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佐川急便の配送員が荷物を投げた理由 -人手不足と宅配業界

2017.01.04

sagawa

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。正月三が日の東京地方はうららかな暖かい日で気持ちの良い三が日でした。

日本経済新聞で新年から「断絶を超えて」という連載記事が載っています。この中で少子化による労働力供給の「断絶」が取り上げられています。15~64歳の生産年齢人口は1995年の8726万をピークに約1000万人減ったと述べています。この影響がたとえば、ハウス食品などの食品メーカーでトラックの運転手が確保できず納期に配達できない事態が続出しました。特に物流関係で身近に感じるのは宅配便で、最近遅配や雑な配送などが話題になっています。年末は佐川急便の配送員が荷物を叩きつけている姿がユーチューブにアップされ話題になりました。

私自身に起こったことですが、本来宅配で送られてくるはずの荷物が事務所の郵便ポストに投げ込まれている事態が起こりました。これは私が事務所を不在にしている際、ドアの中に不在票が入っていたのですが電話したところ荷物が行方不明でした。いろいろ調べた結果、どうやら郵便ポストの中に押し込まれていた書類は実は直接手渡しすべき荷物であったようです。また、別の運送会社ですが購入した書籍は不在票の電話番号にかけても誰もでず、指定した時間にWebで指定してもその時間に配達してくれず、再配達の不在票がそれから数日後ちょうど昼ごはんで事務所を離れていた全然関係のない時間にまた入っていました。年末年始はさんでいたこともありますが本は10日くらいたってもまだ手元には届きません。また、私の老親は頼んだおせち料理が配達されたのが夜10時近くだったと正月会った早々、かなり文句を言っていました。ちなみにこれはちょうど宅配便大手3社にばらけており特定の企業の体質の問題ではなく業界に内包する問題と言えるのではないでしょうか。

非常に宅配は便利ですがネット通販の普及で人手不足がかなり深刻になっているように推測されます。例えば業界最大手のヤマト運輸の売上はここ数年増収が続き1兆4千万に前期に達していますが、経常利益は670~700億のあたりでずっと行き来しており、増収分はほぼコスト増で埋め合わされており(まずまずの利益はあげていますが)利益なき繁忙といった傾向がみられます。おそらく佐川急便の荷物を投げた社員も、それ自体は許されない行為ですが配達する荷物は多い、不在も多いでかなり頭に来てしまったのでしょう。今後どのような傾向になっていくのでしょうか?

荷物の仕分けなどはおそらくテクノロジーの進化でかなり省力化は可能だと思いますが、やはり届ける部分はドローンで運んだとしてもインターフォンを鳴らしたり、不在票を置いていくのはおそらく難しく人手に頼らなくてはなりません。宅配便が例ですが日本も人手不足でサービスに対して適切なコストを負担するというのが必要になってくるのではないでしょうか?例えばアマゾンで配送料無料が主流となっていますがその配送コストはだれが負担するのでしょうか?現状はアマゾンが負担していますが、その部分はかなり安い配送料ということで運送会社が請け負う結果になっています。以前アマゾンの配送が佐川急便からヤマト運輸に移ったのですがこれは安い配送料に佐川急便が撤退したとネットメディア等で見た記憶があります。配送というサービスを受けているのは我々ですから本来は我々が負担しなければなりません(個人的には配送料有料は確かに避けたいとはおもいますが・・・)。宅配便の配送員の方で一番困るのは再配送で一定の割合で配送希望時間に不在な場合があるようです。これも本来希望時間にいないための再配送なのでそのコストは消費者側が負担すべきなのでしょう。

ちなみにアメリカなどは一般的にはサービスは粗雑で宅配の新聞などは平気で地面に置いてありますし、頼んだものが時間通りに来ればラッキーな感じです。しかし、一方それなりのお金を払えば同じ国とは思えないくらい素晴らしいサービスに出会えます。 宅配便が例なのですが日本はよく言えば「おもてなし精神」でサービスに対して適正な対価を払う習慣がなかったのですが、人手不足によりだんだんとコストに見合う対価を支払わなければならない時代が近づいてきたのではないかと思われます。

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2016年を振り返って -経営で目立ったこと

2016.12.28

idemitsu

 

昨年は東芝不正事件など会計不正に揺れた一年のような気がします。そして今年1年を振り返って個人的に目立った思うのは創業家と経営陣の対立だと思います。代表的なものとして出光興産、大戸屋、セブンアイホールディングスなどが挙げられます。いろいろな要素が新聞雑誌等で取り上げられていますがすべてのケースで創業家と経営側との感情的対立が根本的な原因な気がします。しかし、この中で出口が見えないのは出光興産のケースでしょう。創業家としては出光による昭和シェル石油のTOBを主張しており、合併には反対しています。理由としては「対等の精神での合併」により出光の創業者精神が薄れてしまうということが挙げられていますが、新聞紙上などでは創業家の影響力が合併により持分比率が下がり低下することを嫌がっているのではないかと伝えています。一般的な風潮としては上場会社なのに創業家である大株主が横車を押しているというイメージです。

私もこの出光のケースで真の創業家の意図はわかりません。ただ、真の意図がどうであれ、創業者精神といった企業理念の部分は守っていくというのは大切だと思っています。出光でいえば人間尊重や大家族主義です。ただ、例えば「家族」の考え方自体この理念ができた当時から大きく変わっているわけですからある程度時代に合わせた変化は必要と思います。しかしその根本は守っていく必要は企業として大切だと思います。M&Aで「対等の精神」という言葉がありますがもともと完全な対等は実現不可能です。今までの日本企業のM&Aを見ていると「たすき掛け人事」や様々なシステムなど仕組みをつぎはぎする、その過程で企業の理念も「社会に貢献する」といった漠然とした実態としては存在しないものになってしまうものが多く創業家の心配はうなずけます。本当に対等な精神で当たるべきなのは「出身母体に係らず優秀な人財は登用していくこと」だけでその他は優位な方が効率性なども考えどちらかに一本化していくのがあるべき姿と思います。

この点欧米系のグローバル企業の方が実はドライにさっと効率性で一本化する一方、人材の方は出身母体に係らず登用していきます。数年後の合併企業のトップが被合併企業の社員だったということも普通にあります。逆に日本企業は旧XXなどとレッテルが抜けきらず融合は合併会社になってから採用された社員がある程度の地位を占めてからといった非常に時間のかかるものが多かった気がします。また、派閥争いなどで旧XX出身は一生社内でうだつが上がらないといった寂しい結果になることも少なくはありません。こういった意味で人材の活かし方ではドライな欧米系の方が実は優しい結果に終わるという皮肉な結果になるわけです。出光創業家の「対等の精神」には反対というのは理解できるところはあるわけです。

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イメルトの下でGEはどう変革したか?

2016.12.16

imeruto

私が勤務していた頃のCEOはジャック・ウェルチ氏でかなり注目を浴びていましたが、ジェフイメルト氏に交代してからは、世間の注目度はそのころに比べると低い状態が続いていた気がします。しかし、最近とくにIOT(インターネットオブシングス;あらゆる物がインターネットにつながることによって新たなビジネスを生み出すこと)の先進企業や大胆な構造改革で注目を浴びているようです。

熊谷昭彦氏(現GEジャパン)の「GE変化の経営」(ダイアモンド社)ではその動きを内部の目で記述した本ですが、読後感として非常に懐かしさを覚えました。内容はGEにおける様々な変化が記載されていて、GEバリューと呼ばれているGEの社員が持つべき価値観も変わったのですが、確かに言葉は変わったのですがその根底に流れるものは維持されている感があります。そこが懐かしさを覚える原因ではないかと思います。

根底にあるとすぐ思い浮かぶのはスピード、人材に対する考え方でしょう。GEという企業はスピードというものに非常にこだわっていてそれを妨げるものはできる限りなくなくそうとします。そのために常に生産性を高く、できるだけシンプルにすることを常に心がけている気がします。この本の中でも再三シンプリフィケーション(簡素化)やプロダクティビティ(生産性)という言葉が出てきて懐かしさを覚えました。ベンチャー企業などでも少し規模が大きくなるとすぐに形式的な意味のない手続きがすぐに増殖する感がありますが、このような障害物に対するセンサーには非常にGEという会社は敏感でした。

人材に関する考え方でセッションCという人材評価の仕組みがなくなったということは驚きましたが、これも別に人材に関する考え方が変わったのではなく、セッションCの中で形式的な手続きが増殖してきてしまったので簡素化したようです。GEは非常に人を大切にする会社です。ただ、日本企業的な人に優しいわけではなくそこは米国企業なので業績を上げられない人間は去らなければなりません。ただし、GEの価値観に適合していない人間でない限り短期的な業績のみで判断することはなくある程度長い目で見て(とはいっても短期的業績も厳しく査定はされますが)、業績を挙げられるよう会社としても支援してくれる部分はあります。また、ポテンシャル(潜在能力)があると思われた人間には投資は惜しみません。

私もクロトンビル(米国のGEのトレーニングセンター)で研修を何度か受講させてもらい、残念ながらウェルチ氏やイメルト氏と直接話す機会はなかったですが(現在イメルト氏は直接話す機会を設けているとのことです)航空機部門の社長などのクラスの重役とは話す機会があり非常に印象深かった感は強いです。また、様々な国で経験を積ませることにも積極的で私も米国勤務ののち他のアジアの国々の機会も打診されました。

ただ、常に成果は求められ一般的な日本人(私もその範疇に入ると思います)には疲れる会社です。地位が上がればプレッシャーは強く、私もそれだけが理由ではありませんが5年でベンチャー企業に転職しました。ただ、財務部門の人間としては長い方です。そういった意味で20年以上も一線でやってこられた熊谷氏にはそれだけで正直に尊敬の念は覚えます。

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リストラを推奨する助成金があるのか?

2016.12.15

再就職

日本経済新聞で「働く力再興」という連載がされています。そのなかで厚生労働省のさまざまな働く人々のための助成金には非常に無駄や実際のニーズから離れたモノが多いのではないかと取り上げられています。特に労働移動支援助成金については2014年度300億円と前年度の150倍に増やしたようですが現在の執行率は7%と非常にさびしいものになっています。この助成金の目的を簡単にいうと業績の悪い会社から伸び盛りの会社へ転職できるような仕組みをつくり助成していこうというものです。内容は企業が雇用を維持できない状況になった場合、労働者を速やかに再就職させるため再就職支援を人材会社などに委託する、再就職のための訓練・グループワークなどを行うと一人当たり60万まで支給される助成金です。しかし、大企業については委託だけではだめで就職が実現するまで助成金が支給されないことになりました。

この助成金は新聞誌上などで「リストラ推奨助成金」などと叩かれました。理由としてはこの助成金は最終的には人材会社に流れ込むので人員削減、退職勧奨についてのコンサルティングとセットで営業活動を行う人材会社が続出したからです。そのため厚労省側も助成金支給の条件として企業側が退職コンサルティングを人材会社から受けていないことや従業員側が退職強要されていないことなどが条件となりました。

助成金について思うのですがやたらと数だけ多くて無駄が多いというのが実感です。そして助成金に対して頑張るのは業者で助成金ビジネスというのが一つの分野になっています。人材会社・コンサルティング会社・研修会社などが助成金が出るので「安く・またはほぼ無償で可能です」と様々な商品・サービスを売り込んでいます。自分などもそうなので残念なことなのですが自分の懐が痛むことは非常に慎重に考えますが、ただのものとか安価のものは「とりあえずやってみるか!」のような安易な気持ちでやってしまいます。そもそも企業で本当に必要なもの・サービスは費用対効果を考えて、たとえ非常に支出がかさんでも購入しますし、すべきです。少し極論ですが助成金で潤うのはこのような業者のような気がしてなりません。

助成金については非常に社会的意義が高いが、市場に任せておいたのでは実現が難しいものに集中したほうが良いのではないでしょうか?たとえば「障害者雇用助成金」ですが障害者の雇用などは社会的意義が高いと思いますが、確かにバリバリの市場メカニズムの中では特に知的障害者に雇用などは非常に実現が難しい問題となります(ただしこれも不正受給が横行して社会問題になっているようですがこれは制度設計の問題で考え方の問題ではないと思います)。

一方で労働移動支援助成金のように「助成金があるから自分の社員をどこかに再就職させるか!」という発想は健全な気がしません。私もお客様に必要だと思う商品・サービスがありそれに対して補助金や助成金があるならば勧めますが、「補助金・助成金があるからやりましょう!」という提案はしません。所詮補助金や助成金につられてやっても真剣度が低い気がして仕方ないのです。

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電通の社長の言葉から -残業ゼロの視点(その2)

2016.12.05

denntsu

 

電通が2日に「労働環境是正のために長時間労働が染みついた社員の意識改革活動を盛り込んだ労働環境是正策を発表したと、」土曜の日本経済新聞に載っていました。そのなかで象徴的な言葉が石井直社長の長時間労働の背景として「いかなる仕事も引き受ける体質があった」ということです。実はこれは電通だけでなく結構日本企業全般でみられることです。

私の業務で欧米系外資系企業が日本企業を買収した後の統合(PMI)があるのですが、その中でほぼ例外なく問題となるのが日本企業の例外処理の多さです。たいていその元は顧客(含む内部顧客=他部署)の要望に応えてというのがほとんどなのですが、いわゆる「いかなる仕事も引き受ける体質」がその根本にあります。必然的に例外処理を行えば手間はかかり、その分で労働時間は確実にかかることとなります。この手間の部分を顧客にきちんと転嫁できるならば実際に人手を増やせばいいだけのことなので問題がないわけですが、それができないのに要求にこたえると利益を削るかサービス残業するかどちらかですが、前者には限界があるので必然的に後者に頼ることとなります。

その点米系の成功している企業はペルソナマーケティング的な考え方(モデルユーザーであるペルソナに応えるような商品・サービスのみを提供しよう)がいきわたっている企業が多いです。プロセスは自社のペルソナのためにできており、基本的には例外処理を要求するような顧客はペルソナから外れます。ある程度のロットがあり、例外処理に伴うコストをきちんと負担してくれる顧客であれば対応することはありますが、そうでなければ平気でそのような顧客は切ります。自分の提供する商品・サービスの価値がわからない顧客は相手にしないというわけです。このあたりがはっきりしているので利ザヤはきっちり得ることができますし、当然むやみに残業は増えないわけです。

これは実は大企業だけでなく我々中小企業や個人事業主に当てはまることです。何でも仕事を受けているとやたらと労働時間が長くなってしまいます。自分のペルソナを定めてその顧客に絞っていればきちんとした利益を上げられ、やたらと長い時間働く必要はなくなるわけです。このあたり自分の胸に手を当てても「言うは易し行うは難し」ではあるわけですが・・・大切だと思われます。

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中小企業に対する銀行の姿勢は変わるか?

2016.12.02

mori

金融庁の姿勢が不良債権処理を重視する方向から金融機関の顧客重視の体制づくりに主眼が移っているようです。主として金融機関に対し投信などを顧客の視点ではなく手数料重視で販売するような姿勢や、担保・保証に偏ったような融資の姿勢を批判しています。後者については金融庁では平成26事務年度 金融モニタリング基本方針に、「事業性評価に基づく融資等」が盛り込み、この中で、「金融機関は、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し(「事業性評価」)、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していくことが求められる。」と明記されました。

金融庁の森長官はかなりこの事業性評価融資が遅々として浸透しない現状にかなりいらだちを隠せないようで、「地銀は現状のような担保保証重視で中小企業を育てられないようでは存在意義はない」といったような趣旨の発言もされているようです。私も個人的に事業性評価融資については興味を持ち、公認会計士協会東京会の中小企業支援委員会のメンバーとして金融機関等にヒアリングをしたのですが本部サイドでも「金融庁がプッシュするのでやらないとね・・・」といった感じであまり熱心な感はありません。金融機関の言い分だと中小企業だと所有と経営の分離が図られているわけではないので担保・保証がないと怖くて貸せないというところがあります。確かに、「内部留保よりも税金払わないために私的に経費使ってしまえ」というような姿勢の中小企業は正直多く、このあたりは確かにうなずけます。このあたり我々税理士も中小企業の顧問として、やたらと節税だけ勧めるのではなく将来の企業の成長をにらんだお金の使い方をきちんとアドバイスすべきだと反省する面はあると思います。中小企業側もきちんとした事業計画を作ってアピールするような努力が一方で必要だと思います。このあたり、まだ経営者自身の保証はまだ残りますが事業計画でアピールすることにより少額であれば第三者保証はなしでお客様が融資を得るなど個人的には少し成果は出てきました。

一方で銀行の個人評価の問題もあります。友人などからの又聞きではありますが、相変わらずの減点主義で事業性評価融資などという新規なことをやったプラスよりもそれが失敗した際のマイナスの方がはるかに多く、まずできないよねというのが現状なようです。こっちの方は、かなり根が深い問題で個々の人事評価体制の問題なので何とも口の出しようがありません。しいて言えば、どこかベンチマークとなるような成功例が出てくれば良くも悪くも銀行業界横並びなので一気に進む気はします。このあたり自分も貢献できるところがないか模索中です。

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お役所仕事に学べー残業ゼロのための一つの視点

2016.11.30

お役所

長時間労働をなくそうという動きが政府民間を通じて盛んになってきました。ただ、長時間労働を取り締まる側の厚労省自体が霞が関では長時間労働で有名なので皮肉な感じがします。そこで一つの視点として長時間労働が多いと言われるサービス業をみて行きます。しかし、実はサービス業でもほぼ定時に終わり休日出勤もほぼない模範的なところがあります。それはお役所の窓口関連です。夕方5時過ぎに区役所などに所要で行くとほぼこのあたりの部署は誰もおらず真っ暗です。

ひとつの大きな理由として役所の仕事というのは極めて定型化させて例外をほぼ許さないことがあるといえます。悪くいうと融通のきかない「お役所仕事」ですが、よく解釈すると「効率化を追求した仕事のやり方」と言えます。長時間労働を生み出す仕組みの一つとしてイレギュラー(例外)処理があります。私の仕事で外資系企業が日本系企業を買収して統合する際に思うのは日本企業の例外処理の多さです。よく言えば融通が利くのですがいろいろな顧客や他部署の意見を取り入れすぎると例外処理だらけになって効率が落ちます。このあたり欧米系グローバル企業はばっさり切り捨てますから私の仕事も親会社のフローに載らないプロセスはどのようなものがあるのか、悪い影響を最低限に抑えてどのように切っていくのかが重要な業務になります。管理職の「捨てる能力」が残業を減らすために必要なのではないかと思われます

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ラクスル -ビジネスモデルでユニコーンに

2016.11.21

ラスくる

日本経済新聞で日本のユニコーンという記事が週一回連載されていて私は楽しみにしています。ユニコーンとは本来おとぎ話に出てくる一角獣ですがビジネス用語では株式時価総額10億ドル(約1100億円)以上の未上場企業を指す言葉でシリコンバレーのVC(ベンチャーキャピタル)の間で発祥した言葉です。楽しみにしている理由はユニークなビジネスモデルの企業が多いことが挙げられます。

今回はネット印刷のラクスルです。最初はよくある安売りのネット印刷の会社かと思っていたのですがある程度ひねった型のビジネスモデルになっています。自分で印刷するのではなく印刷会社約100社と提携して稼動状況を見ながら注文を割り当てる形です。印刷会社は空いた設備を利用できるので比較的安い価格でも受注が可能です。私が行っているビジネスモデル発想法講座では「事業化代行モデル」で、いわゆる「印刷会社の不稼働時間」を事業化することをラクスルはプロデュースしていることになります。これによって自前の設備を持たなくてプロデュースだけで大きなビジネスにしていくわけです。

以前は印刷会社の価格比較サイトという「マッチングモデル」であったものを品質改善にはつながらないと決意して大胆にビジネスモデルの転換を行ったのが勝因であったと思われます。普通だと現状のモデルの手直しといった形で対応しがちですが松本社長はビジネスモデルの転換を図ったわけです。当然、このビジネスモデルの裏には印刷会社の選定や稼働状況による割り振りの仕組みなど目に見えない血のにじむようなオペレーションの作りこみがあったと思われますが、そもそもビジネスモデルが陳腐だと成功の確率は大きく下がります。おそらく想像するに松本氏は戦略コンサル出身で様々なビジネスモデルの引き出しがあって、それをうまく当てはめられたのではないかと思われます。これは成功の秘訣としてビジネスモデルの当てはめがうまくいった好例かと思われます。

私のビジネスモデル発想法講座ではこのような成功するビジネスモデルを7種22分類のタイプ(前述の事業家代行など)に分類してどのような型を当てはめれば成功の確率が上がるか学んでいきます。戦略コンサルなみのビジネスモデルの引き出しを作ることができます。ご興味ある方は↓まで

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NTTデータが統合費用で特別損失 -悪いニュースか?

2016.11.18

NTT

日本経済新聞にNTTデータは先日ほぼ買収手続きを終えた米デルのITサービス部門で社内システムやブランドの統合費用として100億円前後の特別損失がかかると載っていました。プレスリリースもないままこのような情報がマスコミに漏れていいのか、11月4日の決算短信でなぜ全く触れていないのかなど多少突っ込みどころはありますが、この時点できちんと統合計画が固まっているのはまずまずのスピード感だと思います。

投資家目線でいうと買収価額やのれんがどの程度になるかなどが焦点となりますが経営者目線でいうと大切なのは統合になります。特にこのM&Aは旧ペローグループの事業で北米で顧客網を一気に獲得するというものです。私は営業が一件一件顧客を獲得するのに対してM&Aで投網で掬うように顧客を獲得する「営業タイプ(Sales Type)」M&Aと思っています。自分の事業の中に取り込む統合なのでPMI(買収後統合)は非常に大切なプロセスになります。システム、人事、その他ノウハウなど統合についてはできるだけスムースな統合も大切なのですが、スピードはより重要です。統合プロセスの過程はある程度の混乱は不可避なのでこの期間をできるだけ短くして収益や従業員の人心に与える影響を最小限にするのです。特に従業員は「大きな変化自体の不安」よりもどんな変化が将来起こるかわからないといった「どんな変化かわからない不安」の方が確実に心を蝕みます。

日本企業の場合相手の経営陣とゆっくり話し合って徐々に統合を進めるといったアプローチをとる企業も少なくはないですが、このような「営業タイプ(sales type)」は特にトップダウンで一気にPMIを素早く進めるのが成功の一つの秘訣と思われます。私が以前勤務していたGEではデューデリジェンスの終了時にはほぼどのようにPMIを進めるか青写真は完成していました。NTTデータのスピード感については細かい買収経過の内部事情を知らないのではっきりとは言えませんが、まずまずのスピード感で進めているのかと想像されます。

スピード感を持って行うためにはいわゆる資産やリスクの査定といった会計事務所や弁護事務所でのデューデリジェも大切ですがPMIをにらんだビジネスデューデリを会社側がおこなう必要があります。PMIについては現在も何社か手がけておりますが本来のビジネスデューデリが不足しているために後手に回っているケースがおおいです。価格算定と交渉に目が行きビジネスデューデリをほとんど行っていない企業も多く、そのころからアドバイスさせていただければ随分スピード感がでてくるのにと私などの現場サイドでは感じています。

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ベア実施要請に伴う違和感

2016.11.17

nenkou

安倍首相がベア(ベースアップ)を過去3年間並みにしてほしいと賃上げ要請をしています。賃上げと言っても年齢や勤続年数に応じて給与が上がる定期昇給と、そのベースとなる基本給全体をを底上げするベースアップがあり、安倍首相が要請しているのは後者の方です。経済学の考え方として労働者の所得として恒常所得(一般的な月額給与)と変動所得(ボーナスなど一時金)があるが消費は恒常所得の関数という見方があります。要するにお金を使う際にボーナスなどよりも定期的な賃金が上がった方が消費をする可能性が高いという仮説です。短期的、経済学的にはベア上昇、消費が増えて景気が良くなるというサイクルを想定しており考え方としては間違っていません。

一方で正規と非正規の社員の区分をなくすために同一労働同一賃金が叫ばれています。企業の感覚としては確かに非正規の人たちはその職務の割に安い賃金しか与えていない人が多いというのはあると思われますが、その一方で勤続年数や年齢が高いだけでその職務の割に高い給与を与えている社員も多数いるということも同時にあると思われます。これを達成するためにはそもそも現在のベースアップと単なる勤続年数、年齢による賃金表を大きく改訂しなければならないはずです。しかし、安倍首相の要請は現状の賃金表を維持を想定した発言ですから整合性は取れていません。

私の場合、会社員のころは外資系やベンチャー企業が長かったのでベアーや定昇という考え方とは無縁でした。外資系は実績を上げて昇格すれば昇給しますがそうでなければ上がりません。ベンチャーは役員だったのでそもそも業績が上がらないと極端な話報酬さえもらえません。ただ、自分の市場価値でわかっているのである程度どの企業に行っても一定の給与はもらえるので大きな不安はありませんでした。同一労働同一賃金とはそのような世界でいったんその波にうまく乗れればある程度の快適性はあります。一方自分のスキルがはっきりしない市場価値が不明な方は多分波にのれず残酷な世界になるかもしれません。特に40代後半以降の方は年功制でおそらく市場価値よりも高い給与をもらっている方が多数だと思われるので厳しい話かと思います。

ここ3~4年いい景気を謳歌したいのであれば現状維持が一番で安倍首相のベアーをあげようという方針は間違っていません。しかし長期的にはこの定昇・ベアーの仕組みがある限り転職はしにくいですし、同一労働同一賃金は不可能で正規と非正規の区別は永遠に縮まらないでしょう。多様性のある働き方というのは「社畜」から解放されて自由なのですが一方で「野生動物」となるので厳しい世界なのです。

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