AIIBの副総裁に日本人を打診

最近天候が不順で寒かったり暑かったり本当にしんどいです。皆様お元気にお過ごしでしょうか?体調にくれぐれもお気を付けください。

さて、今朝の日本経済新聞2面の迫真で中国側からアジアインフラ投資銀行(AIIB)の副総裁に日本人を打診していたというのは衝撃でした。結果から批判するのは容易かもしれませんがやはりユーロ諸国の加入を見抜けなかった外務省や財務省にはがっかりです。参加しなかった理由の一つには巷で言われているように米国の顔色ばかり見ているという点はあるかもしれません。また、今回台湾の加盟を拒否するなど運営に政治的な判断を入れるなど中国のやり口の不透明な点も多くあると思います。しかし、もし副総裁などのポストを得た場合にはある程度AIIBをコントロールできる可能性もあり、ユーロ諸国が主張するようにメンバーに加わって内部から運営の透明性に寄与するということも一理あると思います。

ただ、自分は特に財務省が(財務省出身者が総裁を歴任している)アジア開発銀行(ADB)の他に中国が新たな国際金融機関をアジアに創設するという「不都合な真実」に目をつぶり、ひたすらうまくいかないことを祈っていたような気がしてなりません。雑誌でも中国はどこかで大崩壊するなどという論調だと売れたりします。しかし、もう中国はGDPで日本の2倍以上あるアジア1の大国であるというこの「不都合な真実」を認めて、国際金融機関でもある程度主導権を握りたがるであろうという事実はきっちり目をつぶらずに認めなければならないと思います。その「不都合な真実」を直視したうえで、この国際ルールもいい所どりしがちな問題ある大国にどう対峙していくか考えるべきと思います。

企業経営でもNo1だった企業が昔の栄光を忘れずに変なプライドでますます深みにはまっていくケースが多々あります。やはり、企業経営でも「不都合な真実」を直視したのちで初めて次の前向きな手が打てます。日本もこのAIIB創設にあたっても、ユーロ諸国も同調しているという不都合克つ残酷な真実に目を向けて対応し時を無駄にしないでほしいです。

 

 

アジア投資銀、幻の日本人副総裁(ルポ迫真)
2015/4/14 3:30

日本経済新聞 電子版

 3月22日、北京の釣魚台迎賓館。ひとりの中国政府高官がアジア開発銀行(ADB)総裁、中尾武彦(59)に早口の英語で語りかけていた。

 「やはり日本にもぜひ参加してほしい。必要なら私が日本に出向く」

 高官の名は金立群(65)。財政次官やADB副総裁を歴任した。国家主席、習近平(61)の意を受けて年内に発足するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の初代総裁と目される人物だ。