USJの沖縄進出断念は妥当か?

 

USJ

ユニバーサルスタジオジャパンが沖縄への進出計画を撤回する検討に入ったと新聞をにぎわしています。理由は採算が見込めず、好調な大阪に投資を集中させたいということです。新聞紙上では「沖縄が困惑」などと批判的に述べていますが、採算がもし取れないならばわかった時点で撤退して当たり前だと思います。この決定の変更によって損害が沖縄県等にかかるならば当然それは事前の契約書に明記されているべきだと思われます。それにしたがって粛々と損害金を請求すればよいだけで、できないならばそのような甘い契約を結んだ(または約束した)側に責任があります。

これはかなり乱暴な計算ですが投資効果を概算してみましょう。過去のUSJでは800万人程度の入場者で160億円の営業キャッシュフローを得ていました(平成21年3月決算短信)。沖縄の入場者数を新聞などで伝えられている300万人とすると90億円(160÷800x300)の営業キャッシュフローが生じます。90億円が毎年生じて必要な投資収益率が15%とすると400億円くらいの投資(90÷15%)がせいぜいです。ざっくり投資収益率を計算すると7%くらいで大阪への投資を大きく下回るのでしょう。

当然このような計算は入場者数やキャッシュフローなどのパラメーターが変われば結果はかわります。この意思決定が正しいかはUSJの内部資料を持たない私は判断できませんが、ざっくり計算では確かにやや不利な投資意思決定かもしれないと思われました。

失敗する企業はこのような投資効率計算をしないか、非常に甘い仮定でおこないます。中小企業でも十分可能(ご自身でまたはコンサルタントに依頼)なので投資効率計算は行ってください。

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