ライザップ躍進の秘密

 

らいザップ

フィットネスクラブ「ライザップ」を経営する健康コーポレーションの上半期の営業利益が15億円と前年の7800万円から大幅に増加する見込みなようです。主とした原因として新店増加による顧客増加が挙げられています。健康コーポレーションは以前豆乳クッキーというダイエット食品で上場した会社でダイエットという分野にかなり昔から注目して伸びてきた会社で、その次の矢としてライザップが大当たりしたと言えます。ライザップの躍進として巧みで印象的な広告があげられますが利益の面で見ると地味なところできっちり利益を上げる仕組みができている気がします。

健康コーポとセントラルスポーツを有価証券報告書でデータで比較してみると固定資産回転率(売上÷固定資産)が健康コーポが2.5に対し、セントラルが1.5と健康コーポの方が回転が良いことがわかります。(健康コーポはフィットネス専業でなく、単純比較はやや乱暴ではあることに注意ください。)フィットネスクラブはジム設備に投資といったいわゆる装置産業的な面が一般的にはあります。セントラルフィットネスに代表される一般的なスポーツクラブは便利なところにきれいな設備を持ちますから必然的に設備投資額は高くなります。一方ライザップは施設自体は特別ではないので少なくとも一等地の施設は必要なくそういった意味では投下資本も少なく素早く拡大できたのではないかと思われます。

健康コーポのアナリストレポートをみると今まで主要都市のみにあった店舗をどんどん地方に展開していき、一方年齢層で今まで手薄だったシニア層を狙っているようです。したがってまだまだ拡大の余地はあるように見えます。ただ、前受金や借入金で大量の広告費を使って拡大していくモデルはいったん売上の伸びが止まると破綻するミュゼやNOVAなどが破綻した道であるのでそのあたりの財務コントロールはわりに今後のカギになっていくとは思われます。