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シニア消費のためにどうすればよいのか?

2017.11.15

senior

昨日の日本経済新聞でシニア消費と言う面白い特集がありました。特に内容は目新しくはないのですが具体的な数字でシニア消費の事が述べられていました。この中で2016年の総務省「家計調査」からの推計で「家賃を含まない家計最終消費約242兆円の内60歳以上のシニア消費は約117兆円と48%以上を占める(第一生命経済研究所)」という数字はついにここまで来たかということを実感しました。総務省の人口統計で60歳以上の総人口構成比は約34%ですからこの層の消費が旺盛であることが分かります。面白いのがこのシニアが消費することにより高級化している分野があるということです。キーワードは孫、健康、習い事だそうです。例えばランドセルは祖父母が孫にプレゼントするものという傾向が高くなり、売れ筋が2006年の3万弱(ちょうど私が自分の子供に買ってあげた頃)から2016年度は5~7万になったそうです。ただよく考えてみると私の子供が小学生になった際、入学祝を私の両親(子供からすれば祖父母)からもらった覚えはありますがやたらとモノを買ってもらった覚えはありません。私の両親は戦前派であり一方今の祖父母層はいわゆる戦後派から団塊の世代ですからこの辺りの感覚ずいぶん違うのではないかと思います。おそらく私の両親の世代はやたらと子供にモノを買い与えるのは好ましくないといった考えの方が多かったのではないでしょうか?そして一方戦後派から団塊の世代になるとそのような抵抗は薄れつつあるのではないでしょうか。そして、団塊の世代の後はいわゆるバブル世代ですからそれだけ考えるとシニア消費は益々旺盛になってくると考えられるかもしれません。

しかし一方で十分な貯蓄や年金を含むシニアのになってからの収入が支出を大きく下回るような状況では当然消費は出来ません。団塊の世代の方々は年金や高度成長期の蓄積の恩恵は受けている方々は多いですが、バブル世代当たりから怪しくなってきて、その下のロストジェネレーション世代に至ってはかなり悲観的に思えます。したがって私は今後シニア消費がこのままどんどん伸びていくといった見方にはやや否定的です。一方で我々バブル世代以降はシニアといっても健康で元気な方々多いですからやはり働き続ける方向になるのではないでしょうか?しかし、企業勤務だ55歳で役職定年で収入が半分以下になった、60歳以降は3分の1以下になったという話を聞きます。確かに中にはのんべんだらりとサラリーマン生活を過ごして本当にその程度の市場価値しかない方もいるかもしれませんが、おそらく大部分は場所や環境によってまだまだ能力を発揮できる方が多いのではないかと思われます。転職や起業などそういったシニアの方々を活かせ機会を社会として創っていかねばならないと思います。

私も「働き方」の出版や「シニア起業支援」などで貢献していければと思います。

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日本は世界で有数の起業しにくい国?

2017.11.01

起業1

世界銀行が世界のビジネス環境ランキングを発表しましたが日本の順位は世界190か国で34位と低順位に沈み、特に「起業のしやすさ」では106位に沈みました。世界銀行の分厚い英文の報告書についてサラリと目を通しましたが、この「起業のしやすさ」は起業に関する手続きの簡素さが主にポイントとなっているようです。日本より下位の国は「女性の起業は特別な手続きが必要」といった論外な国も多いので、ほぼ手続の面では最悪の部類にはいるわけです。報告書の中に「Good Practice」と言う項目があって良い例が載っていますが、特徴として挙げられるのはワンストップと電子化です。

日本の場合、法人登記は①公証人に定款認証してもらい②法務局で登記して③税務署に開業届等を提出④都道府県に開業届を提出⑤社会保険事務所に社会保険の手続き⑥労働基準監督署に雇用保険等の手続きと一般の会社だけで5段階あります。何かしらの認可業種だともっと手続は増えるわけです。これが実は世界の115国・地域では一か所決められた役所に書類を出せばそこで終了ということで日本は極端に遅れていることが良くわかります。中近東や北アフリカの国々でも納税者番号を使いワンストップで起業が主流になってきたと世界銀行のレポートには記載してありました。もう一つは電子化で120か国は電子ですべての会社設立手続きが完了するようです。

このように日本は致命的に会社設立の手続きで遅れていることが良くわかります。そもそもの原因は役所間の縦割り行政の酷さでと既得権益の保護でしょう。マイナンバーを導入しても普及が進まないと政府は悩んでいるようですがこのような役所間の縦割り打破にマイナンバーを活かすと言った利便性を進めない限り、うまくいかないでしょう。また登記手続きはほとんど定型的な、少なくとも世界の潮流ではテンプレートに入れればできてしまうのにもかかわらず、日本では公証人や士業の関与が必要なプロセスになっており、私見ですが単なる既得権益にしかみえません。

是非、安倍政権はこのビジネス環境で3位以内に入りたいという目標を掲げるならばこの辺り打破してほしいものです。

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消費税が10%になって

2017.09.25

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かなり衆議院解散が確実しされてきて、私が所属している業界団体である公認会計士協会などでの政治家がらみの会合は軒並み延期・キャンセルとなっています。野党の批判はモリ・カケ解散、大義がなく党利党略だと騒いでいますが、モリ・カケ問題で安倍内閣の支持率が下がっている際は、「解散して国民の信を問え」と言っていたわけですから、党利党略という点では変わりません。ただ、野党の追及で消費税増税の話が出てこないのは非常に不思議です。消費税増税自体は日本の財政状態を考えればやむをえないと私は思っていますが、税率が高くなってくると問題になるのが益税だと思います

年間売上1000万以下の業者は免税事業者なので消費税の納付を免除されています。しかし、どこにも免税業者は消費税を請求してはいけない法律には明記されていません。売上が1000万を超えた翌々年から消費税課税事業者になりますが、あとでお客様に「消費税課税事業者になったので8%値上げさせてください」とは言いにくいので普通は免税業者でも消費税部分を請求している方がほとんどと思われます。これには、購入部分には消費税がかかっていることもあると思います。私も開業しばらくは免税事業者でしたが消費税はお願いしていました。

ただ、そもそも消費税は事業者にとっては、ざっくりいうと売上の消費税から仕入れの消費税を差し引いて差額を納付または還付してもらう制度なので、別に事業者は金銭的には得も損もしません。しかし、免税事業者だと売上の消費税と仕入消費税の差額があってもこれを納付する必要がなく、もし大幅還付の場合は課税事業者選択届を提出して還付してもらえばよいので明らかに差額の益税がでます。消費税が3%のうちは少額だから・・と言っていたものも10%になるとそうはいっていられなくなります

そこで徐々にインボイス方式の導入で免税事業者からの仕入れの消費税は売上の消費税からは徐々に控除できなくなる制度を導入しようとしています。要するに免税事業者に払った消費税部分は持ち出しになってしまうわけです。少し前ある政府系機関のお仕事をした際に、免税事業者か課税事業者か申告しなさいといわれたことがありました。そして免税事業者の場合は消費税は請求しない方式で請求書を出すようにと入札の手引きに書いてありました。この政府系機関はおそらくこのインボイス方式への移行に備えてもう準備しているのだと思われます。今後はこのような方式を導入する企業も多くなってくるのではないでしょうか。

テクニカルになりますが会計ソフトでは勘定科目ごとに消費税の課税非課税の分類をしているので、おそらく会計処理でも免税事業者仕入れと課税事業者仕入れの科目を分けているのでしょう。どんどん処理が面倒に複雑になっていきます。そろそろ免税事業者の制度も金属疲労しているのではないでしょうか?免税事業者の理由として過大な納税負担の除去ということですが、もう会計ソフトも非常に安くなりました。そろそろ免税事業者という制度も少しずつ控除できなくなるなどという真綿で首を絞めるようなやり方ではなく、きっぱりやめ時なのではないかと思われます。

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都内の農地の2022年問題をどうするか?

2017.09.08

都市農園

都市農地の2022年問題がやってきます。私の自宅は練馬区にありますのでちょくちょくとまわりに「生産緑地」を見かけます。これは1992年に地主に30年にわたる固定資産税優遇を認める代わりに営農を義務づける「生産緑地」という制度を設けたものです。自分の仕事で考えた場合ほとんどのお客様は都心で練馬区などに住んでいるとあまり便利ではないのですがここに住んでいるのは農地が多く緑が多いというのが一つの大きな理由です。2022年になると10年の延長か市町村への買取を求められますので場合によっては一気に宅地化が進みアパート建設などのミニ開発であまり美しくない街並みになるのは悲しいことです。広大な土地を23区内に持っていながら、農業をしているだけで固定資産税の優遇措置をうけたり、相続税の優遇を受けたりするのは不公平だという意見はあるかと思いますが。

ただし、やはり地価の高い部分で細々と野菜を作るだけというのも土地の有効活用ということでは問題があるかとは思います。そういった意味で農業に引き続き使う限り以前より柔軟に賃貸できるようになるのは素晴らしいことだと思います。自治体の観点からは賃貸料からも課税ができますし、またその土地を有効活用する個人や企業からも課税ができ税収的にも改善すると思われます。まとまった土地ではないので大企業向きではなく、むしろ小資本の起業家向きでユニークなアイディアが出てきそうです。ただし、たいてい農地の賃貸には農業委員会などの許可が必要でかつ法定更新の制度(契約期限がきても両者が合意しない限り解約できない)があるなど規制に縛られておりなかなか使い勝手は悪いと言えます。都市部における農地においてもともと集約して地域独占的なことは不可能なわけですからこのあたり緩和しても大きな副作用はないように思えます。

私が推奨している7種22分類の小資本のビジネスモデルでは価値転換モデルの用途変更型など面白いと思います。あまり大きくない生産性を高めるのは難しい土地、しかし消費者が身近にいるという利点はあります。これは今まであまり価値がないと思っていたものを用途をがらりと変えることによって価値を生み出すビジネスモデルです。例えば古いオフィスビルをリニューアルして細分化してレンタル会議室にするなどは一つの例です。土地の農地何かできないか考えてみると起業家の方は面白いかもしれません。

この7種22分類の発案者であり、ベストセラー「起業のバイブル」の著者でもある中山氏の発売一周年記念講演もある起業ビジネスモデル発想法講座9月30日行います。ご興味のある方は↓までどうぞ

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都議会議員報酬削減と本当の経費削減

2017.08.30

都議会

ふと道を歩いているときある看板が目に入りました。(ちなみにここでの目的は特定の政党の政策批判が目的ではありません)「身を切る改革」で都議会議員報酬20%削減というポスターです。中身をみると都議会議員の報酬、年間1708万円から約2割減の1366万円です。ただし、これは1年間だけです。いわばたまに上場企業で不祥事などがあると「役員報酬XX%減額半年・・・」というのと同等だと思われます。特にこれ自体悪いとは思いませんがこれをもって「改革」などと言ったら民間の感覚だと笑止千万です。その他、政務活動費の月額10万円削減や本会議や委員会などに出席するたびに定額支給されている費用弁償の廃止、都議会議員表彰内規の改正(職25年および30年の議員への記念章や記念品の授与を廃止し、在職30年に達した議員の肖像画を議事堂内に掲示する制度をなくす)などがありますが、民間人の感覚からすると政務活動費を除くと、あるのがおかしいといった感じです。詳しくは以下まで。

https://www.komei.or.jp/news/detail/20170223_23112

 

さて報酬と政務活動費の削減額をざっくり計算すると以下です。

{(1708-1366) +10 x 12} x 127人(都議会議員の数)=約6億円です。

都の歳出は7兆円ですから割合的には0.00838%の削減です。年商1億円くらいの中小企業に例えてみると年8380円の削減です。月にすると約700円でではっきり言うと金額的コスト削減効果はほとんどありません。ただし、このようなちまちましたコスト削減が意図として「隗より始めよ」という故事にあるような意図ならば話は別です。この故事の意味としては大事業を始めるにはまず身近なことから始めよということです。これは古代中国で燕の昭王という王様が賢人を集めようとした際、郭隗という臣が「賢者を招きたければ、まず凡庸な私を重く用いよ、そうすれば自分よりすぐれた人物が自然に集まってくる」と献策したことが始まりです。

つまり本来の目的はちまちまとしたコスト削減ではなく、将来の大きな計画の中で最初は小さなことから始めようということです。それならばそれ自体は小さくたいしたことではなくても将来的には意味があることです。よくコスト削減で「電気をこまめに消すとかボールペンの替え芯を使うなどといったちまちました削減はやるな!」などと言われます。それ自体が目的ならば確かにその通りです。しかし、遠大な計画の第一歩ならば、必ずしもくだらないと切って捨てるべきではないと思います。

さて、「議員報酬20%削減ポスター」はどちらなのでしょうか?

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Jフロントが総資産利益率を重視した理由

2017.08.28

daimaru

先日の日本経済新聞でJ・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店で店長の評価指標に総資産利益率(ROA)を導入するということがニュースとしてあがっていました。ROAは利益を総資産で割って求めますが、この指標では営業利益を用いています。企業レベルでは経常利益を使うので少し他社と比べてみます。

JフロントのROAは4.3% ROEは6.8%、三越伊勢丹はROAは.21% ROEは2.6%高島屋はROAは3.8% ROEは5.1%で財務内容的にはJフロントが一番優れています。ROAは売上高経常利益率(経常利益÷売上高)x総資産回転率(売上高÷総資産)に分解されます。ちなみにROEは売上高純利益率(純利益÷売上)x総資産回転率(売上高÷総資産)x財務レバレッジ(総資産÷純資産)です。ざっくり説明するとROAは売上高利益率を使うので利益率が高く、総資産回転率を使うので資産を効率的に使って売上を生み出せば数字が良くなります。ROEの場合はそれに加えて財務レバレッジが高くなる、つまり資本を効率的に使う、または資金調達を株式ではなく借入金を使う、自社株買いをして純資産を減らすことで数字が良くなります。

この店長の評価指標でROAを使うことの意味は単に利益率だけではなく資産を有効活用してまたは不要資産を減らすことが狙いと思われます。Jフロントの過去の数字を見ていくと総資産経常利益率を分解した数値で売上高経常利益率は3.5%,3.5%,4.1%,4.0%と上昇傾向ですが、総資産回転率はずっと1.14と安定していたのが今期1.06と低下しました。主として総資産が310億昨年より増加したのが原因ですがこれも約600億の土地購入と60億の渋谷パルコ立替の再開発事業に伴う販売用不動産の増加を建物・構築物の減少480億があったものであまり店舗の営業活動の問題ではなさそうです。土地購入の600億については有価証券報告書からはその内訳は読み解くことができずやや不明です。ただし、有価証券報告書を読むと渋谷の再開発や銀座SIXなどどちらかというと不動産開発事業に少し力を入れていく傾向が読み取れます。そういった意味でROAを重視していく方向性に入っていくのかと想像します。

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介護は書類仕事か?

2017.08.23

roujinn

社会福祉法人改革が始まりその中の重要な一方として一定規模以上の社会福祉法人に外部の会計監査人による会計監査が義務付けられました。私も社会福祉法人の監事や会計監査人を頼まれることが多くなりました。ざっくりいうとこの改革により社会福祉法人のガバナンスを強化し、事業運営の透明化、財政規律の強化を図っていこうということです。新聞で社会福祉法人が取り上げられる際はたいてい悪い例で介護担当者は低賃金・重労働で搾取され、介護を受ける老人は低コストの劣悪なサービスで虐待され、一方法人側はたっぷり利益を上げて理事長一族は親族で役員を固め、高給を得て豪奢な生活をしているといったイメージです。世の中にこのような例は存在しないことはないとは思いますが私の印象だと非常に少ないと思われます。

当然私の関与先の詳細は述べることはできないのですが実際関与して感じたことは以下です。まず、社会福祉法人会計の考え方ですが基本的に部門別計算の考え方が徹底されているということです。拠点区分(ざっくりいうと独立した施設ごと)に資金収支計算書(キャッシュフロー)、事業区分計算書(損益計算書)、貸借対照表が求められます。良い点は施設長などは収支に関する感覚が鋭くなってどうすれば採算が良くなるだろうかということをよく考えるようになった点でしょう。私見でありますが、介護関係の方々は真面目で献身的な方が多い一方、利益をあげるといった方向にはうとい感じがします。そういった意味では一定の意義は認められます。その一方で普通の企業は部門別計算といったものは社内向けの意思決定資料で様式も厳密には決まっておらず、規模の大きな企業以外はエクセルで作成するレベルです。これを公表財務諸表で行うときちんと仕訳をして記録を残しておかなければなりませんから作業はかなり負担がかかります。画一的になる面もあり監査対象となるような特定社会福祉法人ですと財務諸表だけで100ページを超えることもありあまりに負担が多すぎる感はあります。部門別計算を行うことの意義は否定しませんが、これを公表財務諸表とすべきかは疑問を持ちます

それ以外も介護関係の書類は膨大です。介護を受けるご本人の様態などの記録は大切なものでそれは仕方ないと思いますが、国の所管である介護保険や様々な地方公共団体の介護関連サービスに関する報酬の算定資料はそれぞれ異なり複雑で細かく作成資料は膨大です。介護施設の管理職の方は書類仕事に追われているのではないかというのが正直な感想です。確かに介護に関する国や地方公共団体の負担は増大する一方で厳密な計算が求められるという面は理解できます。しかし、公認会計士も理解が難しいような計算や頭が痛くなるような書類の山たちは本当に必要なのでしょうか?一方、役所の方はちょっとした報酬の計算には関係ない軽微な記載ミスも指摘し修正を求めるといったこともよくあると聞きました。実はこのあたりが無駄にコストがかかる一面ではないかと思います。

役所の考えた仕組みはよく考えられているとは思うのですがやはり現場感のない机上の案といった感は強いです。真面目に真摯に毎日業務に従事して今後高齢者大国を支えていく介護の方々から少なくとも書類・事務仕事の時間は何とか大幅削減できないのか、内部統制を業務負担を増大させることなく強化する方法がないのか、そのあたり今後考えていきたいと思っています。

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パート賃上げが生み出すもの

2017.08.21

keibi

人手不足を背景にパートの待遇改善が進んでいるようです。日本経済新聞の記事では小売りや外食の労働組合で構成するUAゼンセンで今年春のパート一人あたりの平均賃上げ率が2.28%と過去最高になったようです。マクロ経済的に見れば個人消費の拡大→好景気という面もあるかと思いますがミクロ的に見れば人手不足やパートの賃上げで特に苦しむのは下請け系の中小企業でしょう。

以前お聞きしたのは土木工事の警備会社の話です。土木工事自体は大手建設会社が受注するのですが警備会社はその3次~4次下請けになります。すると当然間に入った企業がマージンを抜いていくのでおおよそ受注金額は半分になるようです。また、土木工事の主体である国や地方公共団体もコストは下げようと努力はしていますので受注金額は下がる方向にあります。一方で警備員の時給は賃上げをしないと人は集まらない状況で非常に厳しくなっています。その結果非常に利益はほとんどない自転車操業的で苦しんでいるようです。これは全ての下請け、特に品質や性能で差部化できない場合は共通して厳しい競争にさらされます。

よくゼネコンなどは仕事は受注するがほとんど仕事は下請けにやらせて儲けていると批判を受けています。しかし、発注側としては建設土木工事で個々に注文すると確かにその個々は安くなるとは思いますが全体的な工事という複数の手続の納期・品質・価格を管理していくプロジェクトマネージメント能力はあまりないため、やはりありがたいものだと言えます。ビジネスモデル的に言えばパッケージングモデル複数手続き代行型で様々な複数の手続きをパッケージの形にしていくことで付加価値を生み出していくわけです。発注側にとってはありがたい存在です。問題を挙げるとすると建設業などは多段階の重層的な下請け体制でしょう。自分ですべてマネージできず、丸投げして重層化していけばいくほど高コスト体質になってしまいます。

下請け企業としてはこの重層構造の下部からの脱出を図りたいと思うでしょう。前述の警備会社は直接役所の方に運動しているようですが、あまりよい回答はないようです。役所としてはゼネコンに一括して発注したほうが手間がかからず安全というのは理解はできます。私の経験ではありますが、下請けから脱出するためにはある程度差別化ができるような特殊な技術や手法を生み出す、または自分自身パッケージング化ができるように人間関係法人関係を構築していくことになるでしょう。当然前者ができれば素晴らしいのですが難易度は高く、後者も検討していくことが大切だと思います。

しかし、実は下請け関係というのは決まった発注先がありそこからある程度安定的に仕事は入ってくるので、意外にそこに安住してしまう中小企業は多いというのが私の印象です。そして大口発注先の経営が悪くなると連鎖倒産というのが典型的な最期です。これに今回の人手不足による賃上げで価格交渉力のないところは長い目でみると淘汰されていくでしょう。気が付いている方は多いと思いますので早く手は打ってほしいものです

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インキュベーションオフィスとコワーキングスペースどこが違う?

2017.08.18

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森トラストがインキュベーションオフィス事業に乗り出すようです。インキュベーションオフィスは起業家のの方にとってはなじみがあるともいますがそれ以外の方にはあまりなじみがないかもしれません。似た言葉にバーチャルオフィスやコワーキングスペースがあります。特に厳密な定義はないと思うのですがバーチャルオフィスは作業スペース+事業インフラ(ネット環境+コピー+打ち合わせ&会議スペース)であり、コワーキングスペースだとそこに+入居者の交流、インキュベ―ションオフィスだとそこに法律会計サービスや起業ノウハウ支援、セミナーなどそこに支援的なものが加わる感じです。したがって付加価値的にはインキュベ―ションオフィス>コワーキングスペース>バーチャルオフィスの順でしょう。

似ていますがビジネスモデル的には異なる部分があると思います。コワーキングスペースやバーチャルオフィスは適度な快適さ+安さでコストパーフォーマンスが最優先かと思いますが、インキュベーションオフィスの場合もコストパーフォーマンスも大事ではあるのですが、個人事業というよりもベンチャー企業というステージで始めたい人向けだと思います。したがって、コワーキングスペースやバーチャルオフィスの経営の場合、わりと小資本で古めのビルのフロアをきれいに改装した形のいわゆる価値転換タイプの用途変更型のビジネスモデルといえます。古いビルですから多少立地は良くてもオフィスとしては人気がなく賃料は安めです。そこにオフィスを改装してシェアオフィスにします。価値がないものを用途をシェアオフィスにすることで価値を飛躍的に高められます。古いビルのままだと家賃は低くせざるをえませんが、改装でかつシェアにすることで坪単価は飛躍的にあがるわけです。

一方インキュベーションオフィスはそもそもビル自体はある程度グレードの高いビルで、古いビルとかは使われないケースが多いです。シェアである程度坪単価は上がりますが付加サービスを入れても飛躍的に坪単価が上がるわけではありません。したがって、日本では民間企業よりも公的機関が運営しているケースが多いです(公的機関の運営では古いビルで非常に安い家賃というケースもあります)。森トラストが行うケースだとおそらくここで利益を上げるというよりも先行投資的で収支トントンで構わないという戦略ではないかと思います。そういった意味でインキュベーションオフィスは大企業、公的機関向きだと言えると思います

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開業率10%が達成できないわけ

2017.08.08

起業

昨日の日本経済新聞の記事で安倍政権が当初から課題としてきたベンチャー育成が思うように進まないということが載っていました。開業率10%台を目指すとしてきたのですが、15年度で5.2%と公約とは程遠い状況です。これに対し記事では銀行の融資姿勢で信用保証協会の保証を求めることが起業家の重荷になっているとしています。本来政府が13年末に「経営者保証ガイドライ」を設け「法人・個人の区分経理」「財務基盤の強化」「適時適切な情報開示」の3原則を受け入れれば銀行は信用保証の解除を検討するとしています。

確かに銀行はあまりこの「経営者保証ガイドライン」の適用にさほど前向きでないことは確かです。私も地方銀行や信用金庫の方々から関東財務局に何個か実例を出したいということを相談を受けたことがあります。要するに自分ではあまり積極的にやりたくない一方、財務局などには報告しないと叱責を受けるのできちんと顧客の財務を管理している士業にネタを提供してほしいということです。信頼置ける財務の専門家や優秀な経理マンを雇って3原則をやろうとする企業はたまに見かけますがそれは大体中堅企業です。割と急成長企業で資金需要が旺盛な企業にベンチャーキャピタル(VC)も含めた金融機関がきちんとそれにこたえられるかというとやや疑問です。

しかし、私の実感としては起業家や起業したての事業者、法人に対して日本政策金融公庫など政府系の融資姿勢は昔に比べかなり借手に優しく、きちんとした会計税務顧問がついていれば、さほど融資を受けるのは難しいとは思えません。正直確かに急成長企業などに応える金融機関は少ないかもしれませんが、多少それは開業率に間接的に響いているかもしれませんが直接的な影響ではないと思います。特に若者においては私は起業のイメージというものが一つの大きな原因ではないかと思います。

起業のイメージが「秒速でX億儲ける・・・」や「寝ていても月収XX百万・・・」のような胡散臭いものか、「365日一日も休まず3年間働いた」といった超体育会系のようなものが多い気がします。ただし、多分普通はこのような極端なモノではないはずです。例えば、自分なども朝は5時から起きて夜は10時くらいまで働き土日も働いていたりしますが、一方で平日昼間にゆったりとランチやジム、観劇、美術館などを楽しんでいる時もあります。実はワーカホリックなGE時代よりも働いている時間は長いかもしれませんが自分でコントロールしているのでほとんど苦になりません。もう少し極端ではない普通の起業家の世界というものも若い人たちや起業志望者に知ってもらうということも大切ではなのではないでしょうか?

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