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経営

公認会計士からみた社会福祉法人

2017.03.27

kaigo

社会福祉法人(収益30億または負債60億以上)の公認会計士監査が義務化されたこともあり、最近社会福祉法人関連の仕事をする機会が増えてきました。社会福祉法人には障害者や高齢者、保育園、病院などがあり、私は個人的に少子高齢化に伴う両面である保育園と介護施設に興味があり、現状割と積極的にお受けしています。

新聞紙上で取り上げられるのはたいてい公益を隠れ蓑に一部の理事長や理事などが高給をむさぼり利用者や職員は劣悪な環境で搾取されているような例ですが、きちんと網羅的に調査しているわけではないですがきわめて少数だと思われます。私の見ている少数例ではありますが、現場、経営陣ともに日夜真摯に取り組まれている感は強く頭が下がる思いです。

綿密な調査に基づく結論ではありませんが、私なりの感想を述べさせていただきたいと思います。「いかに悪い結果につながったとされる事例でも、それが始められた当時までさかのぼれば、善き意志から発していた」というのが全体的な所感です。一つとしていろいろな意味で行政の関与は必要なことは否定しないのですがどことなく、行政の感覚は現場感というよりも机上な気がします。例えば、特養(特別養護老人ホーム)についてのユニット型ケアの問題があります。従来の特養ですといわゆる4人部屋など大部屋でしたが、ユニット型では1ユニットごとに専用の居住空間と専任の職員を配置することにより、大規模(多数床)施設でありながら、小規模生活単位の家庭的な雰囲気のなかできめ細やかな介護ケアを行なうことができます。現場の方にお聞きすると確かにユニット型の方がきめ細かくて良いことは確かなようですが当然人手がかかるそうです。新しい特養は基本的にユニット型しか許されないのですがこの介護人材不足の中で人が取れなくて現場は大変なようです。特養入居待ちが続く中で人手不足でフロアーが空いている例もあるようです。行政としては一人一人の入居者の厚生を高めようというよき意志から考えたのだと思いますが悪い結果につながっているかもしれません。

また、ここでは詳細は述べませんがとにかく介護保険関連は必要書類が膨大です。これも不正受給を防ぐために行政が様々に考えた結果だと思うのですが、現場はそのチェックなどでやたらと時間を取られています。介護人材で「利用者」ではなく「書類」の仕事をする時間が増えるという悪い結果につながっています。財務資料なども拠点ごとサービスごとに作成しなくてはならず膨大で上場企業の有価証券報告書並みの厚さがあります。全く不要とまでは申し上げませんが、ここまでの細かい資料の必要性については疑問を持っています。どんぶりではなく部門ごとにきちんと計数管理をするという考え方は正しいのですが、画一的に作成方法を定めて強制するという手法には疑問を抱きます。

最後にこれは違った観点ですが行政は新しい建設には前向きなのですが、従来の設備の大規模改修には後ろ向きな印象が強いです。とにかく社会福祉法人は内部留保を増やすなと縛り、補助、助成に関してもあまり積極的でない感があります。しかし、実は改修によって利用者の厚生も向上しますし、職員の導線が効率的になり少ない人材で対処できるようになります。人材不足に対する一つの解法にはなります。地方議員も行政も新規建設はアピールしますが、改修はあまりアピールにならないからではないかと考えるのは下種の勘繰りでしょうか?

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