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中小企業のオッチャン的に今の日本の政治を考える

2017.07.26

kokkau

今朝の新聞を見ると一番大きな扱いは加計問題で安倍首相がいつ学校法人「加計学園」の獣医学部創設でいつその情報を安倍首相が知ったかについてのことについてです。その一方で社会保障費は17年度「5000億円の増加に抑えた」、介護保険料はまた値上げされて年収841万円の大企業のサラリーマンであれば月5668円も支出が増えるということで実は消費税2%値上げよりもインパクト多そうなのですが全然騒ぎにならないのは不思議です。この中でプライマリーバランス(基礎収支)赤字を20年までになくすという案は消えつつあります。このような状況であまりにも国の財政は桁が大きくイメージがわかないので中小企業のオッチャン的に考えてみました。

ざっくりいうと今年は売上収入5000万円ですが営業支出は7000万円かかっていて2000万円の赤字です。これだけでも真っ青ですが借金は10億円あって毎年1300万の元本返済と1000万円の利払いがあります。ふつうこのような2000万+1300万+1000万=4300万分の不足はやりくりできないのですが日銀という優しいメインバンクを中心として支えてくれています。この仕組みが破綻すると負担するのは国民という株主たちなのですがあまり気にしません。このようなつぶれないのが不思議なくらいの中小企業がポーンと1万円社長の友人の得体のしれない団体に寄付しました。寄付に関与して社員は「社長の天の声」があったと言っていますが社長は「そんなこと言っていない」と言った言わないの議論が続いています。なんでつぶれそうな会社の社長が1万円も寄付するんだと怒るのは全く分からないわけではありませんが、毎年2000万の赤字と10億円の借金の方が株主としては気にかかります。1万円の寄付の話で数か月も議論するならば借金をどうやって返すんだという話の方が大事なような気がします。傲慢に聞こえるかもしれませんがオッチャンの立場的にいうと「そんな細かいこと覚えていねえよ」と言いたくはなります。結構業績が悪くつぶれそうな会社に限ってどうでもいいことでもめて時間がかかっていたりしますが、これも典型的な例だと思われます。

国民的には知り合いによくわからない寄付をして、かつ開き直られてムカツキはすると思うのですが、一方で「いつまでもそんなこと議論するなよ」というところもありそのあたり自民党と民主党が単に刺し違えているだけのように思われてなりません。結局究極的には「言った言わない」の話ですから解明は絶対されないことはわかっています。だれか力のある超党派の議員さんが「もう止めよう」と言ってくれないですかね。

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有休取得率を高めるには

2017.07.19

 

経団連で会員企業に対し働き方改革として様々な数値目標を各社に定めてもらうことにするようです。その中で4連休の休日取得率なども含まれています。経団連が決められることではないですが、有価証券報告書の従業員の状況に社員の有休休暇取得率を載せればもう少し真剣になると思いますが・・・。日本企業の有休取得率は国際的に低いと叫ばれ続けて結構久しいものがあります。その一つとして、有休休暇は経営陣が当然に想定しておかなければならないコストであると認識してもらう必要があります。

少し話題が変わりますが、私は国際的な企業から日本の会計基準で作成した財務諸表からIFRS(国際会計基準)対応になるために修正を入れるよう依頼されることがあります。代表的なものが有給休暇引当金です。かなり日本基準はIFRSに近づいているのですが、のれんの償却と並んで変更がされない項目の1つです。多少乱暴目に簡単にいうと未消化の有給休暇残高日数分の給与合計を負債として認識するものです。考え方としては給料を払っても休みを取って働かない日があるのですからその分他の人で埋めなければなりません。その部分は負債として見込んでおこうというものです。そもそも有給休暇部分を会社の負債と経営陣がきちんと見込まないのですから理論的に有給休暇取得は増えません。ただし、引当の計算で有休の取得率が実績として低いと負債の額は低くなります。これが導入されると財務諸表を見て有給休暇引当金が平均給与水準と社員数から見て低いと有給休暇取得率が低いことが財務諸表を見ただけでざっくりですがわかってしまうわけで、このあたりが日本企業が「日本の労働慣行になじまない」と反対している理由かもしれません。そもそも「その労働慣行」を変えようとしているのにここで反対するというということは本当は変える気がないと思われても仕方ありません

欧米企業で有給休暇取得率が高い理由の一つに社長や役員クラスがきちんと休みを取ることがあります。私が以前いたGEはワーカホリック(仕事中毒)のスパルタ企業として米国でも有名でしたが私のいた消費者向け金融部門の社長は1か月、上級副社長(事業部長クラス)は3週間、副社長(部長クラス)で2週間、マネジャー(課長)クラスで1週間と偉い順に休みを多くとっていました。(万年)平社員は2~3週間と長くとる人も多いですが、冗談ですが上から4週間→3週間→2週間→1週間ですから当時マネジャーだった私の部下にたいして「この算式だと君たちの有休はゼロだね」と言っていました。しかし実際、上を目指す平社員の若手はほとんど有休ゼロで必死に休みなく働き、マネージャークラスになると多少休めるようになります。このあたりは格差社会の米国らしいです。ただ、この仕組みだと偉い人がいないわけですから、それ以下の人は非常に休みやすいわけです。偉い人がきちんと休めば全体的な有休取得率は高くなると思います。有給取得を増やそうと言っている経営陣自体が休まずにいたら誰も信じません。本来偉い人は自分がいなくても日常的な業務は動くように設計するのが仕事なはずですから・・。

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監査厳格化で品質は向上したか?

2017.07.07

kannsa

「揺れる監査法人」という連載記事が今日本経済新聞で行われています。現在の「監査厳格化」での様々な問題点を取り上げている記事です。私はブログでは現在の「監査厳格化」という流れに対し批判的ですが、特に当初は一定の効果はあったと思っています。以前は大手監査法人といっても中小の監査事務所の集まりといった感じで、各部署にドンのような偉い先生がいてやり方、品質がバラバラだった気がします。

私は外資系の大手事務所だったのでかなり厳しく指導された記憶があります。新人のころは監査調書という監査記録も上司がしっかりチェックをして、きっちりと監査手続きをしたという心証ができるまで何度も書き直しをさせられました。そのためお客様に再度追加資料お願いして、深夜まで調書を事務所に戻って書き直して上司に再チェックをお願いしたことを覚えています。一方国内系の某監査法人と共同で監査を行った際などはほとんど調書などは作成しないことに驚きました。簡単にいうと結論は担当の大先生が会社の方と話をして重要な会計処理を相談して、そこでほとんど決まってしまいます。したがって、現場は大先生から指示された部分をチェックしてそれで終わりだったからです。この「部屋制度」というような大先生が自分の顧問先を独占して他部署は一切口を挟まないような仕組みはほぼ完全に姿を消しました。しかし、会社と大先生の結びつきは悪くいうと癒着だったかもしれませんが、よくいうとほぼ「会社側の一員」に近く密接なつながりがあったので、会社側も腹を割って話をしてくれ、意外に不正などは少なかった気がします。

その蜜月に終止符をうったのが、カネボウ事件で「会社の一員」として粉飾を止める立場にあった会計士が逆に隠蔽に協力するという事態が起きました。信頼関係による制御は時代に合わなくなってきたのは仕方のないことだと思います。監査調書などもきちんと記載し、他のチームや本部がチェックするような相互けん制の仕組みができたのは全体としては品質のばらつきをなくし、高めたという意味では監査厳格の流れは一定の効果があったことは確かです

しかし、今は厳格化が単なる本部の中央集権化とマイクロコントロールになって形式主義化が目立ってきた気がします。サンプルが多くないので確かな情報ではないのですが、監査の品質が上がった印象はあるかと企業側の人たちと話をしてみると肯定的な答えは多くありませんでした。監査スタッフはとにかくやたらと資料を多く要求して後は部屋にこもって何をしているかわからない、パートナー(代表社員)は顧客のビジネスについてほとんど理解していないし、社長や役員との会議でも質問はマニュアルに書いてあるような定型的な同じような質問を毎年繰り返すばかりで時間の無駄だと思う、パートナーに会計処理の質問をしても本部に聞くというばかりでまともに答えられない・・など少なくともここ10年くらいはむしろ低下といっても良いのではないかという意見が多かったです

要するに上から下までマニュアルをこなして本部の品質管理部門に出す資料の作成に汲々として自分の頭で考えることがない姿が浮かび上がります。そのためマニュアルでカバーできない、本部などで評価できない部分などはおろそかになってきます。特に思うのは全般的リスクの部分で東芝のような巨大企業の場合やたらとチェックの数を増やしても不正の防止は無理で、様々な会社の中の方々とじっくり話をして会社のビジネスを理解してどこにその企業固有のリスクがあるかまずじっくり考えることが必要です。マニュアルは一般的にリスクが高い部分は細かく言及していますがその企業固有のリスクについては言及できません。本部の品質管理やその先の金融庁への対応が真っ先に合って、顧客の目線が不足するとこのような企業固有のリスクはまず発見できないでしょう。私は中央集権的な本部によるマイクロコントロールよりも現場に判断をゆだねる分権化にすこし針を向ける方が監査の厳格化と、品質管理の向上には資すると思います。いかがでしょうか?

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監査改革で欠けているもの

2017.06.28

azusa

最近若手の会計士から将来の不安について悩みを打ち明けられることがしばしばあります。いつでも将来の不安というのはあるものですがその質は変わってきたような気がします。我々のころは将来が全く分からないという漠然とした不安でしたが、今の若手は閉塞感を伴う不安です。私が働いていた1990年代、外資系事務所ということもありましたが見回すときわめて当時の同僚の現在はバラエティに富んでいます。当然そのまま監査法人に残る、または他の監査法人に移って監査の業務を継続しているケースもありますがそれは約2割、会計事務所を開いていわゆる税理士業務を行っているケースが2割、しかしあと6割は投資銀行、ファンド、大学教授、弁護士、様々な経営コンサル、事業会社経営(IT系が多い)および経営陣といった感じです。理由は当時は監査業務中心の経営コンサル会社といった性質があったからかもしれません。仕事自体は基本的に上層部から割り当てらるものですが、やりたいプロジェクトなどは手を挙げた人間が割り当てられる確率は高くなります。別に上層部はスタッフのキャリアパスなどおそらくほとんど考えていなかったと思いますが、皆自分で自分のキャリアパスを考えて仕事をやっていく環境がありました。好意に解釈すると上層部はキャリアパスをスタッフ自身が考える環境を与えてくれていたと言えます。そういった環境だとみな独立意識が強く、別に上司の言うままになることはありません。監査などでも会計処理や監査手法などをめぐって上司と侃々諤々の議論をすることもよくありました。

一方、現在は監査法人は「監査業務」だけを行う専業の企業になりました。「監査」という業務自体は企業経営をする上で役に立つ視点だと私は思いますが、それだけでは企業経営は全くできません。また逆に監査業務は公認会計士の独占業務なので大きな組織は監査法人でないと物理的に制度的に監査はできません。「監査業務専業」自体は顧客企業とのなれ合いを防ぐなど、理由はきちんとあること仕方のないことかもしれません。しかし、上層部の「スタッフのキャリアパスを考えない」という姿勢が環境が変わっても以前と変わらないのはどうなのでしょうか?組織なので上層部に行くほど狭くなっていくピラミッド型なのは仕方がありませんが、ここから漏れていく大多数のスタッフたちの処遇はどのようにしようと考えているのでしょうか?

実はアメリカで先例があります。アメリカは大手監査法人は戦略コンサルテイング会社、投資銀行と並ぶ優秀な大学生に人気の職場です。ただし、アメリカ人に聞くと3年長くて5年以上監査法人にいると(監査しかやっていないので)他の職業では使い物にならなくなるので監査を一生の職業にしたい人間以外の大多数が辞めて、MBAを取得したり様々な職業に転職したりしていきます。確かにアメリカで働いているころ元ビッグ4会計事務所(当時はビッグ6でした)のスタッフは財務・経営企画部門に幹部候補生として多数いました。いわゆるキャリアを切り開く入り口として最適とみられているわけです。一方、日本のいまだに硬直した雇用環境の中でアメリカの制度だけ(監査法人は監査専業)つまみ喰いしてもうまくいきません。アメリカ企業だとビッグ4出身者で事業会社に入ると幹部候補生で日本の会社でいうと課長一歩手前くらいの処遇で入りますが、日本の一般的な企業ですと入社3~5年目の社員と全く一緒(せいぜい資格手当+1~2万くらい)で完全な平社員でしょう。こういったことで全く魅力のあるものではありません。

せめて監査法人はグループの様々なコンサル会社や税務部門などと連携して多様なキャリアパスを用意するくらいのことは考えても良いのではないでしょうか?公認会計士は一般的には監査法人を経ないと資格がほぼ取れないので、監査法人が魅力のある働き場所にならないと公認会計士自体が魅力のある仕事になりません。現状だと他に行くところがないので上層部の顔色をうかがうサラリーマン集団になってしまい、「監査人の独立性」などは絵空事になります。こういったことが若手会計士の閉塞感になっていると思います。特に日本企業においてガバナンスを無力化する大きな要因に「上層部の顔色をうかがうサラリーマン化」が根底にあると思います。この根本的部分にメスを入れずして「監査改革」などを金融庁などが上から押し付けても「書類仕事」が増えるだけだと思うのは私だけでしょうか?

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富士ゼロックスの不正会計 -会計処理の面から

2017.06.14

XEROX

富士ゼロックスの第三者委員会の報告書の概要に目を通しました。本来は原文に目を通すべきですが、恥ずかしながらまだ見れていませんが非常に興味深いと絶賛されている方もいるようなので専門家としては是非目を通しておきたいものです。とりあえず手口としては非常に単純でなぜ内部通報があるまで外部・内部を含む監査で発見できなかったのか不思議なことです。

簡単にいうとコピー機をリースで販売した時、条件を満たせばほぼ「コピー機」の販売として販売代金まるまる売上に計上できます。この条件とは「売上に計上した代金を利子込みでほぼ回収できる」ことです。毎月の回収代金の中にはこの本体の代金の回収の他にコピー用紙やトナーなどの消耗品や保守管理費、金利などが混在していますから、本体の回収はできていると見せかけていたと想像されます。ただし、以下の2点から発見できた可能性は高いと推測されます。

まず、内部監査や外部監査でこのあたりの回収可能性は取引のサンプルをつかって普通はかなり綿密に調査します。特に内部監査の場合はビジネスの形態もよく頭に入っているのでこのあたり発見できなかったというのはどうしてなのでしょうか。また、第2にこのように回収できない部分が増えるとリース債権が脹れあがってきますからその点でも異常が判明すると思います。想像するに内部監査の権限が弱くてあまり突っ込めなかったか、スキル不足の要因が強いと思われますが、副社長が内部監査報告を握りつぶした点からも内部監査の権限が弱かったのではないかと思われます。

日本企業だと内部監査部門というと、出世コースから途中で外れてしまった方か純粋に外部から連れてこられた公認会計士などの専門家が属する部門でありどちらにしても傍流部門です。一方欧米系グローバル企業ですと上級幹部になるための有力登竜門の一つです。若手エリートが本社直轄で強大な権限を持ってやってきますので、受入れ側としては国税局の査察ほどではないですがかなり強制権を持って行い現地法人の社長などは内心戦々恐々です。彼らの報告内容は本社で厳しく査定され出世競争にさらされているので「何も問題がありませんでした」的なあなあ報告は許されませんので彼らも実は必死です。こういった緊張関係が子会社の管理において威力を発揮しており、ある程度日本企業も見習うべきと思います。余談ですが当然副作用もあり例えば私がGE日本法人財務部長代行だったとき逆に問題点を強引にねつ造しようとした米国本社の内部監査人と大立ち回りをやって結構有名人になってしまったことがありました。当然クビも含めた処分を予想していたのですが本社は公正に判断して監査人側にも行き過ぎがあったということでおとがめなしでした。

少し話はそれましたが、内部監査はむしろ買収した会社や海外の会社の場合重要性はなお一層増します。不正会計問題が起こるたびに日本企業で内部監査制度がきちんと根付くことを祈願してやみません。

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原子力だけでない気になる東芝の決算(決算雑感)

2017.04.12

NTT

東芝が第3四半期決算を発表しました。新聞誌上では2256億円の債務超過や原子力発電に絡む減損処理による5325億円の純損失、そして監査法人PWCあらたの監査意見の非表明などが話題になっています。私はそれ以外の決算発表で気になった部分をみて行きます。

気になるのは在庫の増加と売掛債権です。売上は減少しているにもかかわらず在庫が750億、売掛債権は475億増加しています。在庫の場合前期末に3600億程度一気に在庫を評価減も含めて減らした反動や季節変動ということも考えられますが資金繰りがただでさえ苦しい中、このあたりは財務部門が厳しくコントロールするはずなので経営状態的に目に見えないよくないものを感じます。

セグメント的に見ても今回稼ぎ頭はストレージ&デバイス1243億の売上で155億の営業利益をたたきだしており、約30%の売上と営業利益のほとんどをたたき出しています。そして今回の分社化はこの事業の中核であるメモリー事業ですからざっくりいう売上の30%が消滅します。そして原子力事業も売上は30%弱ありますのでこの2つがなくなると規模的には半分以下の規模の収益性もあまり高くない魅力のない企業となる姿が目に見えてきます。

こうやって数字をみて行くと残酷な現実が目に見えてきます。このような厳しい現実を見据えて今後経営陣がどのように対処していくかは逆に楽しみなところです。

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日本企業の海外子会社管理はなぜダメか?

2017.04.06

NTT

東芝がウェスチングハウス(WH)の不適切行為により存亡の危機になっています。今朝の日本経済新聞でWHのロディック会長が解任され、内部統制の不備があったということで調査が行われています。日本企業の弱点として特に海外子会社の管理が弱いことが挙げられます。よく英語や現地語が堪能な従業員の欠如が原因と言われますが本当でしょうか?

欧米系のグローバル管理に慣れた企業が買収などで手に入れた海外子会社にやることの一つに内部監査があります。ビジネス自体は本国の子会社が細かいことまで口をはさまないことが多いですが、会計と財務および内部統制については徹底的に行います。内部監査を行い問題点等を洗い出し、特にお金や会計数値が絡むことについては改善を要求し、このあたりは徹底しています。したがって不正の起こる余地はかなり少なくなります。

そして内部監査のメンバー構成が日本企業とはかなり違います。日本企業の場合、ひどい場合は出世コースを外れた吹き溜まり的部署、まともでもせいぜい監査法人、銀行出身者を外部から採用し充てるといった感じで傍流部門であることは同じです。一方欧米系グローバル企業では内部監査は若手エリートの登竜門となっています。したがって、内部監査で一般の方が想像する印鑑(サイン)が押していないといった重箱のスミをつつくようなものが主流ではなく、全般的リスクから内部統制を考えるといったリスクアプローチをきちんととることができます。企業が行うことなので形式より実質を重視したビジネス面にもきちんと目配りした現実的な内部統制を作り上げていくわけです。そしてこのような若手が海外子会社の社長やCFO(最高財務責任者)などに抜擢されていくわけですのでますます海外子会社の管理は強くなっていきます。

いきなり「語学にも堪能なビジネスや内部統制にも詳しい若手社員を育てよう!」などと言われても普通は無理で中小企業などは不可能とも思われるかもしれません。欧米系の企業も実は規模が小さいころはよくやっていたケースですが外部の会計コンサルタントと有望な若手を組ませて海外子会社の内部監査をやっていく手法です。多少英語が苦手でもコンサルタントがサポートしてくれますし、何か所かやっていけばそのコンサルタントのノウハウは企業のノウハウとなっていきます。すでに監査法人や銀行出身者を採用している企業であれば是非そのような人のノウハウを有望な若手に同様な方法で伝えることが大切です。

少し宣伝ですが当事務所では大手監査法人と比べるとかなりリーズナブルに海外子会社管理サポート承っていますので

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花王の売上が減るのはなぜ? -新会計基準

2017.01.06

IFRS

大きな会計基準の変更はしばらくありませんでしたが、久々にIFRS15号(顧客との契約から生じる収益)の導入企業が出始めました。花王が2017年12月期から前倒しで適用するようでその結果売上が一部減るようです。本来2018年1月1日以降の開始する事業年度から適用が義務付けられているのですが前倒適用も許容されています。この会計基準の導入により収益認識について企業によってかなりまちまちだった部分が統一化されると思われます。

花王の場合は日本経済新聞の記事によると大手小売業で自前の物流センターをもつ先に対しては直接その物流センターに商品を送っていました。その際大手小売業に払っている手数料に対しては今まで費用で計上していたのですが今後は売上から控除するため売上が減るというものです。この新会計基準の導入によって企業側は5つのステップで収益を認識することとなりますがステップ3の取引価額の算定で顧客に対して支払う対価は減額しなくてはならないケース(5.3.4)が多くなります。その点から検討して大手小売業に払っている手数料を売上から控除したのだと思われます。

このケースの場合は費用との純額なので利益額は変わりません。売上を総額で挙げるべきか純額で挙げるべきかではざっくりいうと純額で挙げるケースが多くなると思われます。多分企業側に大きな影響があると思われるのはステップ5の収益の認識の部分で「履行義務の充足」によって収益が認識されるという部分です。簡単にいうと「一定の期間にわたって履行義務が充足される」のか「一時点で履行充足されるのか」によって収益の認識時期が異なります。収益の認識基準が厳密になって今まで計上できたものが「履行義務が充足されていない」と判断されれば、されるまで収益の計上がされないという可能性があることになります。特に長期にわたって商品・サービスを提供したりする企業にとってはインパクトは大きいと思われます。今後の導入対策が必要かと思われます。

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気の毒な監査の現場

2016.09.29

監査法人

今日本経済新聞で「揺れる監査」という連載がされています。そこで典型的なエピソードが挙げられています。紹介すると、以前まで特に減損(簡単にいうと評価損を出すこと)を求められておらず状況も変わっていないのに「本部の品質管理担当の判断」である外食企業に担当会計士が突然減損を要求してその社長が怒っているという話です。私は現在は企業側にいるので、突然の業績変動に対する説明責任など怒る社長の気持ちがよくわかります。一方で監査法人にもいたので担当会計士の苦衷もよくわかります。

現在特に気の毒に思うのは現場の判断がほとんどできなくなったことです。本部の品質管理の権限がどんどん強くなり現場の最高責任者である代表社員(パートナー)でさえ、意思決定ができません。したがって、顧客から判断の相談をされても「本部で検討して返答させていただきます」のような単なるメッセンジャーになっています。顧客もそのようにとらえて監査人に対する尊敬はかなり薄れています。現場に権限がなくなるのでどんどん現場は考えなくなり、ひたすらマニュアル作業をこなす死んだ魚のような眼をした監査スタッフが多くなったような気がします。

一方で画一的に定められた基準で作業と作成資料は加速度的に多くなり監査スタッフは夜遅くまで長時間働くことになりました。監査を行ったその内容を記載する監査調書の作成に加えて、品質管理に提出する審査資料の作成がほぼ2重にあり、たまに監査法人がいる仕事部屋に入っていると現場の主査(チームリーダー)はひたすらパソコンで資料作成しています。チェックする請求書の数なども膨大な数をマニュアルで要求され、顧客に文句を言われながらひたすらチェックを黙々と行っているスタッフをみると非常に気の毒です。

私も約20年前は現場主査をやっていましたが、顧客の会計処理について意見を求められた際、たいてい自分の判断で許されましたし、まれにかなり難しい判断や顧客と判断でもめた際は代表社員の判断を仰ぐことはありましたがそこで終了でした。したがって、かなり仕事に誇りを持って行うことができ、顧客にも頼りにされていた気がします。

「監査の厳格化」というのがどんどん「判断に迷ったらとりあえず損失に、判断に迷う利益は計上させない」と同義語になりつつあります。会計上の判断が経営の方向性をゆがめるといったまずい方向に行っている気がします。

私自身監査法人に所属していないので感覚的な話で暴論かもしれませんが以下のように思います。

やはり金融庁などお役所の介入を許してしまったのは大失敗でしょう。お役所の調査は書類と形式でかつ重箱の隅まで細かくです。とにかく膨大な書類と形式が求められるようになって、きわめて形式主義になってきたようです。また、世間の風潮が現場と顧客の癒着を強調するので本部の品質管理の力が強くなりすぎたことがあります。まったく顧客のビジネスを知らない人間が判断するのですからその判断はマニュアル的形式的になりがちです。その本部の判断によって顧客が怒って離れてもそれは担当会計士の責任で本部は一切責任を取られませんので厳しい判断をしておけばいいだけです。私の昔の知人は、本部の品質管理が監査法人で一番人気がある部署で悲しい風潮だと愚痴を言っていました。

すぐには解決する問題ではないですが、「会計上の判断が経営の方向性をゆがめる」といったまずい傾向はボディブローのように効いてきます。どうなるのか心配です

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クラウド会計のFREEEは日本版ユニコーンか?

2016.09.26

Freee

日本経済新聞に日本のユニコーンという連載がされていて、その中でFreeeというフィンテックベンチャーが取り上げられています。私としてはクラウド会計ソフトの企業という印象が強く、なぜ「フィンテック」なのだろうかと思っていましたが金融機関との取引(銀行、クレジットカード)をAI(人工知能)を使って自動仕訳するからのようです。ややこの部分はフィンテックの拡大解釈のような気はしますが、この自動仕訳の部分は確かに以前の会計ソフトと比べると革新的です。私はあまり記帳の仕事はお受けしていませんが銀行の通帳や伝票を片手に一本一本仕訳を会計ソフトに入力するのは非常に面倒です。しかし、自動仕訳だと銀行のデータなどがそのまま会計帳簿に反映されます。ただし、最初は勘定科目の間違え(本当は外注費なのに仕入れになってしまったり)などがあるのですが、それを修正すると次回からはAIが学習をして間違えなくなります。記帳という意味では画期的に思われました。しかし、少し規模が大きな企業になると部門、機能別の費用の配分など複雑になってくるのですが、まだそういった面では足りない部分は多い感があります。今後の開発が楽しみです。

確定申告書にも連動しているので小さな個人事業主であれば税理士に見てもらう必要はなくなるかもしれません。しかし、税金の知識がないと申告書も誤りや税務上の特典の適用漏れなどは発生しやすいので、気になる方は税務申告書だけは税理士に見てもらった方が良いと思われます。これもAIの発達によってはかなり自動的にできる日々が将来来るのではないでしょうか?

将来Freeeに限らずこういったクライド会計の発展によって大きく経理や税務の仕事は変わってくると思います。経理は入力などの会計処理を行うのではなく会計処理の妥当性の判断業務や収益利益予測に重心が移ってくるのではないでしょうか?税理士の仕事も記帳、税務申告作成などの「代行型」から記帳の妥当性の判断や、事前に税務的な影響を診断するといった「コンサル型」に移行して行くのではないでしょうか?そういった大きく社会を変えていくという意味でFreeeは本物のユニコーンになるかもしれません。

余談ですが私もFreee アドバイザー(今のところ一つ星アドバイザー)として「代行型」から「コンサル型」へ移行しています。お問い合わせは↓まで

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