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会計

原子力だけでない気になる東芝の決算(決算雑感)

2017.04.12

NTT

東芝が第3四半期決算を発表しました。新聞誌上では2256億円の債務超過や原子力発電に絡む減損処理による5325億円の純損失、そして監査法人PWCあらたの監査意見の非表明などが話題になっています。私はそれ以外の決算発表で気になった部分をみて行きます。

気になるのは在庫の増加と売掛債権です。売上は減少しているにもかかわらず在庫が750億、売掛債権は475億増加しています。在庫の場合前期末に3600億程度一気に在庫を評価減も含めて減らした反動や季節変動ということも考えられますが資金繰りがただでさえ苦しい中、このあたりは財務部門が厳しくコントロールするはずなので経営状態的に目に見えないよくないものを感じます。

セグメント的に見ても今回稼ぎ頭はストレージ&デバイス1243億の売上で155億の営業利益をたたきだしており、約30%の売上と営業利益のほとんどをたたき出しています。そして今回の分社化はこの事業の中核であるメモリー事業ですからざっくりいう売上の30%が消滅します。そして原子力事業も売上は30%弱ありますのでこの2つがなくなると規模的には半分以下の規模の収益性もあまり高くない魅力のない企業となる姿が目に見えてきます。

こうやって数字をみて行くと残酷な現実が目に見えてきます。このような厳しい現実を見据えて今後経営陣がどのように対処していくかは逆に楽しみなところです。

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日本企業の海外子会社管理はなぜダメか?

2017.04.06

NTT

東芝がウェスチングハウス(WH)の不適切行為により存亡の危機になっています。今朝の日本経済新聞でWHのロディック会長が解任され、内部統制の不備があったということで調査が行われています。日本企業の弱点として特に海外子会社の管理が弱いことが挙げられます。よく英語や現地語が堪能な従業員の欠如が原因と言われますが本当でしょうか?

欧米系のグローバル管理に慣れた企業が買収などで手に入れた海外子会社にやることの一つに内部監査があります。ビジネス自体は本国の子会社が細かいことまで口をはさまないことが多いですが、会計と財務および内部統制については徹底的に行います。内部監査を行い問題点等を洗い出し、特にお金や会計数値が絡むことについては改善を要求し、このあたりは徹底しています。したがって不正の起こる余地はかなり少なくなります。

そして内部監査のメンバー構成が日本企業とはかなり違います。日本企業の場合、ひどい場合は出世コースを外れた吹き溜まり的部署、まともでもせいぜい監査法人、銀行出身者を外部から採用し充てるといった感じで傍流部門であることは同じです。一方欧米系グローバル企業では内部監査は若手エリートの登竜門となっています。したがって、内部監査で一般の方が想像する印鑑(サイン)が押していないといった重箱のスミをつつくようなものが主流ではなく、全般的リスクから内部統制を考えるといったリスクアプローチをきちんととることができます。企業が行うことなので形式より実質を重視したビジネス面にもきちんと目配りした現実的な内部統制を作り上げていくわけです。そしてこのような若手が海外子会社の社長やCFO(最高財務責任者)などに抜擢されていくわけですのでますます海外子会社の管理は強くなっていきます。

いきなり「語学にも堪能なビジネスや内部統制にも詳しい若手社員を育てよう!」などと言われても普通は無理で中小企業などは不可能とも思われるかもしれません。欧米系の企業も実は規模が小さいころはよくやっていたケースですが外部の会計コンサルタントと有望な若手を組ませて海外子会社の内部監査をやっていく手法です。多少英語が苦手でもコンサルタントがサポートしてくれますし、何か所かやっていけばそのコンサルタントのノウハウは企業のノウハウとなっていきます。すでに監査法人や銀行出身者を採用している企業であれば是非そのような人のノウハウを有望な若手に同様な方法で伝えることが大切です。

少し宣伝ですが当事務所では大手監査法人と比べるとかなりリーズナブルに海外子会社管理サポート承っていますので

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花王の売上が減るのはなぜ? -新会計基準

2017.01.06

IFRS

大きな会計基準の変更はしばらくありませんでしたが、久々にIFRS15号(顧客との契約から生じる収益)の導入企業が出始めました。花王が2017年12月期から前倒しで適用するようでその結果売上が一部減るようです。本来2018年1月1日以降の開始する事業年度から適用が義務付けられているのですが前倒適用も許容されています。この会計基準の導入により収益認識について企業によってかなりまちまちだった部分が統一化されると思われます。

花王の場合は日本経済新聞の記事によると大手小売業で自前の物流センターをもつ先に対しては直接その物流センターに商品を送っていました。その際大手小売業に払っている手数料に対しては今まで費用で計上していたのですが今後は売上から控除するため売上が減るというものです。この新会計基準の導入によって企業側は5つのステップで収益を認識することとなりますがステップ3の取引価額の算定で顧客に対して支払う対価は減額しなくてはならないケース(5.3.4)が多くなります。その点から検討して大手小売業に払っている手数料を売上から控除したのだと思われます。

このケースの場合は費用との純額なので利益額は変わりません。売上を総額で挙げるべきか純額で挙げるべきかではざっくりいうと純額で挙げるケースが多くなると思われます。多分企業側に大きな影響があると思われるのはステップ5の収益の認識の部分で「履行義務の充足」によって収益が認識されるという部分です。簡単にいうと「一定の期間にわたって履行義務が充足される」のか「一時点で履行充足されるのか」によって収益の認識時期が異なります。収益の認識基準が厳密になって今まで計上できたものが「履行義務が充足されていない」と判断されれば、されるまで収益の計上がされないという可能性があることになります。特に長期にわたって商品・サービスを提供したりする企業にとってはインパクトは大きいと思われます。今後の導入対策が必要かと思われます。

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気の毒な監査の現場

2016.09.29

監査法人

今日本経済新聞で「揺れる監査」という連載がされています。そこで典型的なエピソードが挙げられています。紹介すると、以前まで特に減損(簡単にいうと評価損を出すこと)を求められておらず状況も変わっていないのに「本部の品質管理担当の判断」である外食企業に担当会計士が突然減損を要求してその社長が怒っているという話です。私は現在は企業側にいるので、突然の業績変動に対する説明責任など怒る社長の気持ちがよくわかります。一方で監査法人にもいたので担当会計士の苦衷もよくわかります。

現在特に気の毒に思うのは現場の判断がほとんどできなくなったことです。本部の品質管理の権限がどんどん強くなり現場の最高責任者である代表社員(パートナー)でさえ、意思決定ができません。したがって、顧客から判断の相談をされても「本部で検討して返答させていただきます」のような単なるメッセンジャーになっています。顧客もそのようにとらえて監査人に対する尊敬はかなり薄れています。現場に権限がなくなるのでどんどん現場は考えなくなり、ひたすらマニュアル作業をこなす死んだ魚のような眼をした監査スタッフが多くなったような気がします。

一方で画一的に定められた基準で作業と作成資料は加速度的に多くなり監査スタッフは夜遅くまで長時間働くことになりました。監査を行ったその内容を記載する監査調書の作成に加えて、品質管理に提出する審査資料の作成がほぼ2重にあり、たまに監査法人がいる仕事部屋に入っていると現場の主査(チームリーダー)はひたすらパソコンで資料作成しています。チェックする請求書の数なども膨大な数をマニュアルで要求され、顧客に文句を言われながらひたすらチェックを黙々と行っているスタッフをみると非常に気の毒です。

私も約20年前は現場主査をやっていましたが、顧客の会計処理について意見を求められた際、たいてい自分の判断で許されましたし、まれにかなり難しい判断や顧客と判断でもめた際は代表社員の判断を仰ぐことはありましたがそこで終了でした。したがって、かなり仕事に誇りを持って行うことができ、顧客にも頼りにされていた気がします。

「監査の厳格化」というのがどんどん「判断に迷ったらとりあえず損失に、判断に迷う利益は計上させない」と同義語になりつつあります。会計上の判断が経営の方向性をゆがめるといったまずい方向に行っている気がします。

私自身監査法人に所属していないので感覚的な話で暴論かもしれませんが以下のように思います。

やはり金融庁などお役所の介入を許してしまったのは大失敗でしょう。お役所の調査は書類と形式でかつ重箱の隅まで細かくです。とにかく膨大な書類と形式が求められるようになって、きわめて形式主義になってきたようです。また、世間の風潮が現場と顧客の癒着を強調するので本部の品質管理の力が強くなりすぎたことがあります。まったく顧客のビジネスを知らない人間が判断するのですからその判断はマニュアル的形式的になりがちです。その本部の判断によって顧客が怒って離れてもそれは担当会計士の責任で本部は一切責任を取られませんので厳しい判断をしておけばいいだけです。私の昔の知人は、本部の品質管理が監査法人で一番人気がある部署で悲しい風潮だと愚痴を言っていました。

すぐには解決する問題ではないですが、「会計上の判断が経営の方向性をゆがめる」といったまずい傾向はボディブローのように効いてきます。どうなるのか心配です

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クラウド会計のFREEEは日本版ユニコーンか?

2016.09.26

Freee

日本経済新聞に日本のユニコーンという連載がされていて、その中でFreeeというフィンテックベンチャーが取り上げられています。私としてはクラウド会計ソフトの企業という印象が強く、なぜ「フィンテック」なのだろうかと思っていましたが金融機関との取引(銀行、クレジットカード)をAI(人工知能)を使って自動仕訳するからのようです。ややこの部分はフィンテックの拡大解釈のような気はしますが、この自動仕訳の部分は確かに以前の会計ソフトと比べると革新的です。私はあまり記帳の仕事はお受けしていませんが銀行の通帳や伝票を片手に一本一本仕訳を会計ソフトに入力するのは非常に面倒です。しかし、自動仕訳だと銀行のデータなどがそのまま会計帳簿に反映されます。ただし、最初は勘定科目の間違え(本当は外注費なのに仕入れになってしまったり)などがあるのですが、それを修正すると次回からはAIが学習をして間違えなくなります。記帳という意味では画期的に思われました。しかし、少し規模が大きな企業になると部門、機能別の費用の配分など複雑になってくるのですが、まだそういった面では足りない部分は多い感があります。今後の開発が楽しみです。

確定申告書にも連動しているので小さな個人事業主であれば税理士に見てもらう必要はなくなるかもしれません。しかし、税金の知識がないと申告書も誤りや税務上の特典の適用漏れなどは発生しやすいので、気になる方は税務申告書だけは税理士に見てもらった方が良いと思われます。これもAIの発達によってはかなり自動的にできる日々が将来来るのではないでしょうか?

将来Freeeに限らずこういったクライド会計の発展によって大きく経理や税務の仕事は変わってくると思います。経理は入力などの会計処理を行うのではなく会計処理の妥当性の判断業務や収益利益予測に重心が移ってくるのではないでしょうか?税理士の仕事も記帳、税務申告作成などの「代行型」から記帳の妥当性の判断や、事前に税務的な影響を診断するといった「コンサル型」に移行して行くのではないでしょうか?そういった大きく社会を変えていくという意味でFreeeは本物のユニコーンになるかもしれません。

余談ですが私もFreee アドバイザー(今のところ一つ星アドバイザー)として「代行型」から「コンサル型」へ移行しています。お問い合わせは↓まで

https://advisors.freee.co.jp/tax_accountants/search/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD/%E7%B7%B4%E9%A6%AC%E5%8C%BA

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監査でのビックデータの利用

2016.08.19

Big Data

あずさ監査法人でビックデータを監査に利用するという記事が今朝の日本経済新聞に載っていました。私も以前売上が兆円規模の上場会社を監査した経験がありますが当然その規模だと抽出できるのはほんの一部でしかありません。そういった意味でビックデータを利用して全件データをとりあえず分析の対象にすることができるのは不適正な取引を発見する意味でも意義があると思います。

ただし、「ビックデータを利用する」ということが不適正な取引を発見できる決め手になるわけではありません。わかりやすい例として日経の記事では工事進行基準では工事日程の達成率と原価計上の達成率を比較して齟齬があるものを抽出するとの例が上がっています。そして完成予定日が近いのに原価計上が少ないケースなどをあぶりだすと書いてありました。そうすると監査の前に不正をしたい側は工事日程を延期するなど齟齬のないように調整したりしてくるはずです。

このようにロジックが明らかだとなにかしら相手側も対策を立ててくるわけでビックデータの利用自体にポイントがあるのではなく抽出ロジックにポイントがあるのだと思います。ある意味監査側と不正側の知恵比べは引き続き続くということになりそうです。お問い合わせは↓まで

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船井電機の不適正会計と内部監査

2016.08.05

FUNAI

船井電機が米国子会社とメキシコ子会社で不正会計があったと報告し、決算発表を延期することとなりました。影響額は現状で16億円程度であり年間1681億円の売上のあるこの会社では巨額というわけではありませんが、経常利益が小幅黒字と赤字のあたりを行き来するこの会社では軽微とは言い切れないかもしれません。プレスリリースをみると第一四半期の「決算作業の過程において」と記されています。収益・費用を操作した場合会計上不自然なの資産計上や負債未計上といった形をとりますからそこから判明したのではないかと想像します。

いつも思うのですが日本の海外子会社の不正においてたいてい判明するのは内部告発や監査法人の指摘、決算作業の過程などであり、あまり内部監査によって発見されたという話を聞きません。一般的な日本企業と欧米系グローバル企業を比べて大きく違うのは内部監査室の状況です。欧米系グローバル企業だと内部監査は上級幹部候補のための登竜門であるケースが多いです。内部監査部門のトップは将来のCFO候補であることが多く、スタッフも各部門の精鋭を集めて2~3年くらいの任期で内部監査人として世界中を巡ります。将来の上級幹部候補はこの内部監査でリスク管理を学び建設的な提言を求められます。監査でありがちな印鑑(サイン)が抜けているといった枝葉末節な話ではなく、リスクを見定めそのリスクがきちんとコントロールされているかを検証し、コントロールに問題がある場合は報告・提言が求められます。対応する現場側としては相手側も必死に実績を作ろうとやってくるので非常に鬱陶しい存在です。私も無理に実績を作ろうとした米国本社の内部監査スタッフと大ゲンカをしたこともありました(ある意味全社で有名人になってしまいましたが・・・)。しかし、一方でこのような牽制体制の重要性は実感しましたし、必死に挑戦してくる若いスタッフに鬱陶しいと思う一方で敬意を感じていました。

日本企業の場合は内部監査室というと一線の競争から少し外れてしまった人たちが行く場所、多少重要性がわかっている企業でも専門職的に公認会計士や公認内部監査人(民間資格)などの資格取得者を設置する程度だと思います。前者はともかく後者の場合でも社内の仕組みを知悉した優秀な人間との組み合わせではないと、やれることに限界はあると思います。是非、日本企業特に海外に進出しているグローバル企業は中小企業であっても上級幹部候補育成とリスクコントロールの両面からもう少し内部監査室の役割を見直してもよいのではないかと思います。私も何社か内部監査室の改善方策をご提案したことはあるのですがまだ、実施に至った例はなくて残念です(笑)。

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伊藤忠は不正会計か?

2016.07.28

伊藤忠

米国のグラウカスリサーチグループが伊藤忠の会計処理を批判して不正会計の可能性があるとそのレポートで指摘しています。私も一応原文を読んでみました。内容は主に3つで①コロンビアの炭鉱JV(ジョイントベンチャー)で意図的に会計処理を代えて減損処理を免れた②CITICは中国政府の支配力が強いので持分法として正しい処理ではなくこの利益は本来認識すべきでない③Ting Hsinの投資で決算期4週間前にに600億円(税引き後)利益を突然認識したのは怪しいの3点です。

①ですが状況証拠的にはかなり黒いです。かなり石炭の相場が下がっておりこの炭鉱の権益の価値が下がっているのは彼らが言うとおりでしょう。IFRS11号(ジョイントアレンジメント)が適用され、計上の方法が変わるのはある程度理解できますが、関連会社投資でなくその他の投資に振り替えたのは、現状ある情報からは疑義は残ります。伊藤忠側は契約が変更になって影響力が行使できなくなったと反論しているようですがやや弱いというのが実感です。

一方②についても伊藤忠はCP(チャロンポカパン)とともに20%を保有してある程度の支配権は持っていると主張していますがグラウカスは持ち分は10%である否定し、支配権もほとんどないと否定しています。10%の部分はもう少しじっくり考えないと判断できませんが、支配権の部分は確かにそうかもしれません。

③については説明としては状況証拠の域を出ない気がしますが、①と②はかなり詳細な分析に従いきちんと立証されたレポートと思います。彼らの伊藤忠の会計処理はいいとこ取りをした一貫性のないものだという主張は彼らのリポートを読む限りうなずけます、ただ、この案件が東芝と異なるのは「明らかな正しくない会計処理」ではなく、「恣意的に会計処理を行っている疑い」があるということです。「恣意的」を完全に立証するのは難しいので私の個人的な意見ですが「黒に近い灰色だが黒ではない」です。

経済実態的には彼らの意見の方が伊藤忠の実態を表していると思いますが、これが大きな東芝のような大きな問題になるかは現状判明している範囲ではあまり高くないと思います。お問い合わせは↓まで

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舛添氏の政治資金使途の問題と政治資金監査人の責任

2016.06.16

masuzoe

舛添氏が辞任しました。その中で政治資金を私用流用した疑いが一つの要素になっていると思います。しかし、不正会計が起こると監査法人がなぜ見逃したのか大きく話題になりますが、政治資金監査人の責任を問う声は聞こえててきません。実は国会議員が関係する政治団体に関しては登録政治資金監査人による政治資金監査が義務付けられています。登録政治資金監査人は税理士、公認会計士、弁護士で一定の研修を受けて登録をした者ということになっています。なぜ政治資金監査人は私的流用の責任を負わないのだろうかと当初不思議に思いました。

政治資金監査は同法19条第2項の1号から4号までの業務を行うことになっています。この内容を一言でいうと、政治資金の報告書はきちんとした領収書や請求書に基づいて作成された会計帳簿にしたがって作られていることを監査するものです。総務省発行の政治資金監査マニュアルにも明記されていますが「政治活動の自由を尊重することが求められるものであり、政治資金の使途の妥当性を評価するものではない」と明記されています。つまり家族旅行を政治資金から支出してもきちんと領収書が「XX政治団体」名で作成されている限り監査上は問題にならないわけです。したがって現状の法律に基づく限り政治資金監査人の責任はないと言ってよいでしょう。

一方で一般の個人事業主は所得税法45条で家事消費(簡単にいうと事業とは関係ない私的な費用)は経費として認められないと明記されています。そして、所得税施行令96条で事業の経費と交っている場合はきちんと区分しなさいと明記されています。一般の個人事業者でもやっていることなので(結構いい加減な人も少なからずいますが・・・)あまりにひどいものは税理士が止めさせますし、税務署が目を光らせています。政治活動の自由は大切ですが私的な費用と混同されがちなものについては一定の説明責任があり、その私的費用との区分及びその説明の妥当性については監査の対象にしても良いのではないでしょうか?実務的には「説明の妥当性」を判断するのは難しい面もありますが、所得税法とある程度平仄を合わせれば(借用概念までいくかは法律の専門家に任せたいですが)、家族旅行のついでに1回会議をしただけで全額政治資金支出するなどの極端な例は防げると思われます。

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IFRS適用企業は増え続けるか?

2016.06.13

IFRS1

日曜日の日本経済新聞でIFRS(国際会計基準)適用企業が140社程度になりそうだという記事が1面に載っていました。以前上場企業への強制適用の話があったのですがすっかり話題にも載らなくなっていました。東証のデータによれば5月現在適用会社は74社、適用決定企業は39社です。

この顔ぶれを見ると非常にユニークなのが業種によって偏りがあるということです。たとえば製薬は武田製薬をはじめ8社がすでに導入済、総合商社も三菱、三井、伊藤忠、住友商事、双日とすべて導入されています。一方金融業界は銀行はゼロ、証券もSBIとマネックスのみと大手はゼロです。全く金融業界は興味を持っていないかというと実は準備は秘密裏にされているようです。私が以前ある金融業のIFRS導入のための会計業務プロセスのコンサルティンングを行った際IFRSはほぼ開始できるしくみは構築されつつありました。他社の動きを見て他社が動けば自社もすぐ動くといった形で準備していると担当役員の方は述べられており、おそらく業界トップクラス企業が動けば雪崩を打ってIFRS導入になると思われます。

IFRS導入というと、外人投資家のための比較可能性や、M&Aののれんの償却がクローズアップされ気味ですがグローバルグループ経営をきちんと整える意味ではいい機会かと思います。以前から日本企業は海外子会社の経営管理が弱いと言われていましたがその原因の一つとして会計管理の弱さがあったと思います。IFRSを機にきちんとした連結パッケージを作成し、グループ会社の勘定科目を中心とした統一した会計処理をグローバルで行う企業が多いようです。現地のレポートを単純に合算するのではなく、統一した基準・フォーマットで作成することにより業績管理なども統一の指標でできるわけです。是非、IFRS導入を黒船襲来のようにとらえず、経営管理を改善する良い機会と思っていただければと思います。これは必ずしも1部上場の巨大企業だけでなく、グローバル展開を行う中小企業にも大切な視点だと思います。実際私も中小企業のIFRSを採用したグローバル経営管理の構築を現在もお手伝いしております。

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