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経営

電通の社長の言葉から -残業ゼロの視点(その2)

2016.12.05

denntsu

 

電通が2日に「労働環境是正のために長時間労働が染みついた社員の意識改革活動を盛り込んだ労働環境是正策を発表したと、」土曜の日本経済新聞に載っていました。そのなかで象徴的な言葉が石井直社長の長時間労働の背景として「いかなる仕事も引き受ける体質があった」ということです。実はこれは電通だけでなく結構日本企業全般でみられることです。

私の業務で欧米系外資系企業が日本企業を買収した後の統合(PMI)があるのですが、その中でほぼ例外なく問題となるのが日本企業の例外処理の多さです。たいていその元は顧客(含む内部顧客=他部署)の要望に応えてというのがほとんどなのですが、いわゆる「いかなる仕事も引き受ける体質」がその根本にあります。必然的に例外処理を行えば手間はかかり、その分で労働時間は確実にかかることとなります。この手間の部分を顧客にきちんと転嫁できるならば実際に人手を増やせばいいだけのことなので問題がないわけですが、それができないのに要求にこたえると利益を削るかサービス残業するかどちらかですが、前者には限界があるので必然的に後者に頼ることとなります。

その点米系の成功している企業はペルソナマーケティング的な考え方(モデルユーザーであるペルソナに応えるような商品・サービスのみを提供しよう)がいきわたっている企業が多いです。プロセスは自社のペルソナのためにできており、基本的には例外処理を要求するような顧客はペルソナから外れます。ある程度のロットがあり、例外処理に伴うコストをきちんと負担してくれる顧客であれば対応することはありますが、そうでなければ平気でそのような顧客は切ります。自分の提供する商品・サービスの価値がわからない顧客は相手にしないというわけです。このあたりがはっきりしているので利ザヤはきっちり得ることができますし、当然むやみに残業は増えないわけです。

これは実は大企業だけでなく我々中小企業や個人事業主に当てはまることです。何でも仕事を受けているとやたらと労働時間が長くなってしまいます。自分のペルソナを定めてその顧客に絞っていればきちんとした利益を上げられ、やたらと長い時間働く必要はなくなるわけです。このあたり自分の胸に手を当てても「言うは易し行うは難し」ではあるわけですが・・・大切だと思われます。

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中小企業に対する銀行の姿勢は変わるか?

2016.12.02

mori

金融庁の姿勢が不良債権処理を重視する方向から金融機関の顧客重視の体制づくりに主眼が移っているようです。主として金融機関に対し投信などを顧客の視点ではなく手数料重視で販売するような姿勢や、担保・保証に偏ったような融資の姿勢を批判しています。後者については金融庁では平成26事務年度 金融モニタリング基本方針に、「事業性評価に基づく融資等」が盛り込み、この中で、「金融機関は、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し(「事業性評価」)、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していくことが求められる。」と明記されました。

金融庁の森長官はかなりこの事業性評価融資が遅々として浸透しない現状にかなりいらだちを隠せないようで、「地銀は現状のような担保保証重視で中小企業を育てられないようでは存在意義はない」といったような趣旨の発言もされているようです。私も個人的に事業性評価融資については興味を持ち、公認会計士協会東京会の中小企業支援委員会のメンバーとして金融機関等にヒアリングをしたのですが本部サイドでも「金融庁がプッシュするのでやらないとね・・・」といった感じであまり熱心な感はありません。金融機関の言い分だと中小企業だと所有と経営の分離が図られているわけではないので担保・保証がないと怖くて貸せないというところがあります。確かに、「内部留保よりも税金払わないために私的に経費使ってしまえ」というような姿勢の中小企業は正直多く、このあたりは確かにうなずけます。このあたり我々税理士も中小企業の顧問として、やたらと節税だけ勧めるのではなく将来の企業の成長をにらんだお金の使い方をきちんとアドバイスすべきだと反省する面はあると思います。中小企業側もきちんとした事業計画を作ってアピールするような努力が一方で必要だと思います。このあたり、まだ経営者自身の保証はまだ残りますが事業計画でアピールすることにより少額であれば第三者保証はなしでお客様が融資を得るなど個人的には少し成果は出てきました。

一方で銀行の個人評価の問題もあります。友人などからの又聞きではありますが、相変わらずの減点主義で事業性評価融資などという新規なことをやったプラスよりもそれが失敗した際のマイナスの方がはるかに多く、まずできないよねというのが現状なようです。こっちの方は、かなり根が深い問題で個々の人事評価体制の問題なので何とも口の出しようがありません。しいて言えば、どこかベンチマークとなるような成功例が出てくれば良くも悪くも銀行業界横並びなので一気に進む気はします。このあたり自分も貢献できるところがないか模索中です。

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お役所仕事に学べー残業ゼロのための一つの視点

2016.11.30

お役所

長時間労働をなくそうという動きが政府民間を通じて盛んになってきました。ただ、長時間労働を取り締まる側の厚労省自体が霞が関では長時間労働で有名なので皮肉な感じがします。そこで一つの視点として長時間労働が多いと言われるサービス業をみて行きます。しかし、実はサービス業でもほぼ定時に終わり休日出勤もほぼない模範的なところがあります。それはお役所の窓口関連です。夕方5時過ぎに区役所などに所要で行くとほぼこのあたりの部署は誰もおらず真っ暗です。

ひとつの大きな理由として役所の仕事というのは極めて定型化させて例外をほぼ許さないことがあるといえます。悪くいうと融通のきかない「お役所仕事」ですが、よく解釈すると「効率化を追求した仕事のやり方」と言えます。長時間労働を生み出す仕組みの一つとしてイレギュラー(例外)処理があります。私の仕事で外資系企業が日本系企業を買収して統合する際に思うのは日本企業の例外処理の多さです。よく言えば融通が利くのですがいろいろな顧客や他部署の意見を取り入れすぎると例外処理だらけになって効率が落ちます。このあたり欧米系グローバル企業はばっさり切り捨てますから私の仕事も親会社のフローに載らないプロセスはどのようなものがあるのか、悪い影響を最低限に抑えてどのように切っていくのかが重要な業務になります。管理職の「捨てる能力」が残業を減らすために必要なのではないかと思われます

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ラクスル -ビジネスモデルでユニコーンに

2016.11.21

ラスくる

日本経済新聞で日本のユニコーンという記事が週一回連載されていて私は楽しみにしています。ユニコーンとは本来おとぎ話に出てくる一角獣ですがビジネス用語では株式時価総額10億ドル(約1100億円)以上の未上場企業を指す言葉でシリコンバレーのVC(ベンチャーキャピタル)の間で発祥した言葉です。楽しみにしている理由はユニークなビジネスモデルの企業が多いことが挙げられます。

今回はネット印刷のラクスルです。最初はよくある安売りのネット印刷の会社かと思っていたのですがある程度ひねった型のビジネスモデルになっています。自分で印刷するのではなく印刷会社約100社と提携して稼動状況を見ながら注文を割り当てる形です。印刷会社は空いた設備を利用できるので比較的安い価格でも受注が可能です。私が行っているビジネスモデル発想法講座では「事業化代行モデル」で、いわゆる「印刷会社の不稼働時間」を事業化することをラクスルはプロデュースしていることになります。これによって自前の設備を持たなくてプロデュースだけで大きなビジネスにしていくわけです。

以前は印刷会社の価格比較サイトという「マッチングモデル」であったものを品質改善にはつながらないと決意して大胆にビジネスモデルの転換を行ったのが勝因であったと思われます。普通だと現状のモデルの手直しといった形で対応しがちですが松本社長はビジネスモデルの転換を図ったわけです。当然、このビジネスモデルの裏には印刷会社の選定や稼働状況による割り振りの仕組みなど目に見えない血のにじむようなオペレーションの作りこみがあったと思われますが、そもそもビジネスモデルが陳腐だと成功の確率は大きく下がります。おそらく想像するに松本氏は戦略コンサル出身で様々なビジネスモデルの引き出しがあって、それをうまく当てはめられたのではないかと思われます。これは成功の秘訣としてビジネスモデルの当てはめがうまくいった好例かと思われます。

私のビジネスモデル発想法講座ではこのような成功するビジネスモデルを7種22分類のタイプ(前述の事業家代行など)に分類してどのような型を当てはめれば成功の確率が上がるか学んでいきます。戦略コンサルなみのビジネスモデルの引き出しを作ることができます。ご興味ある方は↓まで

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NTTデータが統合費用で特別損失 -悪いニュースか?

2016.11.18

NTT

日本経済新聞にNTTデータは先日ほぼ買収手続きを終えた米デルのITサービス部門で社内システムやブランドの統合費用として100億円前後の特別損失がかかると載っていました。プレスリリースもないままこのような情報がマスコミに漏れていいのか、11月4日の決算短信でなぜ全く触れていないのかなど多少突っ込みどころはありますが、この時点できちんと統合計画が固まっているのはまずまずのスピード感だと思います。

投資家目線でいうと買収価額やのれんがどの程度になるかなどが焦点となりますが経営者目線でいうと大切なのは統合になります。特にこのM&Aは旧ペローグループの事業で北米で顧客網を一気に獲得するというものです。私は営業が一件一件顧客を獲得するのに対してM&Aで投網で掬うように顧客を獲得する「営業タイプ(Sales Type)」M&Aと思っています。自分の事業の中に取り込む統合なのでPMI(買収後統合)は非常に大切なプロセスになります。システム、人事、その他ノウハウなど統合についてはできるだけスムースな統合も大切なのですが、スピードはより重要です。統合プロセスの過程はある程度の混乱は不可避なのでこの期間をできるだけ短くして収益や従業員の人心に与える影響を最小限にするのです。特に従業員は「大きな変化自体の不安」よりもどんな変化が将来起こるかわからないといった「どんな変化かわからない不安」の方が確実に心を蝕みます。

日本企業の場合相手の経営陣とゆっくり話し合って徐々に統合を進めるといったアプローチをとる企業も少なくはないですが、このような「営業タイプ(sales type)」は特にトップダウンで一気にPMIを素早く進めるのが成功の一つの秘訣と思われます。私が以前勤務していたGEではデューデリジェンスの終了時にはほぼどのようにPMIを進めるか青写真は完成していました。NTTデータのスピード感については細かい買収経過の内部事情を知らないのではっきりとは言えませんが、まずまずのスピード感で進めているのかと想像されます。

スピード感を持って行うためにはいわゆる資産やリスクの査定といった会計事務所や弁護事務所でのデューデリジェも大切ですがPMIをにらんだビジネスデューデリを会社側がおこなう必要があります。PMIについては現在も何社か手がけておりますが本来のビジネスデューデリが不足しているために後手に回っているケースがおおいです。価格算定と交渉に目が行きビジネスデューデリをほとんど行っていない企業も多く、そのころからアドバイスさせていただければ随分スピード感がでてくるのにと私などの現場サイドでは感じています。

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ベア実施要請に伴う違和感

2016.11.17

nenkou

安倍首相がベア(ベースアップ)を過去3年間並みにしてほしいと賃上げ要請をしています。賃上げと言っても年齢や勤続年数に応じて給与が上がる定期昇給と、そのベースとなる基本給全体をを底上げするベースアップがあり、安倍首相が要請しているのは後者の方です。経済学の考え方として労働者の所得として恒常所得(一般的な月額給与)と変動所得(ボーナスなど一時金)があるが消費は恒常所得の関数という見方があります。要するにお金を使う際にボーナスなどよりも定期的な賃金が上がった方が消費をする可能性が高いという仮説です。短期的、経済学的にはベア上昇、消費が増えて景気が良くなるというサイクルを想定しており考え方としては間違っていません。

一方で正規と非正規の社員の区分をなくすために同一労働同一賃金が叫ばれています。企業の感覚としては確かに非正規の人たちはその職務の割に安い賃金しか与えていない人が多いというのはあると思われますが、その一方で勤続年数や年齢が高いだけでその職務の割に高い給与を与えている社員も多数いるということも同時にあると思われます。これを達成するためにはそもそも現在のベースアップと単なる勤続年数、年齢による賃金表を大きく改訂しなければならないはずです。しかし、安倍首相の要請は現状の賃金表を維持を想定した発言ですから整合性は取れていません。

私の場合、会社員のころは外資系やベンチャー企業が長かったのでベアーや定昇という考え方とは無縁でした。外資系は実績を上げて昇格すれば昇給しますがそうでなければ上がりません。ベンチャーは役員だったのでそもそも業績が上がらないと極端な話報酬さえもらえません。ただ、自分の市場価値でわかっているのである程度どの企業に行っても一定の給与はもらえるので大きな不安はありませんでした。同一労働同一賃金とはそのような世界でいったんその波にうまく乗れればある程度の快適性はあります。一方自分のスキルがはっきりしない市場価値が不明な方は多分波にのれず残酷な世界になるかもしれません。特に40代後半以降の方は年功制でおそらく市場価値よりも高い給与をもらっている方が多数だと思われるので厳しい話かと思います。

ここ3~4年いい景気を謳歌したいのであれば現状維持が一番で安倍首相のベアーをあげようという方針は間違っていません。しかし長期的にはこの定昇・ベアーの仕組みがある限り転職はしにくいですし、同一労働同一賃金は不可能で正規と非正規の区別は永遠に縮まらないでしょう。多様性のある働き方というのは「社畜」から解放されて自由なのですが一方で「野生動物」となるので厳しい世界なのです。

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真田丸を深読みするー古い体質の企業 

2016.11.14

又兵衛

真田丸もいよいよ大坂冬の陣が始まり佳境に入ってきました。昨日は真田幸村の完勝で終わる痛快な回でしたが、徳川家康がにんまりと次の手とほくそ笑むあたりが何とも言えない感じででした。

さて、ネットなどでは『滅び行く豊臣家の体質が「うちの会社みたいだ」のような声が上がっている』記事をみました。豊臣秀頼はやる気のある2代目ですが、先代の配偶者で母でもある淀殿や大蔵卿などの古い番頭に逆らえません。人材はいないわけではないですが大野治長は多少優秀めだが線が細く、若手のホープ木村重成はまだ発言が重んじられる状況にはありません。織田有楽斎のような内通者はさすが企業にはなかなかいませんが、会社の衰退で火事場泥棒のように使い込みや業者との癒着など裏切り者の古参社員は結構出てくるものです。

こういった滅びゆく組織に共通しているのは排他性です。私の昔からの友人と少し前、飲みに行った際彼がこぼしていました。彼はあるメガバンクで長年働いていましたがある業績がぱっとしない上場企業の役員に出向になり転籍しました。小さいころからの付き合いなのでわかりますが誠実な人間で、このせっかくの縁ということで上場企業に骨をうずめるつもりで働いています。銀行からの出向者の中には「銀行の方を見て仕事をしている」池井戸潤さんの小説に出てくるようなタイプも本当にいるようですが彼は全然違います。会社行事なども必ず参加して溶け込もうとしているのですがいまだに「銀行さん」というレッテルで冷ややかに見る方が多いそうです。いわゆる真田幸村や後藤又兵衛のように牢人者と冷ややかに見られているのと一緒です。

古い体質の企業が滅ぶのは一つとしてこのような異質を受け付けない体質があります。この体質があるとだんだん退嬰的で金太郎あめ的な発想しか浮かばず、徐々に衰退していきます。ダイバーシティ(多様性)という言葉がありますが、それは本来は女性や外国人の登用すればいいわけでなく、こういった異質を排除する文化を取り除き、多様性を尊重する文化を築くことを指します。私が以前勤務していたGEはトーマスエジソンが創始者の100年以上続くきわめて古い会社ですがダイバーシティは徹底していました。買収も頻繁にしますが、日本企業でいう「対等の精神」は全くなく、基本的にはGEのやり方に従ってもらいます。しかし一方で従業員については「旧XX出身」のようなレッテルはなく、まったく対等で、買収された会社の従業員でGE本社の重役になる人も普通にいます。日本の合併会社にありがちな「対等の精神」はうたって妙に仕事のやり方などは両社のやり方がつぎはぎされて非効率的、しかし主導権争いは激しく負けた「旧XX出身」は一生冷や飯を食って全然うだつがあがらないなどということはないわけです。

こういった古い体質の会社で残念ながら自らの意志で変わろうとはしないものです。しいて言えば日本航空のように再生ステージで危機感が社内に充満している際くらいかもしれません。企業再生の際当然資金ぐりなども当然大切なのですが新しいダイバーシティ文化の構築も意外に大切なのです。

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AIは学生に進路指導できるか?

2016.11.11

AI2

今朝の日経でAIが大学(院)生に進路指導をするというニュースが出ていました。AIは過去の卒業生のデータとその学生の成績、希望の職業分野、趣味などを入れると進路を指導してくれるようです。ただ、過去の卒業生でわかっていることでわかっていることと言えば就職した企業と在学中の成績くらいであり、おそらくその卒業生がその企業で充実した生活を送っているかまではわからないはずです。私の勝手な想像ですが就職が成功しそうな企業を割り出せるにすぎないような気がします。最近「就職偏差値」という言葉も生まれ大学が有名企業の就職数を競うような状況があり、その一環と想像します。

就職は生活をするために必要なことではありますが有名企業に就職することが長い人生において正解とは言えない時代が到来しています。先日、ある大手外資系企業のトップの方とディナーをしていた際、子供の就職の話になりました。その方は日本の大手企業に入社後米国大学院をへて大手外資系企業の日本法人でトップまでいった方ですが、日本企業にいた時代は有意義であったが今は大手有名企業においては、ほぼそれはないのではないかと話されていました。彼もお子さんに特に大手有名企業に入社を特に勧めていないようです。我々(50代)が新入社員であったころは日本の大手企業といえどもよく言えばベンチャー的、悪く言えばいい加減なところがあり、逆にそれによって育てられた面があるということです。彼の場合は英語ができる人材がいなかったせいでいころにいきなりアジアに転勤、ほとんど本社の管理もないまま結構挑戦的なビジネスを行いそれが自分のベースになったと話していました。いまは発展途上国の赴任でも若手が思うままに力をふるえるようなことはなく、がっちり本社や中高年の上司が管理しているので海外赴任の面白さはあまりないようです。要するに日本の大手企業だと細部までかっちり管理されており、そんな中に若いうちに入ってしまうと言われたことをひたすら忠実にこなすだけの人間になり、40代くらいのマネージメントする年代には全く使えない人材になるのではないかと心配しているわけです。

やや「大企業」とひとくくりにして、すべて若いうちから能力の発揮機会がないと決めつけるのは皮相的だとは思いますが、早くから挑戦的な仕事をさせてくれる機会は我々が若かったころよりも着実に減少していることは実感として感じます。その中で大学は一流企業への就職数を競うのではなく、本当に自分の将来を考えるいい機会を与えてほしいものだと思います。

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大企業型残業とは何か?

2016.11.09

karoushi

最近残業時間を規制しようという動きが出てきています。実は一律な残業規制にはあまり賛成していません。よくベンチャーなどで創設期に寝袋を持ち込んで朝から晩まで仕事をしたというような話を聞きますが、そこで過労死をしたといく人を聞いたことがありません。非常に乱暴な議論かもしれませんが、人は目的にほぼ完全に理解して働いていれば長時間働いていてもさほど精神的に参るものではありません。ベンチャーなどは別に誰かに働けと命令されているわけではなく、自分の意思で長時間働いているわけで、残業は手段でしかありません。

大企業の場合は文化として残業が定着しがちで、残業はほぼ目的化しています。ある大手企業のある部署は毎日18時前になると出前表が配られるという話を聞きました。この部署の人によると暗黙の了解の定時は21時だそうで、出前表に名前を書かないのは非常にやりにくいという話でした。会議も普通に19時ころから行われ、全体的に疲れているので気が付けば22時などといういうこともよくあったようです。こういった文化になじめるのはとにかく言われることをしっかり着実にできる人たちです。近年なぜ過重労働かというと大企業と言えども同じことをやり続けるだけでは生き残れずどんどん新しいことが導入されるからです。しかし、真面目な人たちなので旧来やってきたことはほぼそのまま、そこに新しいことが積み重なりますからどんどん仕事が増えてくるわけです。

これは単なる一例ですが、ほとんどの大企業の残業は「仕事の断捨離」ができていないことに起因すると思います。大企業はブラック企業のようにもとから低賃金で働かせてその分を利潤として残そうと戦略的に考えているわけではないと思います。前の例はどちらかというと事務部門でしたが営業だと不要なサービスや利益を生まない顧客などがあります。不思議と残業が文化としての残っている職場は「仕事の断捨離」といった合理化に対して後ろ向きで、たいてい「そんなことを考えている暇はないです」という回答が返ってくることが多いです。ブラック企業の場合は本当に罵倒と搾取で肉体精神両面で人間が参っていくのですが、大企業型の場合はおそらく無駄だらけの中で無駄に残業していることにまいっていく型です。どちらかというと大企業型は物事を客観的・合理的に考える頭の良い方の方がはやくまいるかもしれません。

したがって大企業型の場合はどうせ他の曜日にしわ寄せがくる早帰りディではなく仕事の断捨離運動の方が効果があると思います。コンサルティングの一面としてこういった断捨離を推進する部分はありますので少し業歴が長くなった中小企業などでも効果が出ますね。

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シャープは復活するか -決算発表雑感

2016.11.02

シャープ

シャープが決算発表をしました。2017年3月期については連結最終損益の赤字が418億円と2016年3月期の2559億円から大幅に縮小する模様と発表しました。上半期の連結最終損益は454億円のマイナスですから下期はわずかながら黒字に転換するというシナリオです。

鴻海傘下に入ってから主な施策を見てみると成長戦略というよりも構造・体質改善に重心があったという感が強いです。子会社や拠点の統合移転、購買体制の見直し、信賞必罰の人事体制、ビジネスユニットごとの収益管理体制の強化と責任の明確化などがあげられます。成長戦略としてめぼしいものとしては有機ELへの投資くらいでしょうか。一般的にはシャープの凋落は液晶への過剰投資がよく原因として挙げられていますが、鴻海は基本的な利益を生み出すための仕組みに問題があると考えているようです。まず会社を筋肉質にしてそれから成長に乗り出そうというわけです。意外なのが人員削減は全然施策に入っていないことですが、いわゆるマクロ的に見た人件費はかなり減らし切ったとみていると思われます。一方で信賞必罰やそれに応じた給与体系を適用するなどミクロ的に鴻海の能力水準に達していない社員に対しては退職勧奨・減給をふくんだかなり厳しい扱いになるのではないでしょうか?

心配なのが上意下達で施策が決められているのではないかということです。シャープはもともと上意下達の社風と聞いていたのですが鴻海ももっと激しい上意下達と聞いています。人間の性質として「他人」が決めたものを実行すると無責任になりがちです。ありがちなこととして、施策が決められた状況と実際の状況が変わっても臨機応変に動けず、「上司の言う通りやっているのですが何かもんだいでもありますか?」といった体質になることです。ゴーン社長の下、日産が復活した理由の一つとしてトップダウンとボトムアップの組み合わせで施策が組まれたことがあります。このあたりどれだけ社員が施策に納得しているかによって成功の確率が変わる気がします。

ある程度緊急時は上意下達は必要ですが、時間はかかってもある程度コンセンサスをとっていく、リーダーが命令者ではなくファシリテーターとなる施策策定プロセスは最終的には効果が出るのが早い気がするのです。

 

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