ハコものはあっても入居できない特養



 

    目次

    1.特養のハコはあっても

 

 先日の日本経済新聞の記事で首都圏における特別養護老人ホーム(特養)の待機人員のうち10%にあたる6000人のベッドが空いているという事態が取り上げられていました。ハコものはつくったもの介護の人員が足らず入居させることができないという事態が生じているわけです。私も社会福祉法人の会計監査人などをやっている関係で新規に開設された特養で人手が足りず半分くらい開店休業だという噂が入ってきていたりしたので感覚的によくわかります。残念ながら区議会議員の報告などを見ても「特養XX棟建設」「保育園XX棟建設」などハコものを作ることには非常に熱心ですができたハコものをどう生かすかという点で熱心な方は非常に少ないと思われます

 

    2.私が見た社会福祉法人の例

 

 一方既存の社会福祉法人の建物は老朽化して効率の悪い建物も見受けられます。私も完全に仕組みについて理解していないので誤解である可能性もあるのですが新築に比べ大規模改修や建替えに対する自治体などの補助は薄い気がします。新築が全く無駄というつもりはありませんが、改築などにより定員を増やす、介護職員が少しでも効率的に働ける体制をつくって人手不足を少しでも解消する方向にも目を向けてほしいと思われます。当然介護というヒトを扱うお仕事で効率一辺倒というのは許されないと思うのですが、いかに少ない人数で効率的に行うかということにも目を向ける必要があるかと思われます。少なくとも現場の人々の書類仕事は少しでも減らせる方向にしたいものです。

 

    3.外国人の導入

 

  この度入国管理法の改正で特定技能1号で介護人材において外国人を受け入れられることが決定しました。しかし、単身赴任が前提など条件が厳しいものになっています。今は確かにまだまだ日本の生活や賃金などは魅力的ですが今後10年、20年このまま日本が推移した場合外国人にとって日本に来ることはそれほど魅力的であり続けるのかは疑問です。そういった意味で、外国人に取って魅力ある国であり続けるためにもきちんと人権は守り不法な低賃金や取り扱いがされることのないよう目を光らせることは今後非常に重要だと思われます。

 介護という仕事は単純労働ではないと思いますし、介護福祉士などは国家資格です。ただ、これほど介護人材が不足している中、外国人という選択肢は避けて通れない気がします。特定技能1号として他の比較的単純と思われる業務と一緒にされるというのは違和感はありますが、それは採用側が厳選すればよい事です。前向きにとらえてこれ自体が唯一の人手不足の解決法ではないですが一つの選択肢として考えていけばよいのではないかと思われます。

 

 

 

 

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