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経営

中小零細企業と金銭払い解雇

2017.02.01

JAL

厚生労働省の有識者検討会は30日、裁判で不当とされた解雇を職場復帰ではなくお金で救済する「金銭解決制度」の導入に向けた本格的な議論を始めたと日本経済新聞に載っていました。確かに裁判で不当解雇とされても職場に戻れるかというと、戻れても非常に居心地は悪く、それならば金銭で解決して次の仕事を見つけようというのがこの趣旨だと思います。また、中小零細企業の従業員だと社長の「お前は首だ。明日から来なくていい」と言われて下手をすると30日分もらえる解雇予告手当さえもらえない泣き寝入りも多くあると思われるのでその解決になるかと思われます。

大きな論点は金銭払い解雇の是非もあるのですが、この制度を企業側からの申し立てで適用できるか、解決金の相場(上限下限を設けるか)、国籍・信条による解雇を認めるかです。大企業と中小零細企業では状況が違うので今回は中小零細企業の見地から見ていきます。中小零細企業の現場では企業によって大きく差がありますが、基本的には裁判所的な見地での「不当解雇」は普通に行われている感があります。ブラック企業は大企業だと電通のように叩かれますが、実は電通の下にもっと労働条件の悪い中小企業である広告制作会社が多くあります。一方裁判所感覚の「不当解雇」の範囲は非常に広いという感はあります。例えば一度大阪地裁で会社更生法を申請した日本航空で解雇された従業員について人選が適当でないということで解雇無効判決を一度出したように(高裁で逆転判決)「裁判官の社会通念」はかなり一般と異なる感は強いです。非常に中小零細企業と裁判所との通念の差は大きいというのが実感です。

中小企業は社員一人の力は大きいので逆に言えば問題社員は辞めてほしいでしょう。また、裁判官の感覚で整理解雇を待っていたらまず倒産です。一方でブラック企業のように従業員を低賃金で酷使し体調を崩したら即解雇といった企業は中小零細にも多く存在します。労働法規に対する遵法性は一般論としては大企業より低い会社が多いというのがおそらく実情でしょう。そういった中でのギャップをどう埋めていくかというのはこの金銭払い解雇の導入の問題点でしょう。私としては中小零細企業側も社会保険労務士や労働法に強い弁護士のアドバイスなどを受けてきちんと労働法規を理解するとともに、裁判所ももう少し中小零細企業の実情を理解して今後の法の運用を考えてほしいものです。おそらくこれは判例の積み重ねといったある程度の時間が必要かと思われます。

根本は中小零細企業で解雇しなくても良いように問題社員を生み出さない、業績は悪化する前に早く手を打つ経営だと思いますが。経営相談、お問い合わせ等は↓まで

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