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エアビーアンドビーが民泊人材育成へ -ビジネスモデル発想法の観点から

2017.05.26

ABB

 

今朝の日本経済新聞で民泊仲介の世界最大手のエアビーアンドビー(Airbnb)が日本で民泊に係る人材の育成に乗り出すというニュースが取り上げられていました。実はちょうど5月19日の私のブログでAirbnbのビジネスモデルを検証した際、「能力モデル -フランチャイズ型」という形でビジネスモデルを強化することができるのではないかと書いたところでした。引用すると「例えば魅力ある人気のある民泊施設になるためにはということでスクールを開講します。これを加えることによってスクールという新しいキャッシュポイント(お金が稼げるポイント)と質の高い民泊場所の提供という2兎を得ることができます。」という形でした。

実際Airbnbが行ったのは正直申し上げて私の提案よりもう一ひねりしていました。多分日本における自社の経営資源を見て自社でスクールを開講するのは難しいと思ったのでしょう。Airbnbはパソナと提携してパソナが一般の会社員や主婦を対象に民泊の清掃やホームページ作成代行業務の研修を行って、民泊における代行サービスを育てることとしました。Airbnbは民泊を担う人材を育成しますが、その部分はパソナに任せ基本的には民泊側とその人材の仲介(マッチングモデル介在型)という形でビジネスモデルを構成しているように見えます。そして当然直接人材の仲介をすると派遣業法など業法違反になる可能性があるのでそこもパソナに任せているのでしょう。

おそらくキャッシュポイント(金銭的収入をえるポイント)としては仲介で一部パソナからバックマージン的なものをもらうのだと思われます。一方、清掃やHPの充実で民泊の価値も上がりAirbnbの本丸である仲介(マッチングモデルコミュニティ型)の収入も安定化してくるというメリットもあります。このようにビジネスモデルを改善していくということでどんどんキャッシュポイントが増えビジネスも安定化していくわけです。Airbnbの強みというのは様々なビジネスモデルの型を組み合わせて模倣しにくい仕組みをどんどん生み出しているところにあることがよくわかると思います。

私も中小企業の経営者や起業家(起業準備の方も含む)から良いビジネスモデルのアイディアありませんかと頼まれることはあります。ただ、基本的には私は他人が考えたビジネスモデルはダメだと思います。ビジネスモデルの型を組み合わせて美しいビジネスモデルを作ることは当然大事なのですがそれをやりきる実行力はもっと大切なのです。やはり苦しいこともありAirbnbもおそらく創業時は歯を食いしばって乗り越えたと想像されます。そういった意味で他人にアイディアをもらったものではダメで自分の頭で考えないといざというときに頑張れません。私が行うのは基本的によいアイディアが浮かぶように様々なヒントやアドバイスを与えお手伝いすることのみにしているのはそれだからです。基本的な考え方はセミナー等開催しておりますのでお気軽にご参加下さい。

直近のセミナーは以下です

http://www.entrelect.co.jp/other/b_model.html

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あなたもビジネスモデル次第ではエアービーアンドビーになれる(かも)?

2017.05.19

ABB

シェアーエコノミーの代表でウーバの方は日本で苦戦していますが、民泊のエアービーアンドビー(Airbnb)は順調に業績を伸ばしているようです。ただ、これを単なる「シェアエコノミー」と単純に考えるのではなくビジネスモデル的に考えていきたいと思います。ビジネスモデルデザイナー®として、中山匡氏の提唱した「小資本で起業するための7種22分類のビジネスモデルの型」で考えてみると面白い面が見えてきます。Airbnbはよく見ると様々なビジネスモデルの型の組み合わせであることがわかります。

まず、Airbnbは複数の民泊の貸手と借手を結びつける仲介ですがネットで一種のコミュニティのようなものを巧みに形成しており「仲介型-コミュニティモデル」であることがわかります。加えて、貸手はホテル業などのプロではなく一般の宿泊とは関係ない人を発掘して事業化していますから「事業家代行モデル(プロデュース型)」であるわけです。さらに、貸手と借手についてそれぞれ評価をされるわけで、単なる情報の羅列ではなく整理されたデータベース「情報整理モデル -データベース」になっています。そして、最後ですが貸手の単なる住居をホテルに価値転換しているのですから「価値転換モデル -用途変更」なわけです。このようにAirbnbは4つのビジネスモデルを巧みに組み合わせていることがわかります。

さて、「あなたもAirbnb」になれるということで7種22類の型を使ってAirbnbのモデルをどのように進化させるか考えてみます。一見もうこれで完成形のような気がしますがまだまだビジネスモデル的に発展させることは可能です。思い付きレベルですが少し考えてみました。一つは「パッケージモデルー複数手続き代行型」という方向性があります。民泊で泊まる外国人は宿泊場所だけでなくそこまでの交通手段や食事、観光ガイドなど複数のアイテムが必要かもしれません。このあたりもウーバ的な宿泊場所までの交通手段、一種の民食のような日本の家庭料理食べさせてくれる場所、浅草に詳しいおばさんみたいな人を組み合わせてパッケージで提供すれば非常に満足度は高くなります。いわゆる面倒だと思う手配を一気にやってくれればそこに大きな付加価値がつくモデルです。もう一つ考えてみたのは「能力モデル -フランチャイズ型」です。例えば魅力ある人気のある民泊施設になるためにはということでスクールを開講します。これを加えることによってスクールという新しいキャッシュポイント(お金が稼げるポイント)と質の高い民泊場所の提供という2兎を得ることができます。

このようにビジネスモデルを型(フレームワーク)で考えると優れた企業のビジネスモデルの分析だけではなく、新しいモデルを考えたり現状のモデルの発展に役立つと思われます。ご興味のある方は以下で入門講座をやっておりますのでのぞいてみてください。

https://www.reservestock.jp/events/188336

http://www.entrelect.co.jp/other/b_model.html

なぜ日本に研究開発型のベンチャーは少ないか -理系音痴から見た研究開発の動向

2017.05.15

Research

今朝の日本経済新聞で日本のGDP(名目国内総生産)に対する研究開発費の比率は3%と欧米とそん色ない一方、営業利益との比率でみると欧米の3分の1と効率が悪いと取り上げていました。この原因として研究開発費の大企業が占める割合が日本は89%でほぼ大企業であり、そして大企業における研究開発は9割が既存技術の開発で占められているからと解説しています。目先の開発を追った方が短期的には利益につながるのではないかと思うこともあり、「既存技術の開発」が「営業利益が低い」理由としては弱い説明だとは思います。ただ、現在の大企業中心の研究開発の効率性の悪さは確かだと思います。

私のあくまで印象ですが日本のベンチャー系で優秀な人が多い分野は営業・マーケティング系と技術系ではIT系が多い気がします。そしてIT系の技術者の場合、割と個人で勉強してきたオタク系の特に優秀な大学(院)を卒業したわけでもない方でも、優秀な技術者は存在しており、そのような方々は割とベンチャーなどでも活躍しています。一方、実験設備などが必要なその他の分野はやはり優秀な方は一流大学の大学院卒に集中しており、かつ大企業に集中している気がします。これもあくまで個人的な印象ですが厳しい受験勉強のある意味弊害なのか、とにかく勉強することが好きです。ひたすら論文を読み、学会などで情報収集をして勉強するのですがインプット偏重でアウトプットは比較的言われたことを淡々とこなす方が多い気がします。ただ、実際、島津製作所の田中氏や、青色ダイオードの中村氏などのノーベル賞を受賞できるような革新的研究を生む研究をやられた方も企業にはいらっしゃるので、自分の見方は誤りかもしれませんが、このような技術系の方は少ない、または減っている感は強いです。

日本の大企業もこの部分オープンイノベーションによりベンチャーや大学の研究機関と連携する取り組みを増やしているようです。ただ、これもまだ顕著な成功例はあまり見かけません。一つにはやはり日本の大企業の意思決定など動きの遅さが挙げられるでしょう。以前ベンチャーの役員をやっていた際、ある大企業と技術開発の提携交渉を行ったのですが、こちらサイドは基本的には技術者(インド人)と社長と私の3人、しかし先方は何と15人くらいでした。どうやらこの会社においてはいろいろな分野と関係するのでたくさんの方々が出てきたようです。よく理系の研究の問題点で割とタコツボ的に研究が進み、業際的研究というものは割と弱めということが挙げられますが、この企業でもそのような傾向なのではと推測されました。ただ、私のイメージではこういった提携の取り組みを始めるのに必要なのは、提携の必要性を判断できる方と意思決定できる方(または直接具申できる方)がいれば十分でその他の方は不要です。それだけが原因ではないですが、やはりとにかく進みが遅くこの提携は流れてしまいました。

まとめるとIT系を除き、優秀な人間はベンチャーには流れてこない。かつ優秀な一流大学卒は「勉強熱心」だが「研究成果」は言われたことを淡々とこなすタイプが多い、そして大企業の研究職はタコツボ的でかつ意思決定が遅いこのあたりが原因ではないかと思います。ただ、あくまで理系音痴が外からかいま見た印象で書いていますのでそのあたりご容赦いただければと思います。

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起業家から見る大学の効用

2017.05.12

東大

今、大学の無償化が話題になっています。教育国債などを使って大学までの教育を無償化しようという案がその一つです。少子化対策としてということですが、因果関係が不明です。確かに私にとっても子供の教育費、特に大学の学費は頭の痛い問題ではありますが、だからと言って子供をつくるのを止めようと思ったことはありません。確かにいまだ家庭の事情で本当は大学に行きたいのに行けない方々が皆無とは言えませんが、それは奨学金等の利便性を高めて個別に対応すべきで大学の無償化で巨額の税金をつぎ込むものではないと思います。ただ、ここでは国の財政問題ではなく、非常に個人的な視点から起業家という面で大学の効用をみて行きたいと思います。

私もさまざまな職種の起業家とお付き合いしています。あまり大学名を気にすることはないのですが、自分の印象としては大卒かどうか、大卒でも一流大学卒かそれ以下のランクかであまり成功の度合いが変わる印象はありません。一流大学卒で成功されている方の印象はどちらかというと着実にまじめにやるべきことを一つ一つこなして成功している感があります。一方そうでない成功者はとにかく発想がユニークで思い付きのようなことでいろいろ試し、失敗しながらも成長していきます。前者では大学で真面目に調査・研究をやっていた経験が役に立っているような気がしますが、後者の方にとっては少なくとも今の日本の定型的な高等教育は時間の無駄のような気がします。

一方、今度は経営者として成功している方に従業員のことを聞くと上記のタイプに係らず言うことはほぼ一緒です。「例外はあるがやはり一流大学のやつの方が明らかに使える」です。現代の教育は「言われたことをきっちりやる」ことには非常に適しているようです。日本の教育は「言われて事をきっちりやる」人間を育てることには成功したと思いますが、とにかく好奇心旺盛でどんどん新しいことを創りだすユニークな人たちは我慢ができない単なる勉強できない落ちこぼれと遇している気がします。そうやって本来伸びるはずの芽を摘まれ腐ってしまった方も少なくないのではないかと思われます。当然、「言われたことをきっちりやる」サラリーマンタイプもまだまだ世の中では必要ですが、AIが判断できる未来は、こういったユニークな人たちをどうやって増やし腐らせないようにするかを真剣に考えることが日本の教育の質として最も大切なことなのではないでしょうか?

ちなみに私は着実にまじめにやる「つまらないタイプ」ですが、ユニークタイプは失敗も多いのでせっかくうまくいっているのに脇が甘く致命的な失敗で倒産となることもあります。そういった意味で、ユニークタイプは経営の補佐役として「つまらないタイプ」を持っておくことをお勧めします。経営にはアクセルだけでなくブレーキ的なものも必要ですから。逆にコツコツ型はさまざまなフレームワークを使うことをお勧めします。私たちが提唱している7種22分類のビジネスモデル発想法などはお役にたてるかもしれません。

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高度プロフェッショナル制度は単なる残業ゼロ法案か?

2017.05.08

safin

高度プロフェッショナル制度(正式には特定高度専門業務・成果型労働制)を導入しようと安倍内閣は考えているようです。一方、民主党などは単なる過労死・残業ゼロ法案だと反発しているようです。少し内容をみて行きたいと思います。

現行の提案は年収1075万以上(労働者の平均年収の3倍)を超える高度な専門職(金融商品の開発、ディラー、アナリスト、コンサルタント、研究開発)に対しては時間外、休日、深夜など一切の割増賃金が支払われないというものです。ただし、始業から24時間以内に継続した休憩時間、4週間に4回、年間104日の休日はもうけなくてはいけないことになっていて、かつ健康管理として働く時間に上限をもうけることになっています。そもそも金融商品の開発、ディラー、アナリスト、コンサルタント、研究開発は成果が出ないと意味がない職種なので無意味に長く働かせるインセンティブは企業側にはないと思われます。また、研究開発は少し違いますが金融・コンサルは非常に流動性の高い職種なので理不尽な労働上環境だとどんどん人材が流出すると思われます。小さく生んで大きく育てるとの見方でいったんこの法案が成立するとどんどん年収基準は下がり、専門職の範囲も拡大していくだろうという心配もあるようです。しかし、この方向に行くのはおそらく確かだと思います。

多少楽観的すぎる見方かもしれませんが、高度プロフェッショナル制度でどんどん柔軟な働き方が進んでくるのではないかと思っています。イメージとしては「社員をサーフィンに行かせよう」という米カリフォルニアのアウトドアウェアメーカーのパタゴニアの創設者が言った言葉です。狙いは社員一人一人がプロとしての自覚をもって自己管理をして効率的に仕事を行うという考えです。いい波が来たら平日昼でもサーフィンに出かけるけどその分時間をうまくやりくりして自分の仕事をきっちりやるということです。できたら企業規模の大小にかかわらずこういった働き方ができる社員や組織を生み出せたら素晴らしいことではないでしょうか。一方横並びで暇なのに周りがやっているからダラダラ会社に残る、こんな経験をしたことのないサラリーマンは珍しいと思います。高度プロフェッショナル制度がこういった風潮に風穴を開けてくれればと期待しています。そういった意味で、毎朝の朝礼に出社を強制される(マーケット相手のディラーは仕方ないと思いますが)とか時間に関して上司の許可が必要(知らせることは必要と思いますが)など実質時間管理をしているなどの単なる脱法行為でないかは労働基準監督署などが目を光らせておく必要があるとは思います。

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日本郵政のトール社の買収失敗はなぜか

2017.04.26

JP

日本郵政が豪国物流会社トール社の減損で4003億円の損失を出すこととなりました。これは2015年に6200億円で買収したトールのブランド価値を占めすのれんを一括償却したためです。その原因についてはトール社の営業利益が当初の予測の408百万豪ドルから69百万豪ドルと大幅に低下する見込みとなったからと発表しています。日本郵政の長門社長は「当時(買収時)の査定が甘く買収額が高かったのではないか」と述べて言う一方「現地に任せすぎていた」とも述べています。買収時のEBITDA倍率(買収価格を税引前利益に償却費用を加えたもの≒キャッシュフローで割ったもの)は9.2で、やや高めではありますが許容の範囲内ではあると思います。東芝の買収のように一種の潜在負債のようなものがあったわけではなく、プレスリリースで伝えるように豪経済の不振であれば少なくとも「査定が甘く買収額が高かったこと」が今回の減損の根本原因ではありません。

むしろ日本企業の海外企業の買収でよく聞く「現地に任せすぎていた」が根本原因だと思います。25日に発表されたプレスリリースを読むとトール社の弱みということできちんと分析されています。まとめるとトール社はM&Aで成長してきた会社ですが統合が不完全でバックオフィスやITなども統合されておらず高い固定費率だったということです。もしかすると外部のコンサルティング会社などを使ったのかもしれませんが明確に不振の分析されており、さすが優秀な方々がいらっしゃるのだなと思われました。一方で、これは別に今起こったことではなく買収時には存在していたことです。このような分析をしていなかったか活かされていなかったわけです。つまり買収しっぱなしで日本郵政としてPMI(買収後統合)を全くやっていなかったことになります。日本の一流企業でもデューデリジェンス(買収監査)でいわゆる資産負債の査定と法務(リーガルチェック)だけ行い、このような企業の経営上の問題点など将来事業成績に影響を与えるような事項分析であるビジネスデューデリをほとんどやっていないことが多いことに驚きます。ビジネスデューデリをやっていないわけですから統合の絵も描けずPMIはやらない、「現地に任せっぱなし」になるわけです。

本来はビジネスデューデリを買収前に行っており、そこである程度事業戦略を固めて買収後は一気に(ある程度再調査などは必要なケースはありますが)統合手続きに入るべきでしょう。買収された側というのは不安なものですが、どちらかというと「何かおこるのではないか?」という将来の不安の方が大きいものです。最初に一気に「やることはXXです」とアナウンスして一気呵成にやる方が、たとえ従業員にとって苦い現実であっても先の見えない不安よりはましです。まとめると、今回の減損は経営陣のリーダーシップの欠如とM&A戦略の未熟さが原因の人災と言えると思います。

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補助金と助成金

2017.04.14

注記朝

新しい年度が始まるとぼちぼち問い合わせが来るのが補助金と助成金についてです。基本的に私はお役所相手の書類仕事は苦手意識があるので提携している他士業の方にお願いしています。補助金と助成金ですが違いは助成金は資格要件を満たせば受けられますが、補助金は決められた予算の中で競争があり必ずしも受けられるとは限りません。。

補助金は予算ありきなので、突然中小企業庁のHPに公募がのり2か月くらいで募集が締め切られるケースが多いです。ただし、たいてい例年時期は決まっているのでそれに備えて準備していなければまず無理です。採択率も10%~50%とまちまちです。中小企業にとっては膨大な書類を用意することになるので補助金書類作成が得意な士業に頼むこととなります。採択率が低いため成功報酬の形が多いので、採択率が低くかつ補助金の額も低いもの(たとえば以前あった第2創業補助金は採択率が10%くらいで金額も100~200万程度でした)は普通誰もやってくれません。したがって、「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」(以下「モノづくり補助金」)のような1000万レベルの補助金が事業者、士業ともに人気となります。しかし、例えばこのモノづくり補助金を取ると真に革新的モノ作りやサービスをやろうとする方が年2回程度の公募と審査を悠長に待って投資するとは思えず、スピード感的にお役所感覚とは随分違う気がします。要するに補助金はお役所の「供給サイドの発想」で行われており、使い勝手は全体に悪く意味があるのだろうかと首をかしげます

一方助成金ですが資格要件を満たせばもらえますし、年中募集しているので使い勝手はよい感は強いです。一方巷では「助成金とらせ業」がはびこっています。自社製品・サービスを買ってもらうために助成金をセットで売り込む業者です。人間不思議なものでタダで手に入るものだとたいして吟味せず、安易にその業者の製品・サービスを購入してしまいます。要するに潤うのはその業者だけということです

多少意地悪な見方をしましたが補助金や助成金は中には非常に役立っているケースもあるかもしれませんがきわめて効率の悪いやり方に感じます。同じ税金を使うのでしたら違うやり方があるのではないかと思った次第です。

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社外取締役の報酬は低すぎるか?

2017.04.10

社外役員

日本経済新聞で社外取締役の報酬が低すぎるという記事が載っていました。参画の度合いや責任に対して十分な報酬を受け取っていないのではないかとし、日本企業の社外取締役の報酬年額は平均は669万円で米国企業に比べ4分の1だと述べています。その原因としては年報酬100~499万が全体の38%と中堅以下の企業の報酬が安く設定されいるのが大きな要因とされています。年100万以下の企業も5%程度あったというのはさすが驚きましたが。

以前、弁護士の社外役員(監査役含む)をされている方対象に不正会計の講師をやらせていただいたことがありました。中堅レベルの会社の社外役員の方が多かったのですが、その際悩みとして挙げられていたのが事前資料の問題でした。取締役会の事前にきちんと討議内容についての資料が送られていればいい方で、当日になって初めて渡されて説明を受けるといった企業もありました。事前に送られてきて前日など直前の場合も多くあまり目を通す時間がないとのことでした。

このような状況であれば使う時間も限られており社外取締役本人も真面目な方は悩まれると思いますが、少なくとも報酬が安いとは感じないと思われます。「報酬を上げる→社外取締役を含めてのきちんとした討議ができる」というベクトルよりも「社外取締役を含めてのきちんと討議する体制を構築する→社外取締役にきちんと時間とってもらう→労力、時間に合わせた適切な報酬を設定する」というベクトルの方が健全かと思います。社外取締役の報酬が低いと取締役会が形骸化するではなく、取締役会が形骸化しているから社外取締役の報酬が低いという因果関係かと思います。

そろそろ社外取締役の数などよりも例えば討議事前資料の準備度など実質的な取り組み、体制についての議論を深める時期になってきているのではないかと思われます。

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残業100時間くらいじゃ人は過労死しない!

2017.04.04

zanngyou

月曜日の日本経済新聞で残業規制を100時間以下にするか未満にするかで連合と経団連側でもめたと掲載されており非常に空しい思いをしていました。暴論に感じるかもしれませんが月100時間を超える残業ペースで働いたとしても簡単に過労死はしないと思います。そして、過労死には精神的な要素が多くあると思います。精神的な要素と言っても過労死する人間は精神的にひ弱だったとか言う話ではありません。簡単にいうと「働いても」過労死はしないですが「働かされる」と過労死は増えると思います。全くクローズアップされない労働時間的にブラックな世界として開業2~3年くらいのフリーランスを考えてみてください。ようやく仕事をとれ始めてとにかく仕事をするのがうれしくて労働時間無限大くらい遮二無二仕事をされた方は多いのではないでしょうか?こういったケースで過労死することはあまりないと思います。一方サラリーマンは無駄な残業で「働かされる」ために精神的に参ってしまうケースが多い気がします。私は無駄な残業を「制度的残業」「大企業型残業」「中小企業型残業」の3つに分けてみました。

「制度的な残業」はその会社(または部署)で残業が制度化されてしまっているケースです。例えば私の友人が働いていたある大企業の財務部の話です。この会社の財務部では6時の終業の30分前くらいに必ず夜食表が回ってきます。そして夜食を食べると少なくとも9時までは会社にいることが不文律となっていて、かつ夜食を注文しないと必ず誰かから「今日は早く帰るの?」と声がかかるそうです。要するに実質的な定時が夜9時になっているわけです。ここまで極端な例ではないですがなんとなく忙しくてもそうでなくても帰社が早くとも夜8時~9時の不文律がある会社はあります。上層部による夜XX時以降の残業は禁止という強制は無駄だという声はありますがこの「制度的」無駄な残業を防ぐ役割は果たすと思います。

「大企業型残業」は大企業に多いタイプの残業です。大企業では「XX企画本部」とか「XX戦略室」などの企画・管理の部署が増殖しがちです。このような部署が真に会社の戦略・方向性を定めて引っ張っていくケースもあるのですが結構無駄に残業を増やす元凶になることも多いです。このような部署は出世コースの仕事熱心な方が多く配属されます。しかし、悲しいかなこの部署だけでは通常何も付加価値を生み出しません。したがってやたらと現業部門に資料の作成を求め様々な管理手法を編み出してどんどん現場の仕事を増やしてしまいます。大企業にありがちな顧客ではなく内部資料を作成する時間が増えてしまうわけです。これを防ぐためには上層部がきちんと企画・管理系の部署が増殖しすぎないよう目を光らせているのと同時に、「クレクレタコラ」になってやたらと資料の厚さを競うことのないよう留意する必要があります。

「中小企業型残業」は立場の弱い中小企業に多いタイプの残業です。利益率が低く理不尽な顧客が多いケースです。利益率が低いととにかく量でカバーしなくてはなりません。そして不思議に利益をくれない顧客に限ってクレームも多く、非常に厳しい期限や価格に合わないサービスを求めたりします。このような理不尽な顧客のために仕事をしていると当然従業員の心も疲弊しますし荒廃します。対処法としては下請けなどの場合は非常に苦しい選択となりますが長い目で見るとこのような顧客は切るという思い切りが大切だと思います。

別に長時間労働を推奨するつもりはないですが、本当に必要ならばある程度長い時間働いても何とかなるものです。創生期のベンチャーなどは労働時間的にブラックですが、みな「働いてる」のであって「働かされる」ではないためつらいこともあるのですが基本的には皆ハッピーなのだと思います。

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森永製菓と乳業の統合破綻

2017.03.31

morinaga

森永乳業と森永製菓が経営統合を白紙に戻したという記事が今朝の日経に載っていました。記事の論評は大型再編が続く世界の状況で出遅れた、好業績で危機感が薄く合理化を拒んだと非常にネガティブな論調です。世界の食品の統合として米クラフトとハインツの経営統合、日本では明治製菓と乳業の統合で明治ホールディングスが生まれています。

私の持論ですが、基本的に対等な合併や統合は成功しません。この森永製菓の幹部の発言にあるように「エネルギーを合理化などの内部に使うのは時期として良いものなのか」というのは確かに危機感の薄さは感じますが納得できるところはあります。世界のグローバル企業では合理化を進めながら成長するなどというのは当たり前のことで合理化しているから成長に力が注げないというのは一般的には理解できません。しかし、対等に統合すると、必ず元自社のやり方に固執する有力者が出てきて必ずもめます。そして内部のパワーゲームなどでかなりエネルギーを消費してしまいます。したがってこの幹部の言うことは理解できるわけです。

統合や合併などでは必ずどちらかが主導権を握らないとうまくいきません。企業の理念などは主導権を握った方に合わせてもらい合わない人材は去ってもらうくらいで良いと思います。しかし、それ以外は別に主導権を握った方に合わせる必要はありません。主導権を握った方のリーダー(一般的には社長)がお互いの意見を聞いて合理的な判断で素早く決めていけばいいわけです。このあたり一流米国企業のリーダーは凄くて平気で被合併会社の仕組みに大部分が乗ってしまったりこのあたりは柔軟です。このあたりのスピード感と切れ味がある日本人の経営者というのは少なくて、日本企業が合併・統合しても民主党のようなまとまらない弱者連合になってしまう例が多い理由の一つだと思われます。

そういった意味で主導権を握れるほどパワーのある経営者がいない中での統合を選ばなかった森永製菓と乳業の選択は残念ながら正解と言わざるを得ないかと思います。

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