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産業革新機構のリスクマネー試練

2017.08.07

venture

日曜日の日本経済新聞で産業革新機構のベンチャー育成に批判的な記事が載っていました。記事の論調としてはVC投資で今までエグジット(投資終了)の際23件のうち4社しか回収がされず勝率は17%、政府のお金である財政投融資が資金の95%を占めるので野放図な投資が行われているのではないかという話でした。また、個別案件の損益についてリスクマネーの委縮が生じるので開示をしていませんが、国の案件を開示している以上堂々と個別損益開示すべきと批判的です。

私の今までの記事から見た産業革新機構の印象としては事業再編統合ではジャパンディスプレイや今回の東芝メモリーの件で存在感はありますが、ベンチャー投資のイメージは薄いです。ただし、違和感を感じるのは、この勝率の低さを大手ベンチャーキャピタル(VC)と比較していることです。大手VCはある程度事業基盤もしっかりして上場が見え始めたころ(いわゆるレイトステージ)に現れるので勝率が高いのはある意味当たり前です。多少上場の環境にもよりますが、一般的にこのステージになればどのVCを選ぼうか悩むほど殺到してくるので別に国が関与する必要はありません。足りないのはもう少し前の段階で良い技術は持っているが、まだビジネスにうまく結びついていない段階ではないかと思います。そういった意味で勝率は17%でも全然低くないと思います。どちらかというと勝率ではなく勝った内容でせいぜい投資と同額で買い戻してもらった程度で一般的にはこれは「勝った」とはいいません。本当にリスクマネーの投下ならば勝率ははるかに低くて構わないのですが、投じた資金の10倍以上の回収があった「大勝利」が1件もない方が問題だと思います。

産業革新機構の主なメンバーを拝見する志賀会長のように大企業出身、大手銀行出身者、官僚、再生ファンド出身者などが主でベンチャー投資畑の方は少ない印象があります。これは偏見かもしれませんが、大企業や官僚、大手銀行の経歴が長い方とベンチャーの相性は一般的によくないと思います。物事の進め方のペースがベンチャーは乱暴なくらい早いですが、このような方々はきっちりと時間をかけてやっていく、悪くいうと官僚的なので水と油です。記事を見ると機構出身の社外取締役の議事録に記載された意思決定の改ざんを投資先が後日求められたり姑息な官僚的な側面が見えます。ベンチャー出身の方などで社内の雰囲気があまりに官僚的で嫌になって辞めたという話も聞いたことがあります。ちなみに私は政府がベンチャー投資に関与すべきかどうかについても多少懐疑的ですがその議論はここではしません。

結論として、産業革新機構はベンチャーに投資をするような社内の文化、体制を構築しないとベンチャー投資では成功しないのではないかなと感じます。

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三菱重工と日立の合弁会社の争いの根本原因

2017.08.02

LAsusuit

三菱重工は31日に「南アフリカの火力発電所事業における損失負担に関する日立製作所への請求を巡り、同日付で日立を被申立人として約7743億円(約908億・南アフリカランド)の支払い義務の履行を求める仲裁申し立てを行った」(以上ロイター記事)と発表しました。両社で昨年3月末くらいから協議を重ねてきましたが解決に至らず、日本商事仲裁協会に仲裁を申し立てたものです。

様々な記事によれば、日立と三菱重工の火力発電の統合ですが形としては日立の事業を三菱重工が査定して買収した形での統合でした。そして、南アフリカ事業について統合前の損失は日立、統合後は合弁会社が責任を持つことを前提に暫定価格で譲渡したものです。最初は3790億の請求でしたが、今年の2月に三菱重工が再査定をして、7634億円の請求になりました。

よく日本企業であるのがM&Aを行おうとして交渉に入ったものの撤退すると「失敗」とみなされることです。しかし、本来は「買うか」「買わないか」の判断で「買わない」の判断だけをしただけですから経済性に合わなければ撤退するのは当然で、経営判断で失敗などではありません。経済誌などによるとこのプロジェクトは宮永三菱重工社長が担当役員として主導した案件だったようです。そういった意味でも統合ありきで急ぎすぎたという面があるかもしれません

私のGE時代の経験ですが、GEの買収の責任者は悪鬼のように少しでもリスクがあるとみると私でも無理難題と思われるような要求をどんどん相手方に投げて、リスクを押し付けていきます。相手も最初は怒り、担当者がなだめ役をつとめることとなります。しかし、ぎりぎりの緊迫した交渉の中で相手も疲れと慣れでだんだんと妥協してきます。私もなだめ役をやっていたほうなので当時は爆弾ばかり投げて迷惑な上役だと思っていたのですが、のちのち振り返ると彼のおかげでほとんど失敗のディールがないことに気づきました。日本企業は特に買収交渉においては紳士だけでなくこのような「悪鬼」が必要だと痛感しています。

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中小企業で健康優良法人をめざそう!

2017.07.31

kennkou

今朝の日本経済新聞で「健康経営」中小企業が宣言という記事が11面に載っていました。それによると経済産業省は経団連などが主導する「日本健康会議」と共同で経営者が率先して健康増進に取り組む中小企業を「健康経営優良法人」として認定する制度を設けたようです。主な内容は経営者の健康経営の宣言の下、健康づくり担当者の設置、検診の受診率(ほぼ100%)、ストレスチェック、ワークライフバランスの推進などいくつかの項目です。内容自体は私自身健康の専門家でもないですが、妥当なものであると感じました。

会社員であったころ「健康管理も仕事の一部」とよく上司に言われ、「健康管理は自分の責任」という意識は強かった気がします。当時は風邪をひいたりすると「弛んでいる、健康管理がなっていない」と上司から叱責の対象になっており、そういったときに「健康管理は自分の責任」という言葉がよくつかわれたと思います。今はさすがないと思いますが、インフルエンザで39度を超える熱があっても上司に「這ってでも出てこい」と言われて出社したこともありました。しかし、熱があっても会社に来るのが普通で、かつ密接にそういった人と一緒に働いて風邪を移されたら「弛んでいる、健康管理がなっていない」ではやっていられません。基本的には私は「健康管理は自分の責任」自体は正しいと思いますが、少なくとも会社はそれを援助する主体で足を引っ張るような体制であってはならないと思います。要するに健康に悪い働き方を強制しておいて「健康管理は自分の責任」では従業員はやっていられません。

そういった意味で大企業だけでなく中小企業においても「健康優良法人」認定をめざし、「健康経営」を宣言するのは良い方向だと思います。実は中小企業の方が代わりのきかない人が多いです。総務部長さんとか営業部長さんなどが突然の病気で倒れて大混乱になってしまった例などを少なからず見かけますのでリスク管理として「健康経営」は「健康優良法人」の認定いかんにかかわらず大事なものと思います。

一つ注文を付けると主体が経産省というのはどうなのでしょうか?厚生労働省でもこの手の取り組みに対し様々な助成金を用意しています。その助成金を得るために中小企業などで社会保険労務士や助成金コンサルタントなどを雇うといった一つのビジネスになるほどの規模になっています。厚労省の助成金などの取り組みと重複した部分というのは少なからずあります。中小企業にとって役所から求められる大量の書類というのは頭痛の種です。同じような制度は統合するか、一つの制度で使った書類はそのまま転用できるかそのあたりの統廃合、合理化はこの手の制度でいつも考慮してほしいと思うことです。お役所の省の垣根は違う会社以上にあったりするので難しいのでしょうが・・

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ハウス食品に買収されたマロニーの狙い

2017.07.21

maroni

ハウス食品が昨日マロニ―㈱を買収すると発表しました。プレスリリースを読む限り買収価額は未公表ですが日本経済新聞などでは数十億レベルと載せています。私事ですが娘がマロニーが大好きで冬の鍋の季節になるとかなり頻繁に登場するのと、やはり以前中村玉緒さんがテレビCMでやっていた「マロニーちゃん」の宣伝は非常に耳に残っています。HPをみると「マロニー」の由来は「まろやかに」や創業者の吉村義宗氏のシベリア抑留時代に一緒に働いていた明るいロシア娘の愛称「マロン」からきたなど社内でも諸説あるそうです。

現在の社長の河内幸枝氏は創業者の娘で40歳の専業主婦からいきなり総務部長として入社したという異色の経営者です。中村玉緒さんを少ない予算でテレビCMに用い「マロニーちゃん」というなんとなく関西ノリで宣伝するなど様々なアイディアで成長させてきました。しかし、素人だったので会社の経営指標をひたすら頭に叩き込んで社員に質問しまくり「なんでの河内」と呼ばれたほど、実はきっちり数字が見れる経営者と推察されます。

マロニーの売上は27~28億程度で純利益も1億程度と安定した中堅企業といえ特に救済の買収といった側面はないようです。買収数十億というレベルと日本経済新聞が報じているところを見るとEBIDTA倍率(減価償却前営業利益)は10を超えるような割とプレミアムのついた買収と言えるかと思われます。家業として考えた場合はこの河内社長が引き継いだ際も、娘婿である河内氏の夫と創業者吉村氏の確執があったことが原因のようですので事業承継問題が一つあったと思われます。

もう一つの面としては他にくずきりや海藻麺なども発売していますが、基本的にはマロニーちゃん一本の企業だったというのがあるでしょう。そして、将来の成長にハウス食品に頼ったという面はあるかと思います。ハウス食品によりマロニーちゃんの海外展開も考えているとは思いますが、プレスリリースをみると新たな商品開発という項目がありますから、社内の経営資源をうまくハウス食品に生かしてもらい一層の発展を目指していくのだと思われます。今回の買収でハウス食品の100%子会社になっても河内社長は留任の模様ですし、今のところ幸せなエグジット(出口)という感は強いです。

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子どもの夏休みと事業計画

2017.07.14

宿題

高校生の息子が夏休みに入ります。妻は、息子が計画を立てずダラダラ過ごしそうだとプリプリしていますが、私は苦笑いです。なぜならば、学生時代振り返って思うのですがあまり自分は計画的に夏休みを過ごした記憶がありません。中学生のころは自由研究をダラダラやって最後は徹夜、高校時代はひたすらインターハイ目指して部活、大学時代はサークルとバイトといった感じです。息子の言い分は「計画なんて立ててもどうせ世の中思った通りに行かないし、いかないとイライラするだけだから無駄だ」とのことです。自分のことを振り返るととても偉そうに言えたものではありません。

この言い分どこかで聞いたことがあると思ったのですが、これは事業計画を作成しないかと社長さんなどに申し上げた際お聞きすることがある言い分です。確かに私のようなコンサル業でもうまくスケジューリングがいかずにプロジェクトを泣く泣くお断りしなければならないなど、思い通りにならないことは普通にあります。しかし、特に大企業出身の方などに多いのですが事業計画というと精緻さを極めようとされたりするのですが、特に中小企業は無駄だと思います。極端なことをいうと事業計画は達成しようとする大きな目標(ビジョン)以外は柔軟で良いと思います。

また、子供の夏休みに戻りますが、せいぜい多くても2~3つの大きな目標を立てて、それを達成すべく計画を立ててもらおうと思います。約夏休みを1か月とすると大きな目標を建てるための中くらいの目標(1週間)、小目標(日)に分割していきます。最初から小目標まで作ると計画にかかる時間が無限大になりますから大目標と中目標くらいで十分です。そして週が始まる前にその週の毎日の小目標を立てていけばよいわけです。ここで重要なのが振り返りのやり方です。世の中ではPDCAと呼ばれていますが、計画を立てた後チェックをしてそのフィードバックをもとに修正を加えていきます。当然予定通りには行かないことは多いですがメゲズに原因を考えていきます。反省は不要で必要なのは行動の修正です。くよくよしても失った時間は絶対に戻ってこないですから。不可抗力であれば振り返りよりも単に目標を修正していけばいいわけです。同じことが事業計画にもいえ、ただもう少し1年~3年(場合によっては10年~)と長いだけです。そして、ポイントは反省ではなく行動および計画の修正だということです。

・・ということで息子にきちんとした計画とPDCAを身につけてもらおうと思います。社長様を説得するより親子は難しいかもしれませんが・・・

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どこかピントがずれている脱時間給をめぐる議論

2017.07.12

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「脱時間給」法案が修正され休日の確保、労働時間の上限、連続休暇の取得を労使で決める仕組みとするようです。これは対象は年収1075万円以上の金融ディラー、アナリスト、コンサルタントなどに限るようですが基本的には広げていこうという考え方があると思います。そもそもこの3つの職種はキチンと成果が出せる人間であれば(かなり好不況には左右されますが)転職は容易で労働条件が悪ければどんどんほかの条件の良い会社に移ってしまいます。したがって、頭のよほど悪い会社でない限り、むしろきちんと休ませて生産性を高めてもらうことを奨励するはずで、特に休日の確保といった政府側からの取り組みは不要だと思います。おそらくこれで制度設計したのちほかの職種にも広げていこうというのが狙いでしょう。

野党は「残業ゼロ」法案と反対しており、ブラック企業的な働き方を促進するとしています。確かに他の職種に広がった場合、悪用する企業が出てくる可能性はあるでしょう。しかし、本来成果と働く時間が比例しないならばそもそも企業側にも長時間無理やり働かせる誘因はないはずです。実は大企業にコンサルティングに行くとホワイトカラーの現場で生産性が低いことがわかります。業務が無駄に複雑で慣れれば頭を使わないのだが、コツをつかむのは複雑で難しく時間がかかるといった仕事が非常に多いです。2つ目としてはこれも長い間言われていますが会議の生産性が低く意思決定にやたらと時間がかかることがあるでしょう。欧米系企業であれば普通に取り入れられているファシリテーション的な手法などをきちんと取り入れている企業はいまだに少ないことは驚きです。脱時間給がこのようなホワイトカラーの生産性の低さを解決するかというということは正直わかりません。

人間、生産性の低い無駄な仕事をする、かつ長時間であればふつう楽しくありません。それでも会社を辞めないのはまだまだ日本の労働市場は硬直的で転職が容易でないことがあるでしょう。これに対し日本において解雇が容易でないことが硬直性につながっていると主張があります。要するに、長時間ダラダラと人を働かせるダメ企業に人々がしがみつく誘因になっているということです。私は安易な解雇には反対ですが、現在のように本当に会社が倒産寸前か、犯罪行為に近いような行為やほぼサボりに近い働き方でない限り解雇できないのは行きすぎです。一方明らかな不当解雇に対してはせいぜい不払賃金と解決金の支払いくらいで解決金はスズメの涙程度で非常にバランスが悪いです。解雇はもう少し容易になる一方、不当な解雇に対しては厳しいペナルティを課することで公正で流動性の高い労働市場を作ることが必要だと思います。生産性の低い無駄な仕事をダラダラ長時間させるダメ企業からきちんとあげた成果に報いる自由な企業に有能な人々が移っていくような柔軟な社会を目指していければと思います。私のできることとしては職場の効率性の向上をコンサルティングの中でご提案していきたいと思っております。

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これは本当に休み方改革?

2017.07.10

Vacation

今朝の日本経済新聞でセブン&アイ・ホールディングス、住友林業、アートコーポレーションなどが一斉休業の日を設けるようです。セブン&アイHDは部署ごと、住友林業は週2日の休みに加え、年4日支店・営業所の一斉休み、アートコーポレーションの場合は定休日を業界では初めて年30日設けるようです。この中で人手不足であえぐ運輸業界は多少事情が違い明らかに減収になる定休日を設けるというのは非常に勇気のいる決断だったとは思います。

ただし、本来の休暇は自主的なもので他人に言われて取る休暇というのはなんだか不本意な感じがするというのが正直なところです。会社員時代を思い出すと土日の休みは比較的有意義に過ごしていましたがその他の国民の祝日というのは年末年始の休みを除けば、あまりありがたいと思ったことはありませんでした。年末年始の休みは1年間を振り返り新たな気持ちで1年を迎えるという意味ですごく大切な時間と思っていましたが、それ以外の祝日は1日程度増えてもなんとなくダラダラしてしまいます。それ以外の祝日はその分残りの平日は忙しくなって鬱陶しいので、結構仕事していたことも多かった記憶があります。一方外資系にほとんどいたこともあり基本的に休みは1週間以上は必ず年1~2回取っていました。長期の休みはたいてい忙しい仕事が後片付けも含め一服しそうな時期と家族の予定を何とか合わせるという、どちらかというと子供の長期休暇と合わせる方が大変だったかもしれません。

休みについて思うのですが週休2日というのはなんとなく体のリズムに合っているのですが、それ以外の休みというものは自律性、自主性というものが大切な気がします。休みを自信をもって取れるというのは自律的、自主的に仕事をしているということが挙げられると思います。自主的に責任を持って仕事をしていれば基本的にこの時期は休んで大丈夫と自信を持てます。逆に上司などに言われてただ単に手足(多少頭も使うと思いますが)を動かしているだけだと上司の意向に逆らえないことになります。一斉休業でないと休めないというのは厳しくいうと自律性、自主性のない(プロフェッショナルとはいえない)仕事をしていないことになるのではないでしょうか?これらの企業は「自律的、自主的」に働く人財を求めているはずなのですが、言われたまま動くようなそういった人材で十分と心底では思っているのかもしれません。

偉そうに申し上げましたが、自分自身仕事に追われ、土曜日も結構仕事の日々でしたので反省して少し長めの休みを取ってみようと思います。じっくり本をよんだり家族と話す時間を設けるのも大切ですよね。デジタルデトックス(ソーシャルメディアやメールに一切アクセスしない日を設ける)なども今後設けようと反省した次第です。

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保育園もつらいよ!

2017.07.03

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保育の人材不足解消のため保育補助を拡充するようです。簡単にいうといままでは研修をうけた「子育て支援員」だけが補助金の対象になっていますが、それ以外の人も補助金の対象にしようというものです。保育士の資格は持っていませんが働きながら資格を取得しようという人に関してフルタイムで雇用した場合、貸付金という形をとりますが3年以内に保育士になれば返済が免除されるという形になります。

保育園では保育士の資格をもっていない人を補助として雇っているケースが多いです。国の保育士の設置基準は0歳児で3人に保育士1人、1~2歳児で6人に一人、3歳児で20人に一人となっています。保育問題は関心を持っていて地元で社会福祉法人である保育園の監事をやらせていただいています。その保育園にたまに伺わせていただいておりますが現実的に2歳児あたりからはかなり動きが活発になってきてこの人数ではとても見きれないことは明らかです。そういった意味で補助員は必須でしょう。ただ、こういったことで待機児童問題は解決するのでしょうか?

公営や社会福祉法人の保育園は税金や補助金(つまりこれも税金)で実質賄われています。社会福祉法人の場合よく言えば行政側はかなり厳しく査定して余剰が出ないように補助金が支給されます。そのため、保育園側もほぼ定員に対し100%近くでないと経営が成り立たないような状況になっています。私のいる練馬区の場合0~2歳児は確かに待機児童問題が生じていますが3歳児以降の場合幼稚園との競争が生じ定員割れが生じることもあり、少しでも定員割れが生じると経営に打撃となります。

つまり補助金で運営で余剰が出ない形でした支給されませんから設備は老朽化していきます。保育士不足もありますが、定員割れを起こすと経営が厳しくなりますから積極的に既存の保育園も設備の拡充をして定員を増やそうという誘因はほとんど働きません。ここにも待機児童が増える理由があるわけです。地方自治体も新しいハコモノを建てることは割と熱心なのですが既存の保育園をどう生かすかということについては温度が低い感は強いです。少子化はある程度は避けられない問題なので新しいハコモノを作っても近い将来、今の小中学校のように廃校になる可能性は大でこれは無駄になるのではないかと不安です。当然預ける保育園がなくて困っている人々の立場に立つことも大切なのですが、保育園の側の将来経営の視点でもみていく事も必要なのはないでしょうか?

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株主総会の思い出

2017.06.30

総会

株主総会シーズンがやってきました。新聞紙上でもここ3~4日の間に株主総会が集中していると毎年批判的記事が載ります。ただ、自分の経験だと決算日後3か月以内の開催ということなので安全に落ち度なくやろうと思うと期限ぎりぎりの6月末になってしまうというのが実感で別に重ねることによってうるさい株主をできる限り排除しようといった意図があるわけではありませんでした。この時期になってしまうことの理由に株主総会招集通知を郵送することがあります。郵送なのでそれなりにリードタイムがかかる上、やれる業者が日本ではほぼ数社に限定されるため、それに拍車をかけることとなります。また、会社法に基づく計算書類が有価証券報告書と様式が微妙に違うため組み換えなどの作業が必要になり、かつ監査も必要なため時間が要する原因となっています。分散開催を目指したいのならば3か月の縛りをなくし、計算書類の有価証券報告書との共通化を目指してほしいものです。

招集通知をメールで送ることも可能なのですがそのためには個々の株主に承諾を得なければならず、全面メールは難しいと思われます。加えて株主総会でヒヤヒヤなのは株主総会の決議に必要な定足数(最小限度の出席数)が集まるかで、多分定款で3分の1を定足数と定めている上場企業が多いとは思いますが、これが集まるかで総務の担当者は気をもむことになります。さらに新聞でも取り上げられているように以前は賛成に丸を付けてくれる株主がほとんどだったのですが、最近は取締役の選任などでも反対票を入れる株主が多くなってきていますし、機関投資家も議決権の行使状況に対し開示を行うようになってくるので昔のように賛成票を自動的に入れることはほぼ完全になくなるでしょう。

私は以前上場会社の役員とCFO(管理本部長)を兼務していましたので株主総会運営の責任者の立場にありました。作業はほとんど部署のスタッフが行うので、想定質問に自分として備えるといったことぐらいしかやることはないのですが、招集通知の内容は定型化しているとはいっても大きな誤りなどあったら大変ですのでチェック等には神経を使います。頭はつかわないが神経を使う仕事だといえるでしょう。総会当日は出席者で多いのは年配の方です。そして軽食とかお土産を出すことにすると出席者が2倍になります。以前総会で軽食でサンドウィッチを出したのですが、あまりおいしくなかったらしく掲示板に多く書かれていたのは株主総会やそのあとの説明会の内容ではなく、サンドウィッチがパサパサしてあまりおいしくなかったという不満でした。いつも株主総会が始まる前は大事な数字は頭に入れて明快に答えられるように準備するのですが、そういった質問があった記憶はありません。多いのは年配の方で株価が低迷していることへの不満を永遠に述べる方、持論の経営論(といってもこうやれば株価が上がるはずだといったようなもの)をとうとうと述べる方などで、結局質問は何なのかよくわからないケースが多かったです。そのような場合は「貴重なご意見ありがとうございました」で締めくくってしまいます。ただし、意外に不満はあっても温かい目で見てくださる方が多い印象はありました。

今考えても年に1回株主と会社経営陣が出会う場ということでは意義はあるとは思うのですが不思議な儀式だなというのが正直な感想です。そして終了した後は対して何もしていないし、ほとんど話もしていないのですが、何もしたくないくらい疲れているのに気づきます。最近は賛成票を投じない株主も多くより緊張したものになりつつあるのかもしれません。

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Amazonが独自の配送網

2017.06.23

AMAZON

Amazonが日米で大胆な手を打っていきます。「泣かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」のように常に知恵を絞って新しい手を打ってきます。アメリカで行ったのはホールフーズの買収です。ホールフーズは日本でいえば高級食品スーパーと言われていますが、個人的には「成城石井」というより「多少有機野菜が多いサミットかライフ」といった印象です。余談ですがアメリカのスーパーは一般的には平気で傷んだ野菜果物とか売っていますし卵も割れたのが混じっていたりしますからよく確認してから買わないといけませんが、ホールフーズはそのあたりは日本のスーパーのレベルにはなっているという点では高級かもしれません。ただ、確かに格差社会のアメリカではホールフーズは高級住宅地の近所にしかないですから富裕層の財布を握るという意味では同様の業態においては恐ろしいかもしれません。アメリカではAmazonが小売の実店舗も制覇するのではないかと戦々恐々で比較的高所得層が相手のコストコ(アメリカではコスコですが)は株価がそのニュースで1割近く下落しています(一方でわりと低所得層が相手のWalmartなどは多少下がった程度でした)。

日本で行ったのは個人運輸事業者の囲い込みのようです。さすがに直接ではなく「桃太郎便」を手掛ける丸和運輸機関を通して個人事業主を組織化させるようです。ヤマトや佐川も音を上げたAmazonの配送どうなるのだろうかと思っていたのですがこのスピード感で新たな手を考えてくるのは凄味があります。大手運輸会社が人手不足と過重労働で人員を囲い込みにくくなる一方、このやりかたはビジネスモデルでいえば「事業化代行型」で空いているトラックやまだ事業を起こしていない個人もフリーランス的に参加して「事業化させる」スケールの大きなものです。日経の解説によればこのような独立自営の軽貨物配送の台数は15.5万台でヤマトの4.4万台をはるかに上回ります。これが宅配業者にとって脅威なのは単に他の運送業者と提携したことではなく、空きトラックやフリーの人々を組織化しようとする新しいカテゴリーを大規模に展開しようとしていることです。ただし、日本の場合、昨日のヤマト運輸の株価は0.47%の下落とほぼ無反応と言っていい動きでした。

ただ、懸念点としては個人の運輸業界というと偏見かもしれませんがまだまだ「電話とFAX」の業界でIT化による効率化とは遠い業界な気がします。丸和運輸が100億円を投資するというのはこのあたりの整備も含むかもしれません。Amazonが物流も支配してしまうのは少し怖い部分も消費者としては感じつつ、経営コンサルタントとしては今後の個人事業主の組織化の動きは楽しみです。一方中国の政権のように「鳴かぬなら殺してしまおうホトトギス」なのは困りますが、日本の一般企業が「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」なのは寂しいことです。

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