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中小企業の後継者問題3つの視点

2017.02.08

koukeisha

2月6日月曜日箱崎のロイヤルパークホテルにて公認会計士協会東京会主催で中小企業コンベンションが開催され、中小企業関連団体との交流が図られました。私は企画チームで主にコンテンツ企画を中心に行い、パネルディスカッション中小企業の後継者問題を取り上げました。その過程で3つの点で考えさせられるものがありました。

1つ目はどうしても後継者問題というと事業承継でかつ事業を親から子供への視点が強すぎる面があります。昨年6月に日本経済新聞で中小企業の社長の平均年齢は66歳と出ていて、なんとなく意識にはあったもののいざ聞くと結構衝撃的な数字です。後継者がいない企業をどうするか、主に従業員が継ぐ、M&Aのような形で売却、廃業するの3つの選択肢がありますが、この分野について積極的に関与している専門家というのは非常に少なく公的機関がかろうじて少しずつ動き始めた面があります。このあたり会計士(税理士)、弁護士直の専門家、そして公的機関(なぜならば採算にはのりにくいので)の3者の連携が大切かと思われました。

2つめとして事業承継に目を向けた際に、株価対策などの相続税対策で安心してしまうケースが多いということです。これは企業の顧問である我々税理士も反省しなければならないことですが、節税だけ提案すれば会社のためになるわけではありません。例えば、株式が相続により全然事業にタッチしていない親族などに分割されて増配要求など無駄な労力を費やす羽目になったケースや後継者教育をしていなかったために従業員が離反してしまうなどのケースがあるようです。統合した事業承継アプローチは必要だと思います。

3つ目は廃業の問題で借金+経営者保証があるため変に廃業すると経営者は家屋敷を取られて6畳一間のアパートで夫婦で寂しく老後を暮らすといったことになう可能性があることです。このあたり、まだ経営体力が残っているうちに私的整理などである程度最低限の生活を守りながら円満廃業する方式がもう少しあっても良いかと思います。このあたり弁護士の敷居の高さが少しあり頼みにくいという面はあるでしょう。そういった意味で東京弁護士会のコンシェルジェが得意分野の弁護士を紹介する中小企業法律支援センターなどは素晴らしい取り組みだと思いました。中小企業庁などでは経営者保証ガイドラインを出して、廃業の際に身ぐるみはがれないような仕組みの構築を開始しています。しかし、ほとんど家計と経営が一緒になっているような状況では簡単に金融機関も債務(一部)免除などもしにくいとは思います。その意味では顧問税理士も一定規模以上の金融債務があり家族以外の従業員がいるような企業に関しては明らかな公私混同の経費の使い方には苦言を呈してよいのではないかと思われます。

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外国人社員を雇うために考えておかなければならない2つのこと

2017.02.06

gaikokujinn

トランプ大統領の移民排斥の姿勢に世界各国の首脳から非難の声があがっています。しかし、日本の安倍首相はこの件に関してだんまりを決め込んでいます。一部の野党議員や新聞は安倍首相のこの姿勢を批判していました。私も個人的にはこのトランプ大統領の姿勢には怒りを覚えますが、日本が国として非難するようなことを言えば大ブーメランにしかなりません。例えば難民にしても日本は2015年に昨年の2倍以上の認定数でしたがなんと27人です。7500人程度申請してですから、とてもトランプ大統領を非難できません。

日本企業で足りない人員は何かと考えてみるとまず思い浮かぶのは製造業、運輸・建設、飲食・小売の分野です。比較的低賃金で人手不足に苦しんでいます。この分野の特徴は高度な日本語能力は必要なく、外国人側が日本語を覚えることです。多少一緒に働く日本人は相手のたどたどしさにイライラ感を持つことはあるかもしれませんが、自国語の優位性があって変な劣等感を日本側が持つことはありません。経営側としては比較的この層の外国人は使いやすいと言えます。ただ、景気の波に左右されやすい業種が多いので失業者が大量に出て社会不安になる可能性は多いです。

一方高度人材の移民はどうなのでしょうか?もし、日本にある程度の数の高度人材を雇うとなれば、おそらく日本側が世界のビジネス共通語になりつつある英語を学ぶこととなるでしょう。私の個人的体験ですがほぼ社内語が100%英語の世界でいろいろな世界の人々と働くことが快適かというとそうではありません。自分の英語能力の問題は当然あるのですが、やはり聞き落しがあったり、話したいことが伝わらずかなりイライラ感はあります。長くいるとなんとなくその環境にも慣れてくるのですが前者とは逆に軽い劣等感は覚えます。今の日本の英語教育のレベルで高度人材を入れても活躍できる分野は極めて限られてしまうでしょう。

息子の学校では英語イマージョンのクラス(例えば英語で化学などを教える)がありますが、あまり人気がないそうです。やはり単位を取るのが難しくて推薦入試などに不利になるからだそうです。彼はその科目にチャレンジするようですが親としても少し迷いました。比較的進んだ学校(中学でほぼ全員英検2級レベル以上)でもそうですからまだまだ日本の英語教育の道は遠そうな気はします。

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中小企業のための残業時間を減らす3つの方法

2017.02.03

karoushi

 

 

新聞紙上で残業時間を上限時間80時間とか月平均60時間に規制すると言われています。どれだけ効果があるかとこれを機にビジネスや社内体制の仕組みの改善に乗り出す企業が増えれば効果的ですが機械的に「早帰り」や「残業の禁止」などを企業でやっても、近所のカフェが夜に妙にサラリーマンでいっぱいに・・・といった事態になりそうです。

さて残業を減らすにはどうすればよいのでしょうか?残業もベンチャーなどで急成長を続けているステージでは減らすのは難しいです。しかし、業績も安定して飛行機でいえば少し安定航行に入った際には、理念に共鳴した創業メンバーだけでなく普通の人も多く加わっていきます。そして不思議なことに安定航行に入ったところでどんどん無駄なものが増えてきて人が増えても不思議と残業は減りません。そのあたりの話をしたいと思います。

1つとしては顧客の見直しです。成長段階はとにかく仕事が欲しいので、とにかく顧客を取っているケースが多いです。残念ですがその中にはやたらとクレームが多い割には値段を叩くなどする顧客が少なからず交っています。こういった方はあなたの会社の商品・サービスに価値を見出していないか単に強欲なだけかどちらかです。どちらにせよこのような顧客と付き合うと単に利益が出なくて手間がかかるだけでなく、担当者の精神を蝕んで生産性を確実に下げます。また、このような顧客の要求にこたえるためにどんどんプロセスが複雑化して労働時間を増やす原因になります。こういった顧客は思い切って整理することが大切です。私も一度経営危機に落ちいった企業で社長にこのプロジェクトを提案し行いましたが、これを行い1年くらいで業績はV字回復、残業も減るといったいいことづくめでした。

2つ目は社内資料のスリム化です。これは量だけでなく無駄な品質もそぎ落とすことにあります。会議資料は極めて簡潔にまとめることを徹底させます。残業が増えることの要因に社内資料にやたらと凝る管理職の存在があります。細かく資料つくりを要請し、フォントをそろえろとか色味を代えろなどは(教育目的なケースは別ですが)一般的には残業を増やすだけです。

3つ目は無駄な会議の撲滅です。これは現在でもよく言われていることですがもう少し言うと「アジェンダとゴールのない会議はさせない」です。ゴールとはこの会議が終わって参加メンバーが達成すべきことです。そしてアジェンダはゴール達成のためのプロセスと整合性がないといけません。例えば営業会議でゴールが2月の販売戦略の決定でもそれを1からつくるのか現状の延長で例えば「チャネル別にどのようにしていくか」などによってアジェンダは全く異なるはずです。このあたりが事前にある程度決まっていないとどんどん会議は迷走してしまいます。また、ゴールは必ずどこかに書いておいてずれたら必ずそこに戻ってくるように気を付けておくことです。要するに少し準備に時間をかける(と言っても無駄に分厚い資料を用意するのではなく)ことで随分会議は効率的になります。

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中小零細企業と金銭払い解雇

2017.02.01

JAL

厚生労働省の有識者検討会は30日、裁判で不当とされた解雇を職場復帰ではなくお金で救済する「金銭解決制度」の導入に向けた本格的な議論を始めたと日本経済新聞に載っていました。確かに裁判で不当解雇とされても職場に戻れるかというと、戻れても非常に居心地は悪く、それならば金銭で解決して次の仕事を見つけようというのがこの趣旨だと思います。また、中小零細企業の従業員だと社長の「お前は首だ。明日から来なくていい」と言われて下手をすると30日分もらえる解雇予告手当さえもらえない泣き寝入りも多くあると思われるのでその解決になるかと思われます。

大きな論点は金銭払い解雇の是非もあるのですが、この制度を企業側からの申し立てで適用できるか、解決金の相場(上限下限を設けるか)、国籍・信条による解雇を認めるかです。大企業と中小零細企業では状況が違うので今回は中小零細企業の見地から見ていきます。中小零細企業の現場では企業によって大きく差がありますが、基本的には裁判所的な見地での「不当解雇」は普通に行われている感があります。ブラック企業は大企業だと電通のように叩かれますが、実は電通の下にもっと労働条件の悪い中小企業である広告制作会社が多くあります。一方裁判所感覚の「不当解雇」の範囲は非常に広いという感はあります。例えば一度大阪地裁で会社更生法を申請した日本航空で解雇された従業員について人選が適当でないということで解雇無効判決を一度出したように(高裁で逆転判決)「裁判官の社会通念」はかなり一般と異なる感は強いです。非常に中小零細企業と裁判所との通念の差は大きいというのが実感です。

中小企業は社員一人の力は大きいので逆に言えば問題社員は辞めてほしいでしょう。また、裁判官の感覚で整理解雇を待っていたらまず倒産です。一方でブラック企業のように従業員を低賃金で酷使し体調を崩したら即解雇といった企業は中小零細にも多く存在します。労働法規に対する遵法性は一般論としては大企業より低い会社が多いというのがおそらく実情でしょう。そういった中でのギャップをどう埋めていくかというのはこの金銭払い解雇の導入の問題点でしょう。私としては中小零細企業側も社会保険労務士や労働法に強い弁護士のアドバイスなどを受けてきちんと労働法規を理解するとともに、裁判所ももう少し中小零細企業の実情を理解して今後の法の運用を考えてほしいものです。おそらくこれは判例の積み重ねといったある程度の時間が必要かと思われます。

根本は中小零細企業で解雇しなくても良いように問題社員を生み出さない、業績は悪化する前に早く手を打つ経営だと思いますが。経営相談、お問い合わせ等は↓まで

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好調な大東建託とアパート建設ブームの不都合な真実

2017.01.25

daitou

今日の日本経済新聞でアパート建設・不動産管理の大東建託の業績好調が伝えられています。4~12月の経常利益が1000億を超えた模様です。この要因の一つとしてはフローとストックをうまく組み合わせた巧みなビジネスモデルにあると思います。フローの部分はアパート建設で正式に発表されている第2四半期累積でこの部分で2951億の売上に454億の営業利益、ストックの部分は一括借り上げによる賃貸運営でその部分で3826億の売上に138億の営業利益と両方のビジネスがあります。賃貸運営についても借り上げに伴う家賃収入もありますが、営繕や家賃保証など幅広くキャッシュポイントを設けているところが巧みです。

業績の好調については新聞紙上などでも言われているように相続税対策によるアパート建設は大きな要因であると思われます。特に遊休土地を持っている地主さんの場合アパートを建てると土地の評価額は50%以下には普通下がり、建物部分は借入金と相殺されますので実質的に評価はゼロになります。アパートは大東建託などの業者が一括借り上げしてくれます。アパートオーナーは収益物件ができて相続税が安くなる、建設業者は建築とサブリース業で儲かる、銀行は貸付利息が入るで三方両得に見えます。しかし、リスクの配分を見ると明らかにオーナー>銀行>アパート建設・運営業者です。アパート建設業者はほぼ確実に銀行借り入れで入金してもらいますし、サブリースで賃貸収入のさやは抜けます。銀行は担保があるのでほぼ回収は確実です。しかし、一括借り上げといってもアパートは古くなってくると当然賃料は下げなくてはならないですし、改修費など支出が増えます。将来キャッシュフローに一番安定性がないのは実はアパートオーナーです

アパート建築の主な担い手はいわゆる経営者ではなく一般の地主さんです。どこまでこの不都合な真実を知ってアパートを建設しているのでしょうか?別にアパート建設が間違っているとは申し上げませんが目先の相続税の節税におどらされると痛い目に合うと思います。私の税理士の立場としては少なくとも目先だけの安易な節税を勧めることは慎まないといけないと思います。

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東芝問題の根源は何か?

2017.01.23

WH

東芝の原子力子会社であるウェスチングハウス(WH)が2015年末に買収したシカゴブリッジ・アンド・アイアン(CB&I)から買収した原子力サービス子会社(S&W)の買収価額でのれんの評価が最終的に確定したところで数千億円の損失を計上する恐れが出てきたと昨年末発表がありました。新聞紙上などでは5000億円を超える、または7000億円にのぼるという話が出ています。

この問題で不思議なのはこの損失をすべて東芝が負担する点です。巨大企業であると買収までにデューデリジェンス(買収価額の査定)をするものの、本格的な査定には時間がかかることはあります。しかし、大きな買収でよくあるパターンは買収時にある程度金額は決めていても最終的な査定までかなりの金額は保留して査定の結果価額が大幅に下がる際はその支払いを保留または減額するです。ニュースをたどるとS&Wに対してその損失を補てんするような契約が存在しているというものもありますがはっきりはしませんし、少なくとも東芝のプレスリリースではそのようなものはありません。

もう一つとして、確かに正式な発表まで時間がかかるのは確かですが、数字の大まかなものについては数か月で判明するはずです。いまだ1年たっても数千億円などという大まかな発表しかできないのは非常に不思議で隠蔽しているのではないかという疑問は強いです。

どんな企業でも「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」というシーザーの言葉にあるように嫌な現実から目をそらせる力が常に発生します。私の経験でも日本企業でも欧米企業でも悪い情報を握りつぶそうという経営幹部は必ず存在していました。ただ、本当に一流企業と言われる企業はその人間の性質に正面から目を向けて防ぐような仕組みが必ず存在していました。代表的なものとしては内部監査があります。一般的な日本企業だと(失礼と聞こえるかもしれませんが)J-SOX(内部統制報告制度)にしたがって非常に形式的な監査を行う部門か、左遷された元管理職が重箱の隅をつつくような指摘を行う部門が多い気がします。本当の一流企業だと内部監査は経営陣の耳目となる部門で将来の経営幹部候補が必ず通るような部署です。CEOやCFOなどの経営幹部も内部監査部門からあえて耳の痛い提言を求めています。内容もJ-SOXのような形式なものだけではなく広く業務の効率性、リスクマネージメントを含めて統括しています。おそらく東芝の場合このような耳の痛い話を経営陣に行う仕組みが存在していないのではないかと思われるわけです。(誤解のないように説明するとJ-SOX自体が形式的なのではなくその仕組みを形式的に運用しようとする企業や公認会計士を含む監査人が多いことは確かです)

どんな企業でもついつい都合の悪い情報は隠すという力が働きがちです。それを防ぐような仕組みは常に考えておく必要があるわけです。急成長企業などでもこのあたり目配りができない企業が多いのは残念です。私もこのような内部監査部門の構築支援などもしていますが、外資系企業はともかく日本企業からは声はかかりませんね。

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なぜ欧米企業は時短ができるかの冷たい現実

2017.01.18

残業

働き方改革にむけて春季交渉に向けて経団連で指針が出たようです。その中では時短を推進し残業代の減少を基本給で補う、配偶者手当を廃止してその分を子育て世代へに支援に回すなどです。別に間違った方向とは思いませんが根本的な改善にはならないだろうというのが実感です。

主としてホワイトカラーの仕事ですが、そもそも補助的な事務(たとえば秘書業務や総務的な仕事)を除いて欧米企業はほとんどいわゆるホワイトカラーエグゼンプション、ざっくりいうと年棒制で残業なしの形態です。したがって、残業代を稼ぐために残業しますといった誘因は全く働きません。その結果、はっきりと二つの層に分かれてしまします。ある程度決まった範囲をきっちりやるだけで昇進・高報酬をあきらめるか、どんどん挑戦して昇進・高報酬をめざすかです。前者は時間的にはゆとりがある生活ができますが、後者ははっきり言って生産性も高いうえに長時間労働も当たり前です。当然前者の方が多数ですから全体としてみると欧米企業の方が長時間労働していないように見えます。ただ、前者の場合ゆとりはありますが年功序列で給与が上がるようなことはないですから夫婦共働きでやっと生活が成り立つといった感じです。ですから女性の方もパートとかではなく男性と同等に働いていますし、働かないと成り立ちません。それもあって男女差別などがあったら世の中成り立たないわけです。

もう一つのポイントですが、欧米系の場合は業績が悪くなった際、業績不振部門を売り払ったり、レイオフすることは日本と比べると容易です。日本企業の場合、業績が悪くなったと言って簡単に解雇できませんから好況で忙しくなっても残業で乗り切るという面があります。一方、欧米系の場合は特に決まったことしかやらない層は原則残業しないので増員しないとそもそも経営が成り立ちません。個人的には安易に好不況で解雇、採用を繰り返すのは企業経営のやり方として賛成できず欧米系でもそのようなことはしない会社はありますが。

まとめると、欧米系時短を目指すならばにはホワイトカラーエグゼンプションの導入、年功序列賃金の廃止、解雇規制の緩和の3点セットが必要なことになります。残念ですが、短い時間で生活に余裕ができるほど給与がもらえ一生安泰で働けるみたいな美味しい現実は世界中どこにもないということです。

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企業の休廃業・解散最多は悪いニュースか?

2017.01.16

廃業

2016年に休業・廃業したり解散したりする会社の数が2万9500件を超え過去最多を更新する見通しになったと東京商工リサーチの調査でわかったもようです。休業・廃業は倒産とはちがい資産が負債を上回る資産超過の段階で事業を停止することをいいます。したがって、言い換えればまだ余裕のある段階で事業を止めていくということです。主な理由として日本経済新聞では三菱総合研究所の方にコメントを求めていて、要するに財務の問題ではなく人手不足や後継者不在が原因なようです。これは傾向としてまずいことなのでしょうか?

その休業・廃業の中身を詳しく見ているわけではないのでわかりませんが、個人的経験からすると将来的に魅力のある仕事であれば後継者は現れますし、人もどんどん集まってくるはずです。将来的に魅力のない、成長が見込めない仕事であることが大きな要因である気がします。一つの身近な例で正直に申し上げると顧客で苦境に合った企業なのですが立ち直りの要因は(おそらく私のアドバイスよりも)同業者が廃業したため受注が増えたためというケースがありました。特に下請け体質で過当競争にある業界などはある程度の退出はむしろ必要なのではないかと思われました

私はこの件においてはどちらかというと、本当はやめたいが借金があって止めると身ぐるみはがれてしまうとか従業員が路頭に迷うなどで仕方なく営業を続けている会社がある方が問題かもしれないと思っています。少しいい方は悪いのですが前者の場合は安楽死の仕組み―金融機関などが一定額を債権放棄して経営者が引退した後老後暮らせる程度の財産が残る仕組み、後者は零細企業のM&Aなどが考えられるでしょう。一応後者は中小企業関連の公的団体等が始めてはいるようですがまだ認知度は低そうです。前者もある程度金融庁や中小企業庁も考えているようですがまだ具体化までの道のりは少し遠そうです。このあたり個人的には弁護士さんなどと勉強会をして方策を提言しようとしています。

実は退出はある程度やむを得ないと言いましたが、起業などでの参入があることが前提です。古い産業から新しい産業に移る一種の新陳代謝があることが必要です。一方で起業が増えるよう、魅力的であるよう支援していきたいと思っています。

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ベンチャー経営者のiPS細胞山中教授

2017.01.11

yamanaka

日経トップリーダーの新春特別企画でトップに載っていたのがノーベル医学賞受賞の山中教授だったので最初は違和感を感じました。京都大学の教授でノーベル医学賞受賞の方ということで、私の勝手なイメージとしては著名学者を輩出している名門一族のエリートで順調に研究者としての道を上ってきた学者の方だと思ったからです。しかし、記事を読むと実家も小さなミシン部品工場で業績が悪化したこともあり決して裕福な家庭ではなかったようです。そして整形外科医で神戸大学医学部卒業後、指導医からは手術に時間がかかりすぎ「ジャマナカ」とあだ名をつけられ叱責される日々が続いたそうです(今でしたら完全なパワハラと思いますが)。米国でポスドク(博士研究員)として過ごし帰国したのち、日本の劣悪な研究環境に悩みながら研究場所を探して応募するもことごとく不採用でようやく奈良先端科学技術大学院大学で採用されるといった不遇の時代も長かったようです。

こういった順風満帆でないあたりが、現在京都大学iPS細胞研究所(CiRA:サイラ)の所長になって500人近くを率いるようになってからも生かされている気がします。研究所内の壁や仕切りを取り払い研究者どおしが自由に話せるオープンラボ方式を導入したり、自らフルマラソンを走ってクラウドファンディングで研究資金を集めるなどベンチャー的手法をとっています。そして知財管理などは日本の大学の弱い部分ではありますが専門家をスカウトし、特許紛争では米国企業とも渡り合うなど経営者としての手腕も発揮していることに驚きました。いわゆる純粋培養的でなく雑草的な研究者であるところが強みではないでしょうか?

日本の研究者の場合まだ主流はボス的な指導教授の影響下で着々とキャリアを積んでいく徒弟制の形のような気がしますが不思議とノーベル賞受賞の科学者でこのようなタイプの方はあまり見かけない気がします。ポスドク(博士研究員)過剰問題の一つとしてこのような主流を外れてしまうと研究どころか生活を維持するのも大変というところがあるようです。山中教授レベルでもポスト探しに苦労するというのはまだまだ徒弟制的なものが残っていることも一因ではないかと思われます。あまり具体的な提言はできないのですが、優秀で情熱のある研究員がきちんと研究できるような生態系を作ることは科学技術立国日本にとって今後一層大切かと思います。そして山中教授のような「雑草的研究者」がどんどん増えていけば大学発ベンチャーを生み出すうえでも大きな推進となると思われます。

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佐川急便の配送員が荷物を投げた理由 -人手不足と宅配業界

2017.01.04

sagawa

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。正月三が日の東京地方はうららかな暖かい日で気持ちの良い三が日でした。

日本経済新聞で新年から「断絶を超えて」という連載記事が載っています。この中で少子化による労働力供給の「断絶」が取り上げられています。15~64歳の生産年齢人口は1995年の8726万をピークに約1000万人減ったと述べています。この影響がたとえば、ハウス食品などの食品メーカーでトラックの運転手が確保できず納期に配達できない事態が続出しました。特に物流関係で身近に感じるのは宅配便で、最近遅配や雑な配送などが話題になっています。年末は佐川急便の配送員が荷物を叩きつけている姿がユーチューブにアップされ話題になりました。

私自身に起こったことですが、本来宅配で送られてくるはずの荷物が事務所の郵便ポストに投げ込まれている事態が起こりました。これは私が事務所を不在にしている際、ドアの中に不在票が入っていたのですが電話したところ荷物が行方不明でした。いろいろ調べた結果、どうやら郵便ポストの中に押し込まれていた書類は実は直接手渡しすべき荷物であったようです。また、別の運送会社ですが購入した書籍は不在票の電話番号にかけても誰もでず、指定した時間にWebで指定してもその時間に配達してくれず、再配達の不在票がそれから数日後ちょうど昼ごはんで事務所を離れていた全然関係のない時間にまた入っていました。年末年始はさんでいたこともありますが本は10日くらいたってもまだ手元には届きません。また、私の老親は頼んだおせち料理が配達されたのが夜10時近くだったと正月会った早々、かなり文句を言っていました。ちなみにこれはちょうど宅配便大手3社にばらけており特定の企業の体質の問題ではなく業界に内包する問題と言えるのではないでしょうか。

非常に宅配は便利ですがネット通販の普及で人手不足がかなり深刻になっているように推測されます。例えば業界最大手のヤマト運輸の売上はここ数年増収が続き1兆4千万に前期に達していますが、経常利益は670~700億のあたりでずっと行き来しており、増収分はほぼコスト増で埋め合わされており(まずまずの利益はあげていますが)利益なき繁忙といった傾向がみられます。おそらく佐川急便の荷物を投げた社員も、それ自体は許されない行為ですが配達する荷物は多い、不在も多いでかなり頭に来てしまったのでしょう。今後どのような傾向になっていくのでしょうか?

荷物の仕分けなどはおそらくテクノロジーの進化でかなり省力化は可能だと思いますが、やはり届ける部分はドローンで運んだとしてもインターフォンを鳴らしたり、不在票を置いていくのはおそらく難しく人手に頼らなくてはなりません。宅配便が例ですが日本も人手不足でサービスに対して適切なコストを負担するというのが必要になってくるのではないでしょうか?例えばアマゾンで配送料無料が主流となっていますがその配送コストはだれが負担するのでしょうか?現状はアマゾンが負担していますが、その部分はかなり安い配送料ということで運送会社が請け負う結果になっています。以前アマゾンの配送が佐川急便からヤマト運輸に移ったのですがこれは安い配送料に佐川急便が撤退したとネットメディア等で見た記憶があります。配送というサービスを受けているのは我々ですから本来は我々が負担しなければなりません(個人的には配送料有料は確かに避けたいとはおもいますが・・・)。宅配便の配送員の方で一番困るのは再配送で一定の割合で配送希望時間に不在な場合があるようです。これも本来希望時間にいないための再配送なのでそのコストは消費者側が負担すべきなのでしょう。

ちなみにアメリカなどは一般的にはサービスは粗雑で宅配の新聞などは平気で地面に置いてありますし、頼んだものが時間通りに来ればラッキーな感じです。しかし、一方それなりのお金を払えば同じ国とは思えないくらい素晴らしいサービスに出会えます。 宅配便が例なのですが日本はよく言えば「おもてなし精神」でサービスに対して適正な対価を払う習慣がなかったのですが、人手不足によりだんだんとコストに見合う対価を支払わなければならない時代が近づいてきたのではないかと思われます。

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