すき家契約社員800人、バイトから -登用は成功するか?

sukiya

すき家がバイトから契約社員での登用を増やすようです。結構記事で驚いたのが全国に2000店舗があるものの店長が1000人しかおらず、残りの店舗はチーフと呼ばれるバイトが実質的に責任者であった点です。今回そのチーフをテストとして契約社員に登用したところその店の売り上げが大幅に伸びたようです。牛丼屋さんに行くとわかりますが、店長と言っても基本的には普通の店員と一緒に接客に追われています。そのような忙しくかつ他のバイトの管理もしなければならないのにバイトで多少時給が高いだけといった状況だったわけです。それに人手不足が追い打ちをかけたわけですから接客の水準も下がるはずです。自分の弟も牛丼チェーンの店長だった時代がありましたが、バイトが突然休むと自分が仕事をしなければならず、会社に対する不平不満も聞かねばならず本当に大変そうで体を壊して退職しました。これが通常のバイトに毛が生えた程度の時給でやっていたわけですからある意味頭が下がります。ただ、人手不足のおり、さすが心が折れてしまった方が少なからずいたのだろうと想像します。

今回契約社員になることによって、5割ほど年収がアップするようです。今、ゼンショーグループ全体で正社員が5859人でパート従業員が44117人ですから、1000人契約社員というのはパート従業員の2%程度でさほど財務的にはインパクトのある話ではないと想像されます。しかし、新聞にも大きく取り上げられたのでニュースとしてのインパクトは強い方策と思います。8月にゼンショーグループは既存店売上高が3.4%と前年同月比上回りましたが、客単価の上昇が9.8%で顧客数は-5.8%とまだ減り続けているようです。確かにすき家は牛丼3社の中でもワンオペを代表するブラックのイメージが強く最近自分も足が遠のいていました。

契約社員にして年収が上がったということは当然その人たちのモチベーションが上がった理由だと思うのですが、やはり会社は自分たちの努力を認めてくれているという感覚が大事だと思います。時給の単なる増加ではなく手当や賞与といった形の年収アップ+契約社員+正社員登用といったセットが同じ年収アップでも心に響いたのではないかと思います。従業員を部品のように扱うのではなく、きちんとその働きを認めるということはつくづく大事なのだと思われました。牛丼も一時290円の時代がありましたがおそらく400円台くらいになるのでしょうね。残念ですが、従業員の搾取の中に成り立っていたと思えば、400円台くらいの方が適当かもしれません。