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経営

東芝問題の根源は何か?

2017.01.23

WH

東芝の原子力子会社であるウェスチングハウス(WH)が2015年末に買収したシカゴブリッジ・アンド・アイアン(CB&I)から買収した原子力サービス子会社(S&W)の買収価額でのれんの評価が最終的に確定したところで数千億円の損失を計上する恐れが出てきたと昨年末発表がありました。新聞紙上などでは5000億円を超える、または7000億円にのぼるという話が出ています。

この問題で不思議なのはこの損失をすべて東芝が負担する点です。巨大企業であると買収までにデューデリジェンス(買収価額の査定)をするものの、本格的な査定には時間がかかることはあります。しかし、大きな買収でよくあるパターンは買収時にある程度金額は決めていても最終的な査定までかなりの金額は保留して査定の結果価額が大幅に下がる際はその支払いを保留または減額するです。ニュースをたどるとS&Wに対してその損失を補てんするような契約が存在しているというものもありますがはっきりはしませんし、少なくとも東芝のプレスリリースではそのようなものはありません。

もう一つとして、確かに正式な発表まで時間がかかるのは確かですが、数字の大まかなものについては数か月で判明するはずです。いまだ1年たっても数千億円などという大まかな発表しかできないのは非常に不思議で隠蔽しているのではないかという疑問は強いです。

どんな企業でも「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」というシーザーの言葉にあるように嫌な現実から目をそらせる力が常に発生します。私の経験でも日本企業でも欧米企業でも悪い情報を握りつぶそうという経営幹部は必ず存在していました。ただ、本当に一流企業と言われる企業はその人間の性質に正面から目を向けて防ぐような仕組みが必ず存在していました。代表的なものとしては内部監査があります。一般的な日本企業だと(失礼と聞こえるかもしれませんが)J-SOX(内部統制報告制度)にしたがって非常に形式的な監査を行う部門か、左遷された元管理職が重箱の隅をつつくような指摘を行う部門が多い気がします。本当の一流企業だと内部監査は経営陣の耳目となる部門で将来の経営幹部候補が必ず通るような部署です。CEOやCFOなどの経営幹部も内部監査部門からあえて耳の痛い提言を求めています。内容もJ-SOXのような形式なものだけではなく広く業務の効率性、リスクマネージメントを含めて統括しています。おそらく東芝の場合このような耳の痛い話を経営陣に行う仕組みが存在していないのではないかと思われるわけです。(誤解のないように説明するとJ-SOX自体が形式的なのではなくその仕組みを形式的に運用しようとする企業や公認会計士を含む監査人が多いことは確かです)

どんな企業でもついつい都合の悪い情報は隠すという力が働きがちです。それを防ぐような仕組みは常に考えておく必要があるわけです。急成長企業などでもこのあたり目配りができない企業が多いのは残念です。私もこのような内部監査部門の構築支援などもしていますが、外資系企業はともかく日本企業からは声はかかりませんね。

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