天下りの本当の問題点は何か?

 

monnkashou

文科省が元高等教育局長の早稲田大学へのあっせんをした疑いで政府の再就職等監視委員会が調査にあたっています。私のこのニュースを聞いた際、恥ずかしながらこのような委員会があること、国家公務員法で官僚の天下りのあっせんが禁じられていることを知りませんでした。なぜならば業界団体、公益法人、独立行政法人などは普通に天下りの指定席があり誰でも知っていますが摘発されたことなどは聞いたことがありません。例えば、パチンコ業界の全日本遊技事業共同組合連合会や財団法人・保安電子通信技術協会(パチンコ台の形式を認可する団体)の役員など警察庁の天下りの指定席であるのは公然の秘密であるにもかかわらず、(ネットなどではともかく)政府や国会などで大きな問題になった記憶がありません。

あくまでも想像ですが、大学側でも「補助金が増える、いろいろな認可等で便宜を図ってくれる」というならば喜んで受け入れる」のでしょうが、「たいして有名でもなく研究成果もない人を受け入れるのは嫌だ」ということで表に出てしまったのではないでしょうか?ここで問題なのは、「補助金が増える、いろいろな認可等で便宜を図ってくれる」と受け入れ側では満足という点です。天下りで問題なのは高級官僚の方が第二の人生で高待遇、高給を謳歌することではなく、天下ることによって不必要な規制ができたり本当は必要な規制ができない、特定の業界、団体、企業に便宜を図り非効率で不公正な社会になることです。わかりやすいのはタクシー業界の運賃やUBER(ウーバー)の参入規制でこれなどは安全や過当競争を防ぐなどと言っていますが、国土交通省や警察庁の高級官僚の天下り先であるので既得権益を守るというのは大きな理由の一つだと思われます。政府の再就職等監視委員会ですがこの小さな案件で注目を喚起し、さらに国民生活に大きな影響を与えるような巨悪に切り込んでいっていただきたいと思います。間違っても文科省といったどちらかというと弱小官庁を叩いて終わりにはしてほしくないです。

一方でいつか機会があれば述べたいですがしょうもない天下りとかではなく高級官僚という素晴らしい頭脳をどこか活かす方法はないかということは考えるべきだと思います。全員が優秀なわけではないですが、やはり優秀な方はそこそこ多くその能力を枯れさせてしまうのは日本の損失だと思います。とかく、高級官僚優遇などと叩かれやすいですが本当に優秀な方は生かすべきだと思うのです。