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経営

介護は書類仕事か?

2017.08.23

roujinn

社会福祉法人改革が始まりその中の重要な一方として一定規模以上の社会福祉法人に外部の会計監査人による会計監査が義務付けられました。私も社会福祉法人の監事や会計監査人を頼まれることが多くなりました。ざっくりいうとこの改革により社会福祉法人のガバナンスを強化し、事業運営の透明化、財政規律の強化を図っていこうということです。新聞で社会福祉法人が取り上げられる際はたいてい悪い例で介護担当者は低賃金・重労働で搾取され、介護を受ける老人は低コストの劣悪なサービスで虐待され、一方法人側はたっぷり利益を上げて理事長一族は親族で役員を固め、高給を得て豪奢な生活をしているといったイメージです。世の中にこのような例は存在しないことはないとは思いますが私の印象だと非常に少ないと思われます。

当然私の関与先の詳細は述べることはできないのですが実際関与して感じたことは以下です。まず、社会福祉法人会計の考え方ですが基本的に部門別計算の考え方が徹底されているということです。拠点区分(ざっくりいうと独立した施設ごと)に資金収支計算書(キャッシュフロー)、事業区分計算書(損益計算書)、貸借対照表が求められます。良い点は施設長などは収支に関する感覚が鋭くなってどうすれば採算が良くなるだろうかということをよく考えるようになった点でしょう。私見でありますが、介護関係の方々は真面目で献身的な方が多い一方、利益をあげるといった方向にはうとい感じがします。そういった意味では一定の意義は認められます。その一方で普通の企業は部門別計算といったものは社内向けの意思決定資料で様式も厳密には決まっておらず、規模の大きな企業以外はエクセルで作成するレベルです。これを公表財務諸表で行うときちんと仕訳をして記録を残しておかなければなりませんから作業はかなり負担がかかります。画一的になる面もあり監査対象となるような特定社会福祉法人ですと財務諸表だけで100ページを超えることもありあまりに負担が多すぎる感はあります。部門別計算を行うことの意義は否定しませんが、これを公表財務諸表とすべきかは疑問を持ちます

それ以外も介護関係の書類は膨大です。介護を受けるご本人の様態などの記録は大切なものでそれは仕方ないと思いますが、国の所管である介護保険や様々な地方公共団体の介護関連サービスに関する報酬の算定資料はそれぞれ異なり複雑で細かく作成資料は膨大です。介護施設の管理職の方は書類仕事に追われているのではないかというのが正直な感想です。確かに介護に関する国や地方公共団体の負担は増大する一方で厳密な計算が求められるという面は理解できます。しかし、公認会計士も理解が難しいような計算や頭が痛くなるような書類の山たちは本当に必要なのでしょうか?一方、役所の方はちょっとした報酬の計算には関係ない軽微な記載ミスも指摘し修正を求めるといったこともよくあると聞きました。実はこのあたりが無駄にコストがかかる一面ではないかと思います。

役所の考えた仕組みはよく考えられているとは思うのですがやはり現場感のない机上の案といった感は強いです。真面目に真摯に毎日業務に従事して今後高齢者大国を支えていく介護の方々から少なくとも書類・事務仕事の時間は何とか大幅削減できないのか、内部統制を業務負担を増大させることなく強化する方法がないのか、そのあたり今後考えていきたいと思っています。

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