甘利経財相の辞任とコンプライアンス

amari

甘利経財相があっせん口利きの責任をとり辞任しました。日本人には珍しいタフネゴシエイターでTPPでも活躍されていたので非常に残念です。この建設会社もやり取りをすべて録音やメモで残す用意周到さで一部ささやかれているように罠かもしれません。よくこの手のことだとCIAや中国公安部あたりがささやかれますが、このあたりの陰謀説はここでは取り上げません。ただ、気の毒ではありますが地位の高い方は罠にかかってしまう脇の甘さが問題でしょう。政府高官や財界の重鎮が某国でハニートラップにかかって骨抜きにされてしまった例があるなど国際社会は油断がならないのでなおさらです

評論家の古谷経衡氏がベッキー不倫騒動で「社会的制裁を遥かに超えた集団リンチ」を行う「道徳自警団」の存在を上げていましたが、社会全般で有名人が不正(必ずしも法的に不正とは限らない)を集団でつるし上げ叩く傾向が強まっています。以前松島法務大臣がうちわを配ったといわれて問題になっていましたが、「野党自警団」の動きで国会が空転するのはうんざりした気分になります。甘利氏のケースは秘書があっせん利得罪、本人も政治資金規正法違反という法令違反なので追及されるのも仕方ないとは思いますがこれで国会が空転してしまうのはやはりうんざりした気分になります。

大企業などだと最近は非常にこのあたり繊細になっています。何万人いる社員の一人や孫会社の一部門が何か不正を働いたことでも下手をするとトップが責任を取らされて公の場で謝罪、下手をすると辞任を求められます。コンプライアンスなどは座学で聞くだけでは何も身につかないのでケーススタディなどを使って大企業などでは行っています。以前私もある米国企業の人事部に頼まれて全社員のコンプライアンス研修を仲間と行いました。その企業でかつて会った不正や非常に悩ましいケースをあげて参加者がディスカッションをおこなっていくワークショップ形式で1日熱く語り合いました。

政治家、特に大臣の地位のある方などは狙われています。意識は大企業並みにもっていかないと今後はまずいのではないでしょうか?少なくとも、このようなワークショップなどでコンプライアンスを事務所全員できちんと学ぶ必要があるのではないでしょうか。