

2016.10.05

大きな木

最近日立のドラスティックな動きが目立ちます。少し前に日立キャピタルと日立物流の所有株の半分を売却して今回は工具事業を展開する日立工機と日立国際電気の半導体装置事業を売却するようです。持株会社戦略として相乗効果の見込めない事業を売却して選択と集中を目指す方向です。

このあたり徹底しているのがGEでかつて収益の半分を占めた金融事業や祖業の家電事業を売却しインフラ、IOTに経営資源を集中させています。日立もインフラやITに経営資源を集中して非常に似通った構造になってきました。かつて持株会社経営はいわゆるポートフォリオ的な考え方で異業種を組み合わせて経営を安定化させようという動きがありましたが、今は特定の分野に経営資源を集中させる方向に入っています。例えばやはり同じ製造業でも食料品や日用品のような動きの速いものを製造する企業とインフラ系のように長期的な動きをするものを製造する企業では大きく文化が違いますし、同じグループに中にいたとするとどちらが主導権を握っても片方が不満を持ちます。すると、片方が自分たちの文化・やり方を他方に押し付けて他方のモティベーションを著しく下げてしまうか、アンタッチャブルで野放し状態になってしまうかどちらかのパターンになりがちです。実はGEでさえも金融部門は独特の文化がありイメルト氏がテコ入れするまではGEキャピタルとしてかなり独立的に動いており多少アンタッチャブルな面があった気がします。

子会社側としても親会社と企業文化が違うと本社からの指示も非常にピントが外れたものに感じますし、日立から売りに出されるというと大樹の陰から離れ不安に感じるかもしれませんが、事業に理解のある親会社に買収され非常にハッピーなケースも多いと思います。ファンドも随分淘汰され、短期的に目先の業績を挙げてバイアウトしたいというハゲタカ系は減少し、わりと真摯に経営に協力しているところが増えてきました。子会社を売却すると聞くと欧米的な会社をモノとしてしか見ない冷酷なイメージがある方がいるかもしれませんが、よい親を見つけてあげれば非常に優しい施策と思います。

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人を活かす会社とは

2016.10.03

育児休業

日本経済新聞で「人を活かす会社」調査をしているようです。「雇用・キャリア」「ダイバーシティ経営」「育児・介護」「職場環境・コミュニケーション」の4分野に分けて分析しています。大きく異論はないのですがなんとなく読んですっきりしない気分でした。

なんとなく休みのとりやすさと女性管理職・役員の割合という物差しが表面的に評価されている感が強い気がします。特に日本企業はテストに強い秀才が多いですすから、単純な指標ができるとその指標が良くなるポイントだけを狙って施策を打つような気がして内容を疑ってします。1面には女性執行役員が22%増加と大きく出ているのですがよく中身を見ると調査した1000社のうち回答があって比較対象が可能なのは388社でその中で22%増なので残りの612社で横ばいだとするとたった8.5%程度しか増加していません。カゴメの「ダイバーシティ担当管理職」を執行役員に昇進させた例などはよく言えばダイバーシティを重視していると言えますが、意地悪な見方だとビジネスの主要ラインではないので表面的に昇進させたと言えるかもしれません。他にもイオンが初めて事業所内保育所を作った例も625店舗で1店舗で重要な一歩と言えるかもしれませんが、試験的な運用レベルでさほど評価すべきなのかは疑問です。

その中でジョンソン&ジョンソンなどは割と真水な気がします。良くも悪くも欧米系のグローバル企業は日本企業より人に優しいわけではなく、こういった調査で表面的に良い点数を取ろうと真面目な秀才が頑張っているわけではなく冷徹な計算で社員を大事にしている気がします。結局ある程度きちんと休みを取らせたり、女性やいろいろな国籍、LGBTの対処などで最終的には社員の生産性が上がり会社の利益に貢献するということを試し、計算して施策を行っています。欧米系のグローバル企業はダラダラ残業は無駄で優秀な女性・さまざまな国籍の方・LGBTの方を仕事で生かせないのは大変な損失出ることを冷徹に計算して施策に入れているわけです。それですから試験的な導入で終わるのではなく検証し定着に持っていっています。日本企業も単にブームを形式的に取り入れるのではなく、実のある経営判断として推進して、定着していくことを願っています

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やはり出てきた賃貸アパート問題

2016.09.30

chintai

今朝の日本経済新聞で「空室率悪化泣くオーナー」という記事が出ていました。人口減で若い世代が減っているのに今年の7月の賃貸住宅の住宅着工の伸びは11.1%と非常に高い伸びを示しています。空き地に比べ賃貸住宅にすると評価額が50%に下がるうえ、借入金は相続財産から控除されますから借入金で賃貸住宅を建てると相続税対策になりますと銀行とアパート建設運営会社が盛んに営業をかけています。それ自体は偽りはないのですが問題なのは空き室率です。どうやら神奈川県では36.66%と高い空き室率になりました。日経の記事によると「一括借り上げ家賃保証」と言っても空室率によって最低保証金額まで下げられてしまいかなりアパート経営者にとって厳しい内容になることが多いようです。新築のうちはいいでしょうが古くなると修繕費もかさみ家賃も切り下げなければ入居者は集まらずそのあたりのキャッシュフローの計算はきちんとされているのか疑問です。

このスキームで最大手が大東建託です。今年7月の決算を見るとアパート建築で売上1300億(営業利益198億)、その後の不動産賃貸管理事業で2036億(営業利益109億)と建築で利益をあげ、そのあとも一括借り上げのサブリース差額と管理収入で継続的に利益を上げています。ビジネスモデルとしてはフロー(建築)とストック(賃貸管理)でバランスよく利益を上げて素晴らしいと思います。

ただし、アパート経営者というのは土地を持ってるだけの高齢者などが多く、相続対策ということで飛びついた経営感覚のない方がかなり多いと言えます。このようなモデルがアパート経営者と施工賃貸業者との間で双方がリスクと利益をわけあうようなウィンウィンモデルだと素晴らしいと思うのですが、リスクを一方的に素人のアパート経営者に押し付けるような収奪モデルだと永続的なモデルとはならないと思います。最終的に収奪モデル企業はたとえば商工ローンのように社会から抹殺されるはずですから。長続きするのはやはり双方両得のウィンウィンなのです。

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起業とお金と妻について

2016.09.23

起業

男性会社員が起業するとき、妻が反対するという話をよく聞きます。ちなみに女性が起業する際、夫が反対するという例はあまり聞いたことがありません。ある程度夫の経済基盤がしっかりしているか、かなり自立した女性であって夫もあまり口を出さないケースが起業する女性には多いような気がします。一方男性会社員の場合、妻がフルタイムでバリバリ働いている場合はハードルは低めですが、パートや専業主婦だと結構ハードルは高くなるようです。

安定収入の会社員の立場から不安定な自営業になるわけですから簡単に賛成しないのは理解できます。特に主たる収入が夫の給料であればなおさらでしょう。ただ、今後会社員だからと言って一生安定収入が得られる時代はもう過去のものとなっています。大企業では50歳でほぼ役員候補とそれ以外の選別は完了しそれ以外の方は役職定年や出向等が待っています。当然それ以外の方々が大多数なので人生の収穫期で一線から退くことが多いというのは非常に残念な仕組みだと思います。役職を退いたり出向したりしてもそこで生きがいを見つけられる方は問題ないですが、ちょうどその世代の友人を見ているとそういった人は多くはなく寂しい気持ちになります。

起業が唯一無二の選択ではないですがやはり自分でお金を稼ぐ仕組みを早くから身に着けて自立した生活を送るというのは自己実現の一つの形態と思われます。起業のハードルとして妻の反対がありますがどうしたら良いのでしょうか?私の周りの成功例を見ていると家計を自分で管理している、または家計に生活費を入れる型が多く、お小遣い派はうまくいっているケースは少ないです。前者の場合は起業当初は実際思い通りにはいかないにしても、きちんと計画を立てて妻を説得できる材料は多いです。私の友人は超優良企業を退職して独立する際に、現在の貯金と資金計画まできっちり妻にプレゼンしたそうです。家庭を持っている方の起業としてはすくなくとも妻を説得できるレベルの起業プランを持っていることは必要でしょう。

お小遣い派にとっては起業準備の中に生活費入れ派、または家計管理を自分でやる派に変えることが入ると思います。小資本で起業できる時代になったとはいえ数十万程度の投資、出費はどんな業種でも最低必要です。しかし、妻の家計感覚からするとんでもない額であり、例え起業したとしてもそんなものでいちいち説得が必要だとエネルギーが持ちません。余談ですが、私は稀有な、お小遣い派です。ただ、妻が自営業の家庭に育っているので夫の金の使い道にあまり口を出さないというポリシーなので何とかなっています。

起業の相談やビジネスモデル発想のお手伝いなどをやっているとわりと「妻が反対」というのは割と多いようです。ただ、このハードルを乗り越えることは離陸に必要かつ大切なプロセスなのできちんとやってほしいと思います。

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